1938年創業の「ポール・スチュアート」は、ラルフ・オストロフがニューヨークのマンハッタンにオープンした紳士服店がその始まり。自身の子供のの名前を冠したこのお店は、当初アイビーリーガー向けの品揃えだった。だが、1960年代初頭に英国サヴィル・ロウにルーツを持つメンズウエアにアメリカ流の解釈を加えた独自のスタイルをポール・スチュアート・オストロフが確立すると、知名度も飛躍的に向上。そのあとは、マイルス・デイヴィス、アート・ブレーキーといったジャズマンを始め、ウェルドレッサーとして知られるフランク・シナトラが贔屓にするなど、音楽、ハリウッド、政界、財界と華やかな世界に生きる洒落者たちに愛されるなど、その人気は不動のものとなる。現在では、アメリカに複数の店舗を構え、日本国内においてはメンズ単体でも約50店舗の売り場を展開するなど、アメリカを代表するブランドとして知られている。

オリジナリティ溢れる柄行きが新鮮な印象に

タイ各¥16,500(ポール・スチュアート 青山本店)
タイ各¥16,500(ポール・スチュアート 青山本店)

写真のネクタイは、セミボトルシェイプと呼ばれる大剣に向かってワインボトルのように柔らかくカーブを描く形状が特徴。立体的なノットとくっきりとしたディンプルを創出し、胸元に優雅なエッセンスを添える。写真左から、ウェーブストライプ、オーバル、ドット、ペイズリー柄を配したもので、すべて鴨志田康人氏がアーカイブパターンをモダンに解釈したもの。

確かに、柄使いこそ大胆だが、どこか品のあるモダニティを感じさせてくれるものばかり。ピンクのウェーブストライプを例にとれば、どこかヴェルナー・パントンを想起させるようなアーティな柄行きで、締めるだけで気分を高揚させてくれる。

その他の柄も個性的で、ジャケットとシャツは抑制を効かせてネクタイを立たせるか、はたまた大胆なパターン・オン・パターンでスタイリッシュに仕上げるか、あれこれ思案を巡らすだけでも何だか楽しくなってくる。

※掲載商品の価格は、すべて税込みです。

問い合わせ先

ポール・スチュアート 青山本店

TEL:03-6384-5763

この記事の執筆者
名品の魅力を伝える「モノ語りマガジン」を手がける編集者集団です。メンズ・ラグジュアリーのモノ・コト・知識情報、服装のHow toや選ぶべきクルマ、味わうべき美食などの情報を提供します。
Faceboook へのリンク
Twitter へのリンク
PHOTO :
島本一男(BAARL)
STYLIST :
河又雅俊
WRITING :
佐藤哲也