ポロ競技はファッションにも多くの影響を与えた。襟が裏返らぬように工夫されたボタンダウンシャツ然り、ケースを反転させることで、激しいプレイの衝撃からガラス風防を守った『レベルソ』もそうだ。だがひっくり返してしまえば時間も確認できず、そもそも競技中につける必要はなかったのではないか?
ジャガー・ルクルトの『レベルソ クラシック』
アールデコの美意識がスーツのそで口を格上げする
レベルソはダンディズムが生んだ時計ということだ。ケースの上下に配したストライプにしても、アールデコの意匠という美観だけでなく、反転機構由来の無粋なつなぎ目を目立たなくするためだったのだから。
誕生から85年以上が経ち、ポロウエアからスーツにコーディネートは変わってもスタイルは不変だ。しかし機能はより洗練を増した。自動巻き式を加え、定期的にゼンマイを巻く手間をなくした。
ダンディズムとはやせ我慢という。だが実用性に磨きをかけてこそ、時の風雪に耐え、さらに愛着を増す。そこに相手を慮り、文字盤を隠して時刻を意識させない、ダンディズムもより際立つのである。
※価格は税抜です。※2017年春号掲載時の情報です。
- TEXT :
- MEN'S Precious編集部
- BY :
- MEN'S Precious2017年春号「ベーシック名品」の静かな迫力に刮目せよ!
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- クレジット :
- 撮影/戸田嘉昭・唐澤光也(パイルドライバー) スタイリスト/大西陽一(RESPECT)文/柴田 充 構成・文/鷲尾顕司