【目次】

駒込ってどこにあるの?「場所」

駒込駅があるのは豊島区駒込です。山手線の北側エリアが豊島区駒込、「六義園」を含む南側エリアが文京区本駒込になります。山手線の駒込駅の巣鴨寄りの改札は橋上にありますが、田端よりの改札は線路下にあります。高低差のあるエリアなんです。
JR山手線の駒込駅の巣鴨寄りの改札を橋上にあります。一方、田端寄りにあるもうひとつの改札は線路下に。ここは高低差の大きいエリアなのです。

東京都豊島区駒込があるのは豊島区の東部。文京区と北区に接しています。台地と川や谷の低地が混在していて、現在は暗渠となっている谷戸川(谷田川)方向にかけては坂がたくさんあります。そして駒込駅と巣鴨駅周辺の台地部分には高級住宅街が広がっています。低地エリアには商店街が発展していて下町らしさもあります。寺社も緑も多いこの東京都豊島区駒込、1丁目から7丁目までエリアは広め。豊島区駒込とお隣にある文京区本駒込を合わせて「駒込」と呼ばれることも…。今回もその魅力を一緒に探っていきましょう。

駒込の「最寄り駅」

巣鴨駅といえば「巣鴨地蔵通商店街」を主に指して「おばあちゃんの原宿」というイメージがあるけれど、美味しいグルメスポットもたくさんあり、チェーン店もそろっていて、今では年齢問わず楽しめる街になっています。
巣鴨駅と言えば「巣鴨地蔵通り商店街」から「おばあちゃんの原宿」というイメージがあるかもしれません。ですが、美味しいグルメスポットも点在し、チェーン店も揃っていて、今では年齢問わず楽しめる街になっています。

駒込の最寄り駅はJR山手線と都営地下鉄三田線の巣鴨駅と、JR山手線と東京メトロ南北線の駒込駅。JR山手線を利用すれば東京駅や新宿駅などにも乗り換えなしに移動できる便利さです。JR山手線は本数も多いですし、どちらも15分から20分程度の距離に。環状線のJR山手線と、23区内を南北に走る南北線や三田線との組み合わせは移動にも機動力抜群。南北線は永田町や六本木一丁目などを通っていて、三田線は大手町や日比谷などを東京の主要エリアを通っています。

豊島区駒込の「地図」

駒込の「歴史」と「由来」

景山致恭、ほか。『江戸切絵図 巣鴨絵図』嘉永2~文久2(1849~1862)年刊行(国立国会図書館デジタルコレクション)
景山致恭、ほか。『江戸切絵図 巣鴨絵図』嘉永2~文久2(1849~1862)年刊行(国立国会図書館デジタルコレクション)

駒込橋交差点から北西へ染井霊園まで伸びる現在の染井通りの南側エリアは、江戸時代に大名屋敷が並んでいた場所。染井通りの南側に面していたのが伊勢津藩の藤堂和泉守の江戸屋敷です。上の江戸切絵図にも「藤堂和泉守」という文字が確認できます。

「藤堂和泉守屋敷」は下屋敷・抱屋敷を併せて約8万坪(!)という広さで、約2,000人の家臣が居住し、染井屋敷と呼ばれていたのだとか。このお屋敷の左上のところには「此辺染井村植木屋多シ」と書かれています。下屋敷の北側には、たくさんの植木屋がありました。もともと染井に住んでいた農民は、1657年に起きた「明暦の大火」後に居を構えた藤堂家の下屋敷に、庭の管理のために出入りをするように。そして彼らはそこで不要になった霧島つつじ・椿など数多くの植物を自分の庭に運んできて栽培し、植木屋として商売をするようになったのだとか。この辺りは、江戸を代表する園芸都市として知られていて「つつじ」「菊」「桜草」の産地だったそうです。

「染井霊園」から「六義園」へと通じる「染井通り」には地元住民が管理をしているというコミュニティーガーデン「私の庭・みんなの庭」があります。どこか懐かしさのある庭で、春になると桜が満開になります。
「染井霊園」から「六義園」へと通じる「染井通り」には地元住民が管理をしているというコミュニティーガーデン「私の庭・みんなの庭」があります。どこか懐かしさのある庭で、春になると桜が満開になります。

染井通り沿いにある駒込4丁目、5丁目あたりは「染井」と呼ばれていて、「ソメイヨシノの発祥の地」と言われています。江戸時代から明治にかけて、この地域の植木職人がエドヒガンとオオシマザクラの品種を交配して売り出したと言われています。明治になると、多くの大名屋敷が払い下げられて「染井霊園」が開園しました。桜の名所でもある染井霊園はちょうど染井通りの突き当たりにあります。染井霊園には、高村光太郎とその妻の高村智恵子のほか、岡倉天心や二葉亭四迷などの著名人のお墓があります。

駒込の「由来」とは?

駒込駅前には大型の商業施設はありませんが、スーパーやパン屋、薬局などはそろっています。
駒込駅前には大型の商業施設はありませんが、スーパーやパン屋、薬局などはそろっています。商店街も複数あり、買い物には困りません。

徳川幕府が編集した江戸の地誌に、駒込の地名の由来が書かれている箇所があります。それが『古代日本、大和国の皇族である日本武尊(ヤマトタケルノミコト)が、味方の馬が集められ、この辺りの林の木々につながれているのを高いところから見て、「駒込みたり」と言った』という伝説です。それにより、この辺りが駒込林と呼ばれるようになったのだとか。そして、林がなくなったあとも駒込の名前が残ったようです。ちなみに豊島区の駒込に対して、文京区の本駒込は本郷の駒込という意味で本駒込と呼ばれています。

駒込の3つの「魅力」

■1:  商店街が複数あります

「霜降銀座商店街」を進んだ先には「染井銀座商店街」が続いています。どの商店街も昔ながらの下町っぽさがあり散策が楽しいです。
「霜降銀座商店街」を進んだ先には「染井銀座商店街」が続いています。

昭和15(1940)年ごろに暗渠化された谷田川の上にできた道路沿いには商店が集まり、「霜降銀座商店街」ができました。駒込駅からは歩いて5分ほどのところにあって、この辺りの住所は北区西ケ原です。精肉店や青果店、パン屋などの個人商店が並んでいてどこか懐かしい下町っぽさのある商店街です。飲食店もたくさんあります。この川の近くにはほかにも「駒込銀座商店街」や「アザレア通り商店会」、「田畑銀座商店街」、「染井銀座商店街」など、駅から離れた場所にも商店街が多くある買い物に便利です。

■2:緑がとても多いエリアです

駒込駅前には「六義園」(文京区)がありますが、そのほかにも「旧古河庭園」(北区)や「滝野川公園」(北区)、「飛鳥山公園」(北区)なども近くにあって緑の多いエリアです。大きな公園が近くにあって遊び場に困らないのも、子育て世代には嬉しいポイント。いくつかご紹介しましょう。

◆旧古河庭園

旧古河庭園は洋風庭園と日本庭園を配していて、小高い丘には洋館があります。
旧古河庭園は洋風庭園と日本庭園を配していて、小高い丘には洋館があります。

旧古河庭園には、鹿鳴館などを設計した英国人ジョサイア・コンドル設計の西洋庭園や洋館があります。この西洋庭園はバラが見事。園内には日本庭園もあります。心字池を中心に枯滝・大滝・中島を配し、さらには茶室や深山の滝などもあって見所どころがたくさん。大正初期にできた庭園で、和洋の見事な調和を実現しています。

◆飛鳥山公園

飛鳥山公園は、明治6(1873)年に太政官布達によって日本最初の公園に指定されました。それから150年が経過している歴史のある公園です。
飛鳥山公園は、明治6(1873)年に太政官布達によって日本最初の公園に指定されました。それから150年が経過している歴史のある公園です。

飛鳥山公園の園内には子どもが大喜びの巨大な遊具広場があります。滑り台やブランコや砂場の他にも、機関車と都電の展示がされています。また、園内には3つの博物館もあります。「渋沢史料館」では、渋沢栄一の生涯にわたる事業や交流の資料が展示されています。飛鳥山は桜の名所でもありますが、これを広めたのは8代将軍徳川吉宗です。吉宗は、庶民の行楽のための桜の名所を各地につくりました。そしてこの飛鳥山も、江戸っ子たちの行楽地でした。

■3:春には駅前から桜が咲き誇ります

駒込
右手に見える、染井通り沿いにある大型マンション「プラウド駒込」です。入り口付近にはたくさんの桜が植えられています。

関東地方で代表的な桜といえばソメイヨシノです。ソメイヨシノは、ほんのり薄いピンク色の花が先に咲き、一斉に散ります。そのソメイヨシノの発祥地でもある染井村があった場所、豊島区駒込一帯は春になると至るところに桜が咲き誇っていて街並みがとてもきれいです。染井通りの突き当たりには「染井霊園」があり、こちらも桜の名所としても有名。春にはぜひ、この駒込を散策してみてはいかがでしょうか。

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巣鴨駅周辺は「おばあちゃんの原宿」というイメージが強いですが、実は桜の名所でもあり、商店街も発展していて、歴史のある公園もあり──さまざまな年齢層に、とても暮らしやすいエリアです。

参考:豊島区ホームページ
     霜降銀座商店街ホームページ
   旧古河庭園ホームページ
   飛鳥山公園ホームページ
この記事の執筆者
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PHOTO :
AC,柳堀栄子
WRITING :
柳堀栄子