大人の女性の感性を刺激するグレー色の服は、色と素材を繊細に重ねることで、その着こなしの魅力を最大限に高められるカラー。具体的に、どの色と組み合わせるのがいいのか? グレージュ(グレージュ=グレーとベージュの中間カラー)の配色アプローチは、2パターンの正解があります。

ひとつは、上品さが際立つ“なじませ配色”。もうひとつは快活に映える“コントラスト配色”。今回は、この2配色の今すぐ実践できるワザや、小物使いの成功テクニックをご紹介します。

■「なじませ配色」とは、色の調和で奥行きを演出できる組み合わせのこと

まず、なじませ配色とは何か? 水彩画のようなイメージで繊細に色を溶け込ませるような組み合わせを指します。みずみずしい大人の存在感が際立つ配色テクニックです。これにより、グレーが醸し出す上品さそのものをまとう、女性らしいデリケートな着映えに。洗練を極めるワントーンを基本に、ピンクやイエローのくすみニュアンスを含んだ、ペールトーンを重ねる進化した色合わせもあるので、ぜひ取り入れてみてください。

■「コントラスト配色」とは、大胆な色使いがキレ味のいい組み合わせのこと

もうひとつの、コントラスト配色とは何か? グレーやグレージュと合わせの色の差をはっきりと分けることで、互いの魅力が高まり合うような組み合わせのことを指します。定番のシックカラーから、冬の街並みに映える旬のきれい色まで網羅したこの配色テクニックを取り入れると、リッチでいきいきとしたカジュアルスタイルが実現可能に。グレー系配色の着こなしを今どきに更新する、錆びないセンスを手に入れましょう!

それでは以下から、「なじませ配色」と「コントラスト配色」を用いた、細部の着こなしテクニックを見ていきます。なじませ配色は1〜3、コントラスト配色は4〜6です。

■1:デニムのライトブルーとグレーを組み合わせて鮮度を高める

ニット¥44,000(yoshie inaba)、コート¥86,000(wb)、デニム¥19,800(showroom SESSION〈サージ〉)、ストール¥27,500(サーキュレーション〈ミーアンドカシミヤ〉)、ピアス¥16,000・ネックレス¥90,000(チェルキ〈ミッレ〉)、バッグ¥132,000(J&M デヴィッドソン 青山店)
ニット¥44,000(yoshie inaba)、コート¥86,000(wb)、デニム¥19,800(showroom SESSION〈サージ〉)、ストール¥27,500(サーキュレーション〈ミーアンドカシミヤ〉)、ピアス¥16,000・ネックレス¥90,000(チェルキ〈ミッレ〉)、バッグ¥132,000(J&M デヴィッドソン 青山店)

ひとつめは、なじませ配色のテクニックから。涼やかな色味の印象から、真冬は敬遠されがちなライトブルーデニムですが、実はグレー系トップスやアウターとの相性は抜群! 温かな質感を重ねた奥行きのあるなじませ配色で着こなすと、見慣れたはずのデニムもリッチに見違えます。グレーの華やかなオーラが可能にする、鮮度の高いカジュアルな着こなしにぜひ挑戦してみてください。

■2:シックな黒蝶貝ジュエリーと競演させて艶アップ

ニット¥65,000(VINCE 表参道店)、ジレ¥190,000(ADORE)、パンツ¥33,000(デザインワークス コンセプトストア青山店〈デザインワークス〉)、ピアス¥410,000・リング¥390,000(マルコ・ビチェゴジャパン)、バッグ¥236,000(ロジェ・ヴィヴィエ・ジャパン)、靴¥20,000(ハイブリッジ ショーケース 六本木店〈Amb〉)
ニット¥65,000(VINCE 表参道店)、ジレ¥190,000(ADORE)、パンツ¥33,000(デザインワークス コンセプトストア青山店〈デザインワークス〉)、ピアス¥410,000・リング¥390,000(マルコ・ビチェゴジャパン)、バッグ¥236,000(ロジェ・ヴィヴィエ・ジャパン)、靴¥20,000(ハイブリッジ ショーケース 六本木店〈Amb〉)

華やかなリズムを生む特効薬としてジュエリーは欠かせませんが、グレーのなじませ配色の着こなしには、繊細なニュアンスに寄り添う、優しげなジュエリーがぴったり。今の気分にマッチするいち推しは、偏光する柔和な艶めきが特徴のマザー・オブ・パールを使ったジュエリー。黒ならなじみがよく、シックな表情で魅了します。

■3:マットゴールドのバッグを取り入れて立体感を出す

コート¥600,000・ニット¥313,000・手袋¥81,000(キートン)、パンツ¥33,000(ストラスブルゴ〈アリクアム〉)、バッグ¥168,000(マルベリージャパン)、靴¥161,000[オーダー価格](J.M. WESTON 青山店)、リング¥195,000/参考価格(TASAKI)
コート¥600,000・ニット¥313,000・手袋¥81,000(キートン)、パンツ¥33,000(ストラスブルゴ〈アリクアム〉)、バッグ¥168,000(マルベリージャパン)、靴¥161,000[オーダー価格](J.M. WESTON 青山店)、リング¥195,000/参考価格(TASAKI)

グレーはその曖昧さが魅力な一方、ときにぼんやりと見えるマイナス面が目立ってしまうことも……。だからこそ、なじませ配色の着こなしでは、華やかな質感をどう盛るか?が課題に。マットゴールドのバッグなら、グレージュにつなげやすい抑えた光沢感が鮮度アップに貢献します。


■4:つなぎのサポートカラーを配して抜け感を出す

ニット¥16,000(ウィム ガゼット 青山店〈アルダニー〉)、ストール¥44,000(ボーダレス〈ベグ アンド コー〉)、コート¥150,000(ブラミンク)、デニム¥45,000(ヤコブコーエン GINZA SIX)、手袋¥81,000(キートン)、ピアス¥48,000(ザ・ショーケース GINZA SIX店〈シェイスビー〉)、バッグ¥558,000(モワナ メゾン GINZA SIX)
ニット¥16,000(ウィム ガゼット 青山店〈アルダニー〉)、ストール¥44,000(ボーダレス〈ベグ アンド コー〉)、コート¥150,000(ブラミンク)、デニム¥45,000(ヤコブコーエン GINZA SIX)、手袋¥81,000(キートン)、ピアス¥48,000(ザ・ショーケース GINZA SIX店〈シェイスビー〉)、バッグ¥558,000(モワナ メゾン GINZA SIX)

ここからはコントラスト配色のテクニックを。メリハリを大胆につけるのが特徴の配色ですが、グレーにかけ合わせるコントラストカラーとは別に、2色を自然につなぐべく、ベーシックカラーをサポート役として配することも重要です。この写真のコーデでは、パンツのオフ白がそれ。グレーの色味を澄ませ、抜け感を演出しながら、装いをうまくまとめています。

■5:色をリフレインする小物を取り入れて鮮やかさアップ

パンツ¥100,000(キートン)、ニット¥56,000(クルチアーニ 銀座店)、ブルゾン¥98,000(ヘルノ・ジャパン)、サングラス¥38,000(ケリング アイウエア ジャパン〈サンローラン〉)、ピアス各¥32,000・リング¥128,000(showroom SESSION〈ヒロタカ〉) 時計¥545,000(IWC)、バッグ¥360,000・別売りのミンクファーハンドル¥58,000(ヴァレクストラ・ジャパン)、靴¥24,000(ファビオ ルスコーニ 有楽町店)
パンツ¥100,000(キートン)、ニット¥56,000(クルチアーニ 銀座店)、ブルゾン¥98,000(ヘルノ・ジャパン)、サングラス¥38,000(ケリング アイウエア ジャパン〈サンローラン〉)、ピアス各¥32,000・リング¥128,000(showroom SESSION〈ヒロタカ〉) 時計¥545,000(IWC)、バッグ¥360,000・別売りのミンクファーハンドル¥58,000(ヴァレクストラ・ジャパン)、靴¥24,000(ファビオ ルスコーニ 有楽町店)

グレー・カジュアルに今年らしいフレッシュさを加える、オレンジやブルーなどの最旬のきれい色。これらの鮮やかな色とでつくるコントラスト配色の着こなしでは、小物で最旬色をリフレインするテクニックを提案します。色がもたらす今どき感、鮮やかさを強調することで、着こなしの感度が格段にアップします。

■6:男前ウォッチと組み合わせてシャープ感を出す

ニット¥199,000(三喜商事〈アニオナ〉)、スカート¥150,200(エム& アソシエイツ〈クリスタセヤ〉)、ストール¥18,500(トラディショナル ウェザーウェア 青山ウィメンズ店)、イヤリング¥82,000(アルテミス・ジョイエリ)、リング¥250,000(showroom SESSION〈ヒロタカ〉)、バッグ¥236,000(ロジェ・ヴィヴィエ・ジャパン)、靴¥157,000(トッズ・ジャパン)、時計『ポルトギーゼ・クロノグラフ』¥740,000(IWC)
ニット¥199,000(三喜商事〈アニオナ〉)、スカート¥150,200(エム& アソシエイツ〈クリスタセヤ〉)、ストール¥18,500(トラディショナル ウェザーウェア 青山ウィメンズ店)、イヤリング¥82,000(アルテミス・ジョイエリ)、リング¥250,000(showroom SESSION〈ヒロタカ〉)、バッグ¥236,000(ロジェ・ヴィヴィエ・ジャパン)、靴¥157,000(トッズ・ジャパン)、時計『ポルトギーゼ・クロノグラフ』¥740,000(IWC)

フェースが大きめの男前ウォッチのソリッドなかっこよさは、コントラスト配色が醸し出す、キレのいいシャープな雰囲気にぴったり。ニットなど優しげな風合いのグレージュに合わせると、着こなしにこなれ感が生まれ、理想的なカジュアルスタイルになります。

どれも、鮮度をアップすることができる、グレーを使ったテクニック集でした。今冬はこの組み合わせを取り入れて、グレーのカジュアルファッションを楽しんでみませんか?

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PHOTO :
熊澤 透(人物)、宗髙聡子(パイルドライバー/静物)
STYLIST :
白井艶美
HAIR MAKE :
重見幸江(gem)
MODEL :
生方ななえ、渡辺佳子
EDIT :
下村葉月、小林桐子(Precious)
COOPERATION :
IVY PLACE