「ジェイエムウエストン」は、1891年フランス・リモージュ地方にエドゥアール・ブランシャールによって設立された靴工場がそのルーツ。その後、アメリカでグッドイヤーウェルト製法を学んだ息子、ユージェーヌによってブランドの礎を築くと、1922年に「ジェイエムウエストン」の名前を商標登録し、パリのクルセル通りに1号店をオープン。とくに1946年に誕生した名作『シグニチャーローファー #180』は、フレンチエレガンスを象徴する1足でありながら、シャンゼリゼ大通りにたむろするユース世代のマストアイテムになるなど、一世を風靡する。また、稀代のウェルドレッサーとして知られるアーティストのジャン・コクトーを始め、数多のスタイルアイコンの足元を飾るなど、フレンチブランドらしいエスプリを添えたエレガントなシューズは、創業から130余年を過ぎてもエバーグリーンな輝きを放ち続けているのだ。
甲部分を立ち昇る美しいクリースラインに宿る「ジェイエムウエストン」のエレガンス

「ジェイエムウエストン」には、前述の『シグニチャーローファー #180』や“ジャーナリストシューズ”と称される『ゴルフ #641』など、シーズン毎のコレクションアイテムとは別にメゾンを代表するコレクション『アイコン』シリーズが存在する。今回紹介する『サイドゴアブーツ #705』もそのひとつ。素材には上質なボックスカーフを使い、緻密に計算されたパターンでカッティングした一枚革で仕立てたもの。トウの途中から自然に立ち昇るセンターのクリースラインは職人の手仕事の証であり、程よい高さのヒールと合わせて最上のエレガンスを付与する。底付けは堅牢なグッドイヤーウェルトで、グリップ力に優れたモノグラムラバーソールと相まって快適な足取りを約束する。静謐なブラックカラーと360度どこから眺めても無駄のないプロポーションは、まさに洗練の極み。きれい目のスラックスはもちろん、ミリタリーライクなトラウザーやブラックやホワイトデニム、ボトムスに何を合わせても装いを一段も二段も格上げしてくれる。オーセンティックでありながら、トレンドに寄り添うような時代性も帯びており、まさしくタイムレスな傑作であることは間違いない。
※掲載商品の価格は、税込みです。
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- MEN'S Precious編集部
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- 島本一男(BAARL)
- STYLIST :
- 河又雅俊
- WRITING :
- 佐藤哲也