【SDGsの現在地】“地方創生”と“建築”から考える、サステナブルな暮らし
生活の拠点を海辺の街に移したり、大学で建築を学んだり…。そのライフスタイルにも注目が集まる、知花くららさん。そんな知花さんが今、関心を寄せている「地方創生」と「建築」から“SDGsの現在地”を考察。専門家との対談や解説を交えて、知っておくべきトピックスやアクションを掘り下げます。
今、知花くららさんが目を向けるふたつのキーワードを軸に読み解きます
小さな幸せを感じながら家族が心地よく暮らせる。そんな海辺の暮らしが気に入っています——知花くららさん
昨年、次女を出産するタイミングで東京から2時間ほどの海辺の街へ移住した知花さん。
「私も夫も、もともと海が好きで、海辺での子育てもいいね、なんてしょっちゅう話していたんです。そんな折にいろいろなご縁が重なり、その流れでの自然な決断でした」
海辺の空は、さえぎるものがなく、広々としています。
「沖縄出身とはいえ、都会での生活が長かったので、海が側にある幸せを忘れかけていて…(笑)。毎日空の色も波の様子も違うし、山の見え方も、潮の香りも変わる。そんな日々の小さな変化に癒やされています。2歳の長女も海が好きみたいで、浜辺で石ころを拾ったりと楽しそう」
おおらかな場所だからこその、子育てへのメリットもあるのだとか。
「海辺の一軒家なので、子供たちが騒いでもそれほど神経質にならなくていい。都内で暮らしていたときと比べたら、子供を怒る回数も減って、間違いなく私と夫のストレス軽減になっていると思います(笑)」
そんな知花さんは、建築を学ぶため2019年に京都芸術大学建築科に入学し、最短の2年で卒業。入学時は第一子を妊娠中、卒業制作時は第二子を妊娠中でした!
「長女出産後は朝4時に授乳してそのままレポートを書いたり、次女を妊娠中はつわりと闘いながら卒業制作に取り組んだり…。課題をやっていて気がついたら朝、なんてことも多々。記憶が曖昧なくらい大変でしたが(笑)、夫をはじめ周りのサポートのおかげで、なんとか卒業することができました。でも、好きなことを学ぶのはやっぱり楽しくて、40代へのいい投資になったと思います」
そもそも、建築を本格的に学ぼうと決意したきっかけはなんだったのでしょうか?
「世界中の建築に触れる機会が多く、もともと興味があったのですが、それに加え、祖父から受け継いだ沖縄の小さな島にある家を、土地の魅力を生かしながら人が集うような場所にしたくて。きちんと建築を学び、自分の手で納得のいくかたちでつくり上げたいと思ったんです」
国連WFPの活動で訪れた、発展途上国の民家も印象的だったそう。
「民家ってその土地の文化や習慣がぎゅっと凝縮されていて、建築物としてもすごくおもしろい。祖父の家も、沖縄らしさを色濃く感じられる場所にできたらいいなと考えています」
くららさんが長年携わってきた国連WFPは、昨年ノーベル平和賞に選定されました。
「ここ数年、SDGsの活動が盛り上がってきてうれしい限り! 自分たちの軸となる仕事と、SDGsのアクションを相互作用で回していけたら、無理せず継続していけるのかなと思います。いつか、こういった活動や目標が不要な世界になるように、自分ができることを、地道に続けていきたいです」
知花さんの最近の暮らしぶりをご紹介!
建築の勉強をする際の、自宅の学習スペース。長女を左手で抱き、右手で図面を描くこともあったとか。
家の前は海、という最高の環境!「目の前が開けているってこんなに気持ちがいいんだ、と実感しました」
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- EDIT&WRITING :
- 今村紗代子、池永裕子