時代を超えて示唆に富むセレブリティたちのスナップ。その確かな審美眼とスタイルを通して、価値あるものの選び方、使い方を探ると同時に、本誌アーカイブのなかからこれからも使い続けたい「愛用品」を見つけました。

今回は数ある名品の中でも「愛用品」として愛されるアイテムの秘密に迫ります。

また、エターナルな「愛用品」として、「ドルチェ&ガッバーナ」のドレス、「パテック フィリップ」の腕時計、「ディオール」の『バー』ジャケット、「シャネル」のチェーンバッグ、「ルイ・ヴィトン」のボストンバッグ『スピーディ』を本誌アーカイブから取り上げます。

揺るぎない、エターナルな「愛用品」

創刊時から続く「名品」企画で、幾度となく繰り返し紹介するアイテムがあります。今見ても素敵で、今日も明日も身につけたい永久欠番的なもの。読者のなかには「すべて長年愛用しているわ」という方もいるはずです。

では、数ある名品のなかで「愛用品」と呼べるものは何が違うのでしょうか。その手掛かりがこの2枚のセレブの写真に隠されています。

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「似合わないものは着ないこと」そんなシンプルな信条を貫いたオードリー・ヘプバーンは『スピーディ25』の愛用者。華奢な体型に合う横幅25cmの小ぶりなサイズをオーダーしたエピソードが。(C)Getty Images

1966年の秋、オードリー・ヘプバーンがスイスの自宅に帰る際、ロンドンのヒースロー空港で撮られた有名な写真。手には愛用していたルイ・ヴィトンの『スピーディ25』。

どんなに素敵でも、自分に似合わないものは選ばす、服も靴もフィット感を大切にした彼女が、170㎝の長身にもかかわらず、華奢な体に合わせてひと回り小さなサイズをリクエストしたバッグでした。

本当に必要なものだけを大切に愛用していく。そのこだわりが伝説的なスタイルを生むのです。

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トップモデルのドウツェン・クロースは少しスリムなディオールの『バー』ジャケットに、ふんわりしたミニスカートとゴツめのブーツを合わせて、最旬のバランスを。(C)Getty Images

もうひとり。健康的で抜群のプロポーションを誇るモデル、ドウツェン・クロース。ディオール創立時からの象徴でもある『バー』ジャケットを、ミニスカートとワークブーツで颯爽と“今どき”の着こなしに。

半世紀を超えて時代に寄り添うものはデビュー時にセンセーションを巻き起こし、その後も緻密に計算され、ときに革新的な復活を遂げながら、進化を続ける余力さえあるのです。

■1:ドルチェ&ガッバーナのレースのドレス

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2015年9月号掲載 撮影/戸田嘉昭(パイルドライバー)

誰もが女性に生まれた喜びに包まれる、繊細で官能的なフルレース

素肌に美しい陰影を映し出す上質なフルレース。シチリアで母から娘へと代々受け継がれてきた手編みレース刺繍を、卓越した職人の手で芸術的な美しさにまで高めたもの。

ソフィア・ローレンやモニカ・ベルッチのような官能的なイタリア女優を思わせるボディコンシャスなシルエットに仕上げられ、流行を超えて大切な日を彩る一着に。

■2:パテック フィリップの『カラトラバ』

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2011年7月号掲載 撮影/唐澤光也(RED POINT)

知性と品格でつけこなす、シンプルラグジュアリーの指標

子供に時計の絵を描かせたら『カラトラバ』になる! そんな例えがあるほどシンプルさを極めたラグジュアリーウォッチ。いっさいの妥協なく、上質なディテールを積み重ねたシンプルな時計は、つける人にもそれなりの知性と品格が求められる。

購入すると「パテック・オーナー」としてスイス本社の顧客名簿に名が刻まれるのも誇らしく、長く愛さずにはいられない。

■3:ディオールの『バー』ジャケット

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2019年5月号掲載 撮影/戸田嘉昭(パイルドライバー)

女らしいくびれをモダンに表現できる、クチュール仕様の名品ジャケット

ウエストを絞り、腰周りをふっくらと包む見事なカッティングのテーラードジャケットは「ニュールック」と呼ばれた1947年のムッシュ・ディオールのデビューコレクションの代表作。現在まで時代と共に変遷を遂げながら、クチュール仕様の端正なつくりと本質的な女らしさで愛され続ける。

現在は比較的シャープなシルエットながら、ひと目でそれとわかるのが、ほかにはない名品の実力の証。

■4:シャネルのチェーンバッグ

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2021年6月号掲載 撮影/唐澤光也(RED POINT)

ストーリーに彩られたバッグは、永遠に女心ときめく愛用品

1929年にガブリエル・シャネルが考案したショルダーバッグの登場以来、ハンドバッグを手に持つ煩わしさから解放されたことなど当たり前のように、自由と洗練とときめきを手にしている私たち。

豊かなキルティング、レザーを編み込んだ煌めくチェーン、端正なダブルフラップ、口紅を入れるためのポケット…と、どのディテールにも機能美と物語が溢れて、使うたびに最高の気分にしてくれる。

■5:ルイ・ヴィトンの『スピーディ』

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2018年4月号掲載 撮影/唐澤光也(RED POINT)

旅行バッグにハンドバッグの優雅さを取り入れた洗練ボストン

ヌメ革のハンドルが飴色に変わる頃、モノグラムキャンバスも深い艶を得て、『スピーディ』はエターナルな愛用品としての真価を発揮する。旅行ボストン『キーポル』の流れを汲むシティバッグとして1930年に誕生。ボストンバッグの堅牢なイメージを覆し、カジュアルなハンドバッグとして人気に。

丈夫で服の色やスタイルを選ばないのも長く愛される理由のひとつ。

※掲載した商品は、過去の『Precious』で掲載した記事からの転載のため、現在はご購入できないものも含まれています。ブランドへのお問い合わせはご遠慮ください。

PHOTO :
Getty Images、戸田嘉昭(パイルドライバー)、唐澤光也(RED POINT)
EDIT&WRITING :
藤田由美、兼信実加子、喜多容子(Precious)