お米ってこんなに美味しかったっけ…? ほかほかで艶やか、噛み締めればじんわり甘い。プロの料理人の手による「ごはん」は、今や、食通がそれ目当てで通うほど、メインともいうべきひと品。

炊き立て土鍋ごはんから、薪焼きごはん、リゾット、お弁当まで、お米の可能性は進化中です。

そこで『Precious』11月号では、特集「本当に美味しい『ごはん』が食べたい!」を展開。ジャンルを超えた「ごはん」の名店のこだわりを、ほかほかのビジュアルと共にご案内します。

今回は、そのなかから「新ばし 笹田」のシメごはんをご紹介します。

【「新ばし 笹田」のシメのごはん】奇をてらわない、正統派。しみじみ美味しい炊き立ての土鍋ごはん

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糠漬けは、なす、きゅうり、かぶが基本。「独立時から同じ糠床で、もはや子供のような存在(笑)。ごはんはもちろん、糠漬けを褒められるとうれしい」と店主。上品な味にファンも多く、おかわりも可能。

スペシャリテは、ごはん。そう言いきってしまっていいほど「コースの最後にあのごはんが待っていると思うとワクワクする」と舌の肥えた食通たちも虜にする、こちらのごはん。

新橋の日本料理の名店で9年研鑽を積み、独立して17年。旬の食材を使った丁寧で品のある料理に定評があり、ミシュランの星を獲得しているのも納得です。

とりわけ、お客様ごとにタイミングを見計らって炊き上げるシメのごはんは「最後が美味しくなかったらすべてがダメになる」と店主が言うとおり、米と水との相性に徹底的にこだわった正統派。

糠漬け、ちりめん山椒、牛のしぐれ煮はいずれも自家製で、ごはんがすすむ優しい味。客のほとんどが3杯おかわりするのもうなずけます。

しかも、1杯目は炊き立ての甘くて瑞々しい味、それを食べている間にとろ火でカリッと仕上げたおこげを2杯目にと、同じごはんでも味わいの違いを楽しめるのも笹田流。ごはんの余韻に浸りつつ、胃も心も優しく満たされて帰路に着く、名店です。

〈ごはんDATA〉

【米】
新潟県南魚沼産コシヒカリを使用。水は岐阜県奥長良川名水「高賀の森水」。

【炊き方】
軽く洗ってザルにあげ30分以上おく。萬古焼の土鍋を使い、空気穴以外から湯気が漏れないよう蓋の周りを布巾でふさぎ、2合炊きなら中火の弱火で17分、蒸らしは5分ほど。10分前後で出てくる湯気の香りを確認し、やや香ばしい香りがしたら火を止める。ポイントは火力を途中で変えないこと。

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内観

※外出時には新型コロナウイルスの感染対策を十分に講じ、最新情報は公式HPなどでご確認ください。また、料理は季節によって変わる場合があります。
※掲載の価格は、すべて税込みです。(サービス料は別)

問い合わせ先

  • 「新ばし 笹田」
  • 営業時間/18:00~23:00(L.O.20:30)※要予約
  • 定休日/日曜・祝日休
  • メニュー/おまかせコース¥19,800~
  • TEL:03-3507-5501
  • 住所/東京都港区西新橋1-23-7 プレシャスコート虎の門1F

PHOTO :
篠原宏明、ハリー中西
EDIT :
田中美保、安村 徹(Precious)
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