着用したとき、最も素材の質感を味わえるのがニットである。なかでもカシミヤ素材は、とろけるような柔らかさに加え、体を包み込む安心感と暖かさに満たされる。着用する本人を幸せな気持ちにさせる、淡いベージュやグレー、アイボリーといった色彩にモダン・ジェントルマンの品格が宿る。本稿では、ファッション・アパレル業界で今、重要なキーワード“サステイナブル”を取り入れたカシミヤニットに注目した。再生カシミヤニットであってもカシミヤ100%と変わりないから、環境優しいニットをと考えているのであればおすすめだ。

持続可能な生活が問われる今、再生カシミヤニットに着目

左/デッドストックのカシミアニットをほぐし、新たに作り上げた一着。¥62,700(アリゼア〈ダニエレ フィエゾーリ〉)右/紡績時に発生したカシミアの綿を集め、ピュアカシミアと混紡した再生ニット。¥47,300(スピラーレ〈ノミアモ〉)

ファッション・アパレル業界で今、重要なキーワードは“サステイナブル”である。持続可能な社会をファッションの分野で、いかに支えられるのかが問われている。

今日では1980年代にエコロジーなスタイルが再認識され、今日の課題となっている。

そこで広範囲に展開するファッションのアイテムのなかにあって、カシミヤニットについても、再生素材のカシミヤを使った製品が登場しているのだ。

再生カシミヤニットは2種類ある。まず、カシミヤを紡績する際に生じる、細かい毛を糸にして編み上げた製品。もうひとつが、在庫となったデッドストックのカシミヤニットの糸をほどき、紡績し直したあと、製品化したもの。

どちらも、新たな再生カシミヤニットとして注目され、革新的なブランドは、すでに製品を手掛けている。気になる風合いは、加工技術の向上もあり、カシミヤ100%のニットに匹敵するレベルまで来ている。

※価格はすべて税込です。

<出典>
MEN'S Precious秋冬号「モダン・ジェントルマンを象るAtoZ」
【内容紹介】モダン・ジェントルマンを象るAtoZ/しなやかで優しい男こそが本物のジェントルマンだ!/「その男の名は、ボンド」/もう「エルメス」さえあればいい/男がジャケットを着る時/ニットを極めるなら、やはりカシミア!/「名品時計録」2021など
2021年9月6日発売 ¥1,230(税込)

MEN'S Precious2021年秋冬号の詳細はこちら

この記事の執筆者
TEXT :
MEN'S Precious編集部 
BY :
MEN'S Precious2021年秋冬号
名品の魅力を伝える「モノ語りマガジン」を手がける編集者集団です。メンズ・ラグジュアリーのモノ・コト・知識情報、服装のHow toや選ぶべきクルマ、味わうべき美食などの情報を提供します。
Faceboook へのリンク
Twitter へのリンク
PHOTO :
小池紀行(パイルドライバー)
STYLIST :
四方章敬
EDIT&WRITING :
矢部克已(UFFIZI MEDIA)