『Precious』11月号に女優・宮沢りえさんが登場!女優、妻、そして母として―前向きなエネルギーで充実の人生を歩む、今の心境を伺いました
雑誌『Precious』11月号に、女優・宮沢りえさんが登場! 愛くるしい10代の頃から、多彩な仕事に挑戦し、キャリアを着実に築いてきた宮沢さん。今年のNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』でも重要な役どころを演じ、好評を博しています。そのエネルギーの源には、真摯なチャレンジ精神と穏やかな家族との日常があるようです。
「女優の仕事を始める前は、スーパーモデルにとても憧れていたから、ファッション撮影は大好き」と語る。今回の撮影も、周囲からのオーダーを待つことなく、自在にポーズを決めていった。ピンストライプがプリントされたラムレザーのボーイフレンドシャツを、堂々と着こなして。
“自分がいちばん辛口の観客。演じながら心の中でダメ出ししています”
取材の日は、『鎌倉殿の13人』で宮沢さんにとって最後のクライマックスシーンになる撮影を、2日後に控えているタイミングだった。間違いなく、ドラマ全体においても、ひとつの山場といえそうな重要な場面だ。
「緊張?しません。緊張はむしろ興奮だと自分に暗示をかけています。舞台の初日などでも、緊張しているとうまく自分を表現できないので、『これは大事な場面を迎える喜びや興奮だ』と考え、楽しめるようにしています」
華やかな佇まいから、感性を優先させる人のようなイメージを抱いていたこちらの思い込みをくつがえすかのように、客観的に論理的に自身を語る。
「一時期流行した『誕生日事典』という占いの本で、私は『実験する人』だったんです。まさにそのとおりで、いろいろなことを実験的にやりながら自分を冷静に見ているんだと思います。作品も、自分が演じたものを客観的に観る機会があるので、いちばん辛口な観客だと思います。芝居で泣くシーンのときに、うっかり演技に酔ってしまっていると、もうひとりの自分が『泣きすぎじゃない?』とダメ出ししています」
“自分の人生に合った、いい作品に巡り合えている。「出合いの運」は強いと思う”
仕事への意識の高さは有名だ。急病で突然、舞台を降板せざるをえなくなった、ある女優に代わり、膨大な台詞をわずか2日間で覚えて、見事に代役を務めた“伝説”がある。並々ならぬ、気力はいったいどこから?
「自分が舞台や映画館に行ったら、こういうものが観たい、というのがいちばんの原動力。また、仕事は常に目の前の作品が次の仕事へのオーディションだと思い、挑んでいます。この作品がうまくいかなかったら次はない。ずーっとオーディションだと考えています」
その積み重ねから、日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を3回受賞するなど、キャリアは確固たるものに。
「ありがたいことに、年齢に合った作品に出合う運が強いのだと思います。ただ、キャリアを積んだぶん、悩みも。若いときは、私が言うことを周りの大人が大きく受け止めていろいろな意見を返してくれましたが、今はちょっとしたことも重く受け止められてしまって…。そうならないように、関係をフラットにしてから場に臨むなど、工夫も必要になっていますね」と、プレシャス世代も思い当たるような感慨をもらす。
多忙ななか、母として子育てもしてきて、お嬢さんは今、中学生に。
「娘が自分でやれることもずいぶん増えたので、とても楽になりました」。
ふだんから家族の食事づくりは宮沢さんが担当する。体にいいものを食べて健康でいてほしいから、と夫や子供への優しい思いをにじませる
「最近、時間をみつけては、以前好きだった絵を描くことを再開しました。いつかどこかで個展もしてみたいです。ぜひ、『Precious』をご覧になっている方でステキなギャラリーをおもちの方はお知らせください(笑)」と茶目っ気もたっぷりに、充実するプライベートを語ってくれた。
公私ともに「実験」に次々と挑んでゆく宮沢さん。だから私たちは、常に彼女から目が離せないのだろう。
※掲載した商品の価格は、すべて税込みです。
問い合わせ先
- PHOTO :
- 伊藤彰紀(aosora)
- STYLIST :
- 長澤実香
- HAIR MAKE :
- hanjee(SIGNO/ヘア)、佐々木貞江(メイク)
- MODEL :
- 宮沢りえ
- EDIT&WRITING :
- 長瀬裕起子、遠藤智子(Precious)