今展でも、デザインや素材、柄などで英国調のトレンドが続くなか、本家、英国ブランドのブースはどこも盛況だった。それぞれのブランドが備えるアーカイブを探り、今の時代に合ったモデルをリメイクすることは、英国の文化や哲学を継承し、新鮮なアイテムへと進化する。まさに、このところのピッティの大きなうねりとなる、ヘリテージ志向や原点回帰が表される。続報の第3弾では、共に英国ブランドのアイテムをご紹介したい。

「ジョンスメ・オン・ジョンスメ」もオススメ!

おなじみのハイゲージ・薄手ニットとはまた違った魅力を放つ、ジョン・スメドレーの新作ジップアップ ニット。

 まず、ニットの名門「ジョン スメドレー」。ハイゲージによる薄手のニットが安定した人気の一方で、毛足の長い表面感のあるニットが登場した。ビスコース、アルパカ、メリノウールを混紡した表情豊かな素材を使い、これまで同ブランドが展開しなかったジップアップ仕様のニットをつくり出した。ロングTシャツの上にアウター感覚で着こなしたり、ハイゲージ・ニットの上にジップアップ・ニットを羽織る「ジョンスメ・オン・ジョンスメ」の着こなしも面白いだろう。

 今はゆったりとしたシルエットのコートやジャケットが人気のため、シャツとの組み合わせが案外難しくなっている。シャツに替わるリラックスしたコーディネートを演出するアイテムとしても、ニットは注目だ。

ホックニーが愛した色彩を胸元に!

良質なシルクをたっぷり使ったドレイクスだから実現できた、発色の良さに注目。

 次は、タイのブランドとして名高い「ドレイクス」。ストライプを中心に小紋柄やドットなどにも、雰囲気のいいタイを展開していたが、特に注目したいのは、クリエイティブディレクターのマイケル・ヒル氏が手に持った、鮮やかなカラーのニットタイ。シルク100%で発色が際立つ。

 この冴えた色合いを何かで見たことがあると思えば、ヒル氏いわく「ホックニー・カラーです」と。ロサンゼルスで活躍するイギリス出身の画家、デビッド・ホックニー氏が好んで締めていた横縞のタイと、彼が描く絵の色彩に触発されてつくったそうだ。

 秋冬展で発表されたタイだが、ベージュのコットンスーツや、シアサッカーのジャケットにも合わせたくなるタイである。

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この記事の執筆者
ヴィットリオ矢部こと本誌エグゼクティブファッションエディター矢部克已。ファション、グルメ、アートなどすべてに精通する当代きってのイタリア快楽主義者。イタリア在住の経験を生かし、現地の工房やテーラー取材をはじめ、大学でイタリアファッションの講師を勤めるなど活躍は多岐にわたる。 “ヴィスコンティ”のペンを愛用。Twitterでは毎年開催されるピッティ・ウォモのレポートを配信。合わせてチェックされたし!
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