ピュア電動のSUV「アウディQ4 e-tron」が、日本でお披露目された。SUVの「Q4 e-tron」と、クーペライクなシルエットのクロスオーバー「Q4スポーツバックe-tron」ともに、2022年1月18日に発表され、発売は同年秋以降という。
ひと目で新しいアウディとわかるデザイン
4588ミリの全長に、1614ミリの全高(欧州値なので発売時に日本向けの数値に変更されるはず)をもち、「Q3とQ5のあいだに位置するコンパクトなボディサイズ」(アウディ)が特徴のひとつ。
もうひとつの特徴は、さきに触れたとおり、ピュアEVであること。最高出力150kW、最大トルク310Nmの電気モーターをリアに1基搭載する後輪駆動だ。総容量82kWh(実容量77kWh)の駆動用バッテリーは前後輪の間の床下に搭載される。
バッテリーの容量が大きいだけあって、静止から時速100キロまでの加速に要する時間は8.5秒。一充電走行距離は516キロという。ブレーキペダルを踏むだけでイグニッションがオンになるシステムも新しい。停車時はサイドブレーキボタンを押し、ブレーキを離すとモーターが停止する。
スタイリングは前後席ともに余裕あるスペースを確保。パッケージが考え抜かれたプロポーションだ。加えて、シャッター付きのグリルや、目をひく個性的な造型のエアダムなど、独自のキャラクターが確立されている。つまり、一目で新しいアウディとわかるのだ。
コクピットは、奇をてらわず、運転しやすさを最優先したと思われる機能主義的なデザイン。加えて、四角形のステアリングホイール、ARナビゲーション、大きなインフォテイメント用モニタースクリーンなど、従来のSUVとは一線を画した要素も採用され、新しさもちゃんと感じさせてくれるのだ。
ボディはここで書いてきたとおり、2車型。150kWの電気モーター1基による後輪駆動というドライブトレインはすべてのモデルで共通だ。価格はSUVの「Q4 e-tron」がベースモデルの599万円から「Q4 e-tron S line」の689万円まで。「Q4 スポーツバック40 e-tron」は「アドバンス」の688万円と、「S line」の716万円の2本立てとなる。
ブランドディレクターが語るEV戦略
東京都内で開かれた発表会には、ブランドディレクターを務めるマティアス・シェーパース氏が出席。上記Q4シリーズの概略を紹介するとともに、アウディのいまと少し先の未来について語ったのが印象的だった。
日本市場では2021年に発売したピュアEVのGT(というかほとんどスポーツカー)の「e-tron GT」の販売が好調。2022年の割り当てぶんもすでに完売しているそうだ。
EVのセールスを後押しするため、22年第3四半期以降、現状に加えて新たに54店舗を加えた104個所に150kWの急速充電器を設置するという。フォルクスワーゲングループジャパンの店舗を加えると、250店舗以上で急速充電器を使えるようにすると、シェーパース氏。
グローバルの動きについては、アウディは、2025年に内燃エンジンを搭載した最後の新型車の生産を行なうそう。26年以降は、アウディブランドとして発表される新型車はすべてピュアEVになる計画だ。33年までには、中国を除いてエンジンの生産を終了するというのも、かなり大胆だが、脱炭素化に向けた計画として評価する向きは多いんじゃないだろうか。
問い合わせ先
- TEXT :
- 小川フミオ ライフスタイルジャーナリスト