『Precious』本誌をはじめ、テレビや広告など幅広く活躍する人気スタイリストの犬走比佐乃さんに、大人の女性に必要なファッションについて教えていただく連載。今回は、春、夏、秋と3シーズン活躍してくれる薄手のジャケット ── いわゆる「サマージャケット」にフォーカスを当て、選び方や着こなしのコツを、ご自身の最新アイテムを使ってお届けします！
カーディガン感覚で着られる、軽くてしなやかな素材が鉄則です！
2023年春夏の展示会でオーダーし、最近届いたという「Miki MIALY」のジャケット。ブラックにペンシルストライプ、そしてシングル仕立てのシンプルなデザインはいかにも犬走さんらしいセレクトです。
「Miki MIALY」はパリコレにも参加している日本人デザイナーによるメゾンで、犬走さんもしばしば展示会に足を運びオーダーをするステディブランドのひとつ。
「このジャケットのように、メンズライクで凛としたデザインのアイテムが多いのですが、女性を美しく見せるシルエットを追求していて、着たときのラインがとても綺麗。そして着心地のいい上質な素材使いも気に入っているポイントです」（犬走さん）
そう、このジャケットを選んだ最大の理由は、「カーディガン感覚でサラリと着られる軽さ」。犬走さんはパンツも一緒にセットアップで購入したそう。
「色柄ものなら上下セットアップで買っておいたほうが着回しの可能性が広がります。実はこのジャケットのセットアップのパンツは同型のものを持っていて、とてもはきやすくて気に入っていたので迷わずパンツも購入しました」（犬走さん）
ソフトな素材感ということもあって、少しカジュアルに「崩して」着こなすのが犬走さんの今季の気分！ どのようなコーディネートで着回すのでしょうか？ すべて私物でスタイリングを公開していただきましょう。
■１：お洒落感が一気に加速するベルテッドスタイルも自由自在！
「真夏までの期間限定」ではあるけれど、太めのベルトでウエストマークをしてXシルエットを構築。マスキュリンとフェミニニティが共存するスタイリングは通勤コーディネートにも応用できそうです。
「こうしてウエストマークできるのは、ジャケットの素材がとてもしなやかだから。合わせる色は白か黒のみ、いっそモノトーンでまとめたほうが着こなしやすいし失敗なく洗練を印象づけられるはずです」（犬走さん）
■２：セットアップで着るなら、抜け感を加えて思い切りカジュアルに！
上下セットアップで着る場合は、思い切ってカジュアルに！ インナーのジレで効かせた凛としたホワイトを足元でもリフレインし、やはりモノトーンでまとめます。
「インナーはもちろん白Tでもいいけれど、シンプル過ぎるのも少しつまらないですよね。例えばこんな風にジレを合わせると、ゆったりとしたジャケットとパンツの全体の印象が引き締まるし、ジレにあしらわれたグログランのニュアンスがさりげなく洗練度を高めてくれます」（犬走さん）
コーディネートの仕上げは「ZARA」のブラックのキャップ！ 大人の余裕と遊び心を感じさせる小粋な演出は、さすがお洒落のプロフェッショナル。
「きちんと着こなすだけがテーラードジャケットではないとPrecious世代なら知っていると思いますが、こうして意外かな？ と思う小物にもマッチする包容力が高いアイテムです。しなやかで軽い素材のサマージャケットならなおさら。既成概念にとらわれず小物で遊ぶと、ジャケットの着こなしの楽しみがさらに広がりますよ」（犬走さん）
これからの3シーズン、寒暖差対策だけではなくスタイリングのブラッシュアップにも有能な「カーディガン感覚で着られるジャケット」。犬走さんのセレクト＆コーディネートを参考に、自由に取り入れてみてはいかがでしょうか？
※私物に関しての各ブランドへのお問い合わせはご遠慮ください。
関連記事
- 「スカーフの魔術師」と人気のスタイリストが、シンプルニットをおしゃれに変えるアレンジを伝授！
- 人気スタイリストが私物で指南！ 大人が着こなす「ライダースジャケット」のコーディネート術
- 人気スタイリストの最愛アイテム「紺ブレ」が主役！ オール私物で、春の最旬コーディネートを公開
- PHOTO ：
- 黒石 あみ（小学館）
- WRITING ：
- 岡村佳代
- EDIT ：
- 谷 花生
