2022年4月20日に訪日し、21日には官邸で岸田文雄首相と対ロシアなどについて会談。9月21日にも第77回国連総会にて岸田首相と短時間の懇談を行い、来年ニュージーランドが議長国を務める、環太平洋パートナーシップに関する協定についての連携を確認したジャシンダ・アーダーン、ニュージーランド首相。今年に入り日本のニュースにもたびたび登場し、その評伝の翻訳本も出版され、ますます注目している人も多いかもしれません。

2017年、ニュージーランド史上最年少の37歳で、3人目の女性首相に。翌年6月に当時は事実婚で出産し、世界で初めて在任中に産休をとったことでも話題になりました。訪日の際には「女性に活躍の機会を」とメディアを通じて呼びかけるなど、世界の男女格差是正にも尽力する42歳の、多様性に寄り添うスタイルを紐解いていきましょう。

■1:ニュージーランドらしい品を羽織り、エリザベス女王国葬へ

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婚約者はラジオDJでテレビ司会者のクラーク・ゲイフォード。

2022年9月19日、英国・ロンドンでウェストミンスター寺院で営まれたエリザベス女王の国葬に到着した際の一枚です。詰まった襟元とミディ丈が控えめな印象のブラックワンピースに、伝統的なマオリのマントを肩にかけたコーディネート。マントはマオリのデザイナーが製作し、羽毛で出来ているのだとか。また、帽子も地元のデザイナー、モニカ・ノイハウザーによるものを着用し、型にはまらないブラックスタイルを披露しました。

■2:地元出身デザイナーを選んでスマートにファッション外交

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スッキリまとめたヘアにドロップタイプのイヤリングがモダンに映えて。

2022年7月6日、オーストラリア・シドニーにあるデイビッド・ジョーンズのシドニーの旗艦店での「NZ デザイン・エディット」の立ち上げに出席した際は、鮮やかなピンクのブラウスとブラックのパンツで。こういったイベントだけでなく外交のシーンでも、従来の「政治家らしい」地味めなスーツに収まることなく、地元にゆかりのあるデザイナーを選び、カジュアルに、そしてスマートにニュージーランドのユニークで新鮮なファッションをアピールしています。

■3:フォーマルかつエスニックなケープをまとって首脳会談へ

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サイドパートにしたヘアに大胆なサイズのイヤリングがスタイリッシュ

2022年4月21日、東京の首相官邸での首脳会談の前に、自衛隊の儀仗(ぎじょう)兵らが整列する前を歩く様子を撮影した1枚です。ダークトーンのタイトスカートにケープを羽織ったコーディネートが、インのプリントブラウスの格子模様を印象的に浮き立たせています。今シーズンのトレンドでもあるケープですが、どこなくマオリのマントを彷彿とさせるシルエットで、シックさと民族的なテイストがミックスされた独特のスタイルに仕上げていました。


ニュージーランド首相「ジャシンダ・アーダーン」の愛国心宿る装いをお届けしました。肩肘張らず自然体に、スマートカジュアル、レトロ、ボヘミアンといった幅広いテイストを取り入れる様子は、マオリをはじめ様々なルーツをもつニュージーランドの国民性を表現しているかのよう。柔軟なセンスにあらゆる人に寄り添う高い共感力を感じるスタイル、とくに多くの人を率いるリーダー的な立場の人はぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。

この記事の執筆者
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PHOTO :
Getty Images
WRITING :
神田朝子