身長156cmのインテリアエディターが、おすすめのアイテムを実際に体験しながらレポートする本連載。コロナ禍により生活スタイルが大きく変わったことで、インテリア業界にも大きな変化がいくつかありました。なかでも嬉しいものの一つに、これまで法人営業メインだった実力派ブランドが個人のお客様にも門戸を開いたことがあります。

その結果、量産可能な製造方法のため値頃感があり、堅牢性も高く機能的なデザインの家具を見て試して購入できるようになりました。そこで今回は、そんな実力派国内ブランド「バイ インテリアズ」の大ヒットシリーズ「SWEEPY(スウィーピー)」から、エレガントさとモダンな魅力を併せ持つ椅子、『スウィーピーラウンジ』をピックアップ。その魅力をご紹介します。

「グローカル」なデザインが新しい景色を生み出すラウンジチェア

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【ブランド】バイ インテリアズ 【商品名】スウィーピーラウンジ 【価格】¥128200 【サイズ】幅600×奥行き558×高さ715 座面高400 肘高:585(mm) 【材質】フレーム:アッシュ 座面:ペーパーコード 

例えば、若手料理人が独立し開店した料亭のインテリアを想像してみてください。シンプルかつモダンで隙がないのにリラックスできるあの感じを、自宅でも味わえたらいいと思いませんか? 椅子を引いたときにスーッと音もなく動く軽さと、手触りのいい背板の木の温もり。そこはかとなく「和」を感じさせるにはどんなエッセンスが必要なのでしょうか。

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緩やかなカーブを描いてつながる脚が、そこはかとなく和の要素をインテリアに加えて。

ポイントは脚の形状。畳に家具を置く場合、普通の4本脚の椅子だと点で接するので畳やラグが局所的に凹んでしまいます。そのため「畳ずり」といって前後の脚をつないでソリのように線で床に接する脚が採用されることが多いのですが、同時にその形状は椅子を引くときに静かに動いてくれる効果も生まれます。

そして、さらに『スウィーピーラウンジ』はその脚のデザインが秀逸! まず床の接地面は平らで幅が広いのに、かまぼこのような半円形の曲線を描くスタイルになっていることでシルエットがほっそりとエレガントな印象に。また後ろ脚をU字につないでいるため、モダンかつスタイリッシュな佇まいに仕上がっているのも見事です。

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広い面で着地する畳ずりの脚。丸みを帯びた脚とU字のフォルムがすっきりとした椅子にさりげない優しさを演出します。

少し話が逸れるのですが、汁椀を持ち上げて直接口をつけていただくのは日本特有の文化。木肌の滑らかさや厚みや持ちやすさに関して、私たちは無意識ながらに繊細な感覚が幼少期から育まれています。

これと同じように、持ったときに満足感のある美しい背板があることで空間もモダンに引き締まって見える『スウィーピーラウンジ』は、イタリア在住の人気デザイナー・大城健作氏が日本を意識しながらデザインしたもの。徳島県の職人さんが丁寧に組み上げています。

ほのかな和テイストをまとったそのデザインは、海外でも人気なのだとか。グローバル展開する際に日本らしさについて再解釈して形に落とし込む「グローカル」な取り組みは、デザイン業界でも大きなうねりの一つです。

フェミニンなディテールが生み出す満足感と作りの堅牢さが支える安心感

ここだけの話ですが、椅子を立ち上がる際に“よっこいしょ”と言いたくなる日ってありませんか?(笑) 年齢を重ねると共に、立ち上がりをサポートしてくれる優しくて丈夫で安定のいいアームの重要性に目が向くようになりました。

立ち上がりに不安を覚えるような日は、どなたにでも必ず訪れます。そんなときにも美しく過ごしたいもの。『スウィーピーラウンジ』は静かにサポートしてくれる安定感と、空間に置いた際の端正な魅力を兼ね備えたデザインです。

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深く腰掛けても両足がつきます。私が握りしめている部分には膨らみがあり、握ると心地いいのもポイントです。
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体重をかけて立ち上がりやすい形状のアーム。握るとわかるかまぼこ型の断面と、フラットなラインの対比が目を引く美しさ。
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真ん中はふっくらと、先端はほっそりとした脚の微妙なカーブがフェミニン。

彫刻的な背板が共通パーツ。シリーズで空間コーディネートする楽しみも!

さまざまな魅力をもつ『スウィーピーラウンジ』は、無垢材からマシーン加工で削りだされた彫刻的な背板もチャームポイント。その背板を共通パーツとして、シンプルなフレームの長さを変えて組み合わせることでハイスツールやダイニングチェアなどに展開する木製椅子シリーズが「スウィーピー」です。

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マシーン加工でコストカットしつつ美しさも留保する造形力。

そしてこの共通パーツを用いることや、余計な装飾を省いてミニマルな美しさを極めたデザインが功を奏し、海外ブランドに引けをとらないハイクオリティな椅子ながら10万円台という価格帯を実現! 人気を博しているというのも納得です。

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ダイニングにもカウンターにも同じ「スウィーピー」シリーズで自在にコーディネート可能。
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工場のある徳島県で有名な藍染を取り入れたタイプ。デニムのような仕上げもよりローカル色があって素敵ですよね。

今回は、実力派国内ブランド「バイ インテリアズ」の大ヒットシリーズから『スウィーピーラウンジ』をご紹介しました。感覚的にしっくりくる和的な静けさと、主張しないフェミニニティのあるラウンジチェアは、モダンな和室空間にもおすすめです。ぜひショールームで試してみてくださいね。

※掲載商品の価格は、すべて税込みです。

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この記事の執筆者
イデーに5年間(1997年~2002年)所属し、定番家具の開発や「東京デザイナーズブロック2001」の実行委員長、ロンドン・ミラノ・NYで発表されたブランド「SPUTNIK」の立ち上げに関わる。 2012年より「Design life with kids interior workshop」主宰。モンテッソーリ教育の視点を取り入れた、自身デザインの、“時計の読めない子が読みたくなる”アナログ時計『fun pun clock(ふんぷんクロック)』が、グッドデザイン賞2017を受賞。現在は、フリーランスのデザイナー・インテリアエディターとして「豊かな暮らし」について、プロダクトやコーディネート、ライティングを通して情報発信をしている。
公式サイト:YOKODOBASHI.COM