昨年末、63年ぶりに誕生石が改訂されたニュースが全国宝石卸商協同組合から届きました。新たに10種類のストーンが加わり、全29種類へ。それぞれが美しい輝きを携えた貴石ばかりです。
そもそも貴石は自然が生み出した神秘の存在。かつてのヨーロッパの王侯貴族たちは、そのパワーにあやかろうとさまざまな宝飾品に取り入れていました。そんな誕生石にスポットを当て、おすすめのジュエリーをお届けします。
1回目となる本記事では、6月の誕生石パール、ムーンストーンに、新たに加わったアレキサンドライトを用いたジュエリーをピックアップ。パールは「ミキモト」「TASAKI(タサキ)」。ムーンストーンは「ポメラート」「マリーエレーヌ ドゥ タイヤック」「マリハ」。アレキサンドライトは「BIZOUX(ビズー)」からセレクトしました。
上品な煌めきで不動の人気を誇る「パール」
6月の誕生石として最もメジャーな真珠は、生物から生み出される宝石ならではの神秘性と清楚な佇まいが愛され続けています。そんな真珠ならではの “テリ”と呼ばれるまろやかな光沢は、光の干渉作用によるものです。その昔、真珠は天然ものしかなく驚くほど高価でした。しかし、近代において御木本幸吉が真円真珠の養殖に世界で初めて成功し、一般的に身につけられるジュエリーとなりました。
ここぞ!というときばかりではなく、軽やかにパールを取り入れ、デイリーの装いをクラスアップしませんか。
■1:ミキモト|パールとゴールドがリズミカルに配された「M コード」
世界中から真珠王とも呼ばれた御木本幸吉を創業者にもつ「ミキモト」からセレクトしたのは、長さの異なるコマを連ねたチェーンが、長短のリズムを刻むモールス信号を思わせる「M コード」コレクション。ハイクオリティのアコヤ真珠の気品と、コンテンポラリーなデザインとのコントラストが新鮮です。
異なるカラーのゴールドをミックスマッチするコーディネートにもおすすめ。高貴なパールの輝きをキーに、ピアスとブレスレットをそれぞれ違ったゴールドで取り入れてみてはいかがでしょう。モード感が満ちるコレクションだからこそ叶う、ラグジュアリーな表情が楽しめます。
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■2:TASAKI|3色の真珠使いがモダンな趣!「トリプルパール」
真珠の新たな表情や表現、デザイン性を提案し続ける「TASAKI」からは「トリプルパール」のジェリーをピックアップ。ネーミング通り、ホワイト・ピンク・ラベンダーという3つの色合いのパールを1つに組み合わせた構築的なフォルムが特徴です。
とりわけ旬アイテムのイヤーカフは、ドレッシーでゴージャスな表情が見逃せないデザイン。ラフになり過ぎず、それでいて遊び心も考慮され、スタイリッシュに耳元を飾ります。
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実は多彩な色合いが存在する「ムーンストーン」
聖職者の石、旅の安全を守る石として、古くより重用されてきた聖なる貴石、ムーンストーン。名前が示すように、月のパワーを秘めているともいわれ、近年は女性から圧倒的な支持を得ています。
和名は月長石(げっちょうせき)。無色透明から乳白色の地に美しい白色や青色閃光が見られ、地色がオレンジ色のものも。中にはキャッツ・アイ効果を示すこともあるとのこと。どこか優しい表情を宿すミルキーな色のバリエーションは、目にするたびに心を穏やかに整えてくれそうです。
■3;ポメラート|ニュアンスカラーとファセットを楽しむ「ヌード チョコレート」
1967年にミラノで創業して以来、「女性自らが自身で選び身につける」をコンセプトに大粒のストーンをふんだんに使う「ポメラート」。コレクションの誕生から20周年を記念して登場した「ヌード チョコレート」は、「ムーンストーンはカボションカット」という概念を覆し、ランダムに、アシメントリーなファセットが施されています。
リングは3つのサイズに合わせ、ダーク、ミルク、ホワイトのチョコレートを思わせるカラーのムーンストーンを使い分け。食べてしまいたくなるような、愛らしい発色が魅力です。
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■4:マリーエレーヌ ドゥ タイヤック|神秘的に輝くレインボームーンストーン
カラーストーンを手掛けさせたら右に出るものがいないと囁かれるフランス人ジュエリーデザイナー、マリーエレーヌ。彼女の名を冠するブランドだけに、こだわりもひとしお。自らチョイスしたムーンストーンのジュエリーは、石の個性を最大限に生かした魅惑的な仕上がりです。
ブランドを象徴する「プリンセス」リングは、ベゼルセッティングで美しい輝きを引き立てるデザイン。手編みのゴールドチェーンにムーンストーンをあしらったブレスレット「ビンディ」は、重ねづけにもぴったり。「レディ・ライク」のピアスは、レインボームーンストーンらしい透け感をベゼルセッティングで引き立てています。
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■5:マリハ|タイムレスなデザインと天然石が融合した「アースドロップス」
パリを拠点に活躍するデザイナー、マリエ・ウエストンのブランド「マリハ」。彼女が世界中を旅しながら選び抜いたカラーストーンはピュアなインパクトが魅力です。そのため、「アースドロップス」コレクションのすべてが1点ものです。
大粒のオレンジムーンストーンを用いたリングは、温かみのあるミルキーな色合いがマットゴールドの質感とマッチ。大人スイートな印象を醸し出します。
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ニューフェイスの誕生石、「アレキサンドライト」
6月の誕生石に新たに加わったアレキサンドライト。名前の由来は、この石が最初にロシアで見つかった日が、当時のロシア皇太子アレキサンドル2世の誕生日だったことから。そのため、高貴や栄光、誕生など、未来に向けたメッセージを持った貴石に。
また、色変わりをする変種であることも大きな特徴。太陽光下では真緑色、人工照明(白熱灯)下では赤紫色になります。変色効果に加えて、キャッツ・アイ効果を示すものもあるそう。
ドラマチックな煌めきの希少な貴石なだけに、ジュエリーとしてもレアアイテム。この石に心惹かれた方は、即!入手に走るのがおすすめです。
■6:BIZOUX|希少なブラジル産アレキサンドライトの魅力に心酔!
1830年代に発見され、現在はインド、東アフリカ、ブラジルが主原産のアレキサンドライト。広い大地を有する国であっても、ジュエリーに使用する上質なアレキサンドライトはなかなか見つからないそう。カラーストーンを豊富に取り扱う「BIZOUX(ビズー)」は、自社のアンテナを駆使してブラジル産を入手。キュートなジュエリーへと変身させました。
フラワーモチーフにアレンジした「アナイス」のリングは、愛らしくも幻想的な印象。幸運を呼び込むと言われる八角形にデザインされた「アン」のネックレスは、小粒ながら胸元で存在感を放ちます。
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以上、6月の誕生石ジュエリーをご紹介しました。
日本で長きにわたり愛され、育まれてきた真珠、月のパワーをバックグラウンドに携えたムーンストーン、そして新顔として参画したアレキサンドライト。それぞれの魅力を携えたジュエリーを、次の誕生日を機にパートナーとして迎えてはいかがでしょうか?
※文中の表記はYG=イエローゴールド、WG=ホワイトゴールド、RG-ローズゴールド、DIA=ダイヤモンドを表しています。
※掲載商品の価格は、すべて税込みです。
- WRITING :
- 菅野悦子
- EDIT :
- 谷 花生