『Precious』本誌をはじめ、テレビや広告など幅広く活躍する人気スタイリストの犬走比佐乃さんに、大人の女性に必要なファッションについて教えていただく連載。今回は犬走さんにとってトレンドを超えた定番アイテムのひとつであり、特にこの季節は登板回数が増えるという「ライダースジャケット」をピックアップ! 大人の女性にふさわしいアイテム選び、そして洗練の着こなしを実現させる犬走流セオリーを教えていただきましょう。

犬走比佐乃さん
スタイリスト
(いぬばしり ひさの)本誌をはじめ数々の女性誌や女優のスタイリングを手がけ、「マダム犬走」の愛称で多くのファンをもつ。30年以上を誇るキャリアと卓越した審美眼でセレクト&スタイリングする自身の着こなしも注目を集める。

ライダースジャケットは、洗練カジュアルのユーティリティアイテム!

犬走さんらしいこの季節のアウターというと、前回ご紹介した「紺ブレ」を思い浮かべる人が多いでしょうか? ご自身が少女時代から愛し続けているトラディショナルなスタイルが、確かにもっとも「犬走さんらしい」イメージかもしれませんが、Preciousスタッフの間では、そのクールな着こなしにも定評があるのが、レザーのライダースジャケットです。

「Precious世代のなかには“ちょっと敬遠してしまう”という方もいらっしゃるかもしれませんね。やはり“ロック”で“ハード”というイメージがあるから、自分には似合わないのではないかと。でも、選び方とコーディネートによっては“ロック”にも“ハード”にもならず、こなれ感のあるカジュアルスタイルへと導く ──大人の女性にとって強い味方になってくれるユーティリティアイテムなんです」(犬走さん)

犬走さんが現在所有しているレザーのライダースジャケットは3着。そのなかで。もっとも気に入っているというのがこれ!

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2022年の年末に購入したライダースジャケットは、UKブランド「ALLSAINTS」のもの。

「後ほどご紹介しますが、レザーのライダースジャケットの手持ちは深いネイビーとブラックの2着だったので、潜在的にこういうディープグリーンのものが欲しいなと思っていたんだと思います。特に探しに行ったわけではなかったけれど、たまたま覗いた百貨店のセレクトコーナーにこれがあって、即購入しました」(犬走さん)

気に入った最大のポイントは、なんといってもこの色味! 「こういうディープグリーンは、本当に合わせやすいのが魅力。ブラック、ベージュ、ブラウン、そしてグレーにもマッチするので、幅広く着回しています」(犬走さん)

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左/シンプルなブラックのパンツには、「エレ ストリオフ」のロングテールブラウスをアクセントにして個性を演出。右/インナー&ボトムスをワントーンでまとめれば、簡単にスタイルアップを実現!

そして、どこかにエレガンスやフェミティを香らせるのが、犬走流ライダースジャケットスタイルのポイント。

「この季節だったら、例えばシフォン素材のワンピースやスカートといったソフトな印象のボトムスと合わせるのがいいかもしれませんね」(犬走さん)

3つのお約束は「シンプルデザイン」「コンパクトシルエット」「上質素材」!

犬走さんがライダースジャケットを選ぶ際に大事にしているポイントは3つ。ひとつ目は「なるべくシンプルなデザイン」ということ。「特に裾にベルトがついているタイプは苦手。邪魔になるし、やはり少しロックテイストが強くなってしまうから」なのだそう。

ふたつ目は、シルエットがタイトであること。最後は素材感! 「ライダースジャケットに限らず、レザーは本当に素材感が大切。Precious世代なら共感されると思いますが、着心地ってとても大事ですし、レザーは素材の良し悪しがもう、見た目ですぐにわかってしまいますから」と力説します。

そんな犬走さんが、長く愛用している2着のライダースジャケットがこちらです!

■1:「一生モノ」と確信している、深いネイビーブルー

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一見ブラックに見紛う深いネイビーの色味がなんとも犬走さんらしいセレクト!

もう5年くらい愛用しているというこのライダースジャケットは、イタリアの「コルソ ロッソ」というブランドのもの。先出のディープグリーンと同様、こちらも本当に幅広いコーディネート力が魅力だそう。

「“ブラックに近いけれどネイビー”という色味が本当に私好みで! これはきっとおばあちゃんになっても着るんだろうなと(笑)、今から確信しています。

以前、この連載でもご紹介したチェックのキルトスカートはじめ、デニムパンツでもいいし、オールホワイトに合わせてクリーンに着こなしてもいいし。いずれにせよボトムスは必ず長めで、縦長のシルエットをつくることがバランスよく見せる鉄則です」(犬走さん)

■2:ハードになりすぎないシンプルデザインの、王道ブラック

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ラペルの形のためか、ソフトな表情のライダースジャケットは「ユナイテッドアローズ」オリジナルブランドの「アストレット」。

今でこそディープグリーンやネイビーのほうが登板回数は多いものの、やはりバリエーションとして王道のブラックは外せないそう。

「思えば、これを購入するまでにも何着か、ブラックのライダースジャケットは気潰してきました。これはおそらく歴代のブラックのなかでも、いちばん柔らかい表情のデザインだと思います。ジップやポケットがアシンメトリーにデザインされていて、程よい個性を主張してくれます」(犬走さん)


お洒落の年輪を重ねてきた今だからこそ楽しめる、ライダースジャケットの着こなし。お気に入りの1着と出合えたら、きっと新しいお洒落を楽しめるはず! 犬走さんのコーディネートを参考にして、大人のライダースジャケットスタイルに挑戦してみませんか?

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PHOTO :
黒石 あみ(小学館)
WRITING :
岡村佳代
EDIT :
谷 花生