「英気を養う」というフレーズを、見たり聞いたりしたことがあるでしょうか。言わんとしていることはなんとなくわかっても、「英気」という言葉の意味を説明することはできますか? ビジネスシーンでも使うことがありそうな「英気を養う」についてしっかり意味を理解し、正しく使えるよう見ていきましょう。
【目次】
- 「英気を養う」の読み方や正しい意味など基礎知識
- 「英気を養う」の正しい使い方がわかる例文5選
- 休暇前の上司にはどう言う?「英気を養う」の敬語表現
- 「英気を養う」を言い換えると?「類似表現」に「対義語」も
- 「英気を養う」を「英語」で言うと?
【「英気を養う」の読み方や正しい意味など基礎知識】
■読み方
「英気を養う」で「えいきをやしなう」と読みます。
■意味
「英気を養う」とは、「次の活動に備えて気力や体力の充実を図る」という意味の慣用句です。「英気」を調べると、「(1)いきいきと働こうとする気力。元気」と「(2)すぐれた気性、才気」というふたつの意味が。(1)の気力や元気は、努力や生活習慣の改善など自分でコントロールが可能ですが、(2)の気性や才気はもって生まれたものによるところが大きいですね。「英」という漢字は「秀でている、優れた、賢い」といった意味を表します。「英才」「育英」「英断」など、「英」を用いた語を思い浮かべればわかるでしょうか。
「英気を養う」の「養う」とは「育て蓄える」という意味ですから、この場合の「英気は」(1)のほうの意味であると捉えられます。仕事でもなんでも、いきいきと働こうとする気力や活力は、自分次第で蓄えることができる、その力を発揮することができるということも表していると言えそうです。
【「英気を養う」の正しい使い方がわかる例文5選】
■1:「久しぶりに帰省して、しっかり英気を養うことができました」
■2:「英気を養うため、定期的に山登りやキャンプなど大自然の中で過ごしている」
■3:「ペットの犬と過ごすことで、日々の英気を養っています」
■4:「休暇をしっかりとって英気を養うことも、ビジネスパーソンの重要なスキルのひとつだ」
■5:「いつもはつらつとしている先輩に、英気の養い方を伝授してもらいたい」
【休暇前の上司にはどう言う?「英気を養う」の敬語表現】
「英気を養う」という慣用句自体は誰に対してもOKですが、目上の相手なら敬語表現で使いたいもの。例を挙げてみましょう。
■「ゆっくりと英気を養われてください」
■「Aさんは年に数回旅行をして英気を養っているそうです」
【「英気を養う」を言い換えると?「類似表現」に「対義語」も】
■類似表現
■大きな仕事が終わるたびに、1週間くらい休んでリフレッシュするのが理想だ。
■休養は体力回復のためだけでなく、モチベーション維持のためにも必要だ。
■ずっと走り続けることはできないように、仕事も適度に骨休めしながら心身共に健康な状態で臨みたい。
■充電期間を経て、心機一転頑張ります。
■対義表現
■やる気を削ぐ上司のひと言で、何もかも投げ出したくなった。
■精気を奪われたようなうつろな目をしていた。
■モチベーションをくじくような発言は控えてほしい。
【「英気を養う」を「英語」で言うと?】
■recharge one's batteries
I spent the weekend in the country to recharge my batteries.(英気を養うために、私は週末を田舎で過ごします)
■take a good rest
Have a good rest on weekends.(週末はゆっくり休んでください)
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英気を養う方法は人それぞれです。親しい人と美味しいものを食べたり、旅行に出かけたり、家族とゆっくり過ごしたり…。遠出することや人と会うこと、ひとりでのんびりするだけでなく、就業時間中の適切な休憩も、英気を養うためには必要かもしれませんね。自分に合った方法で英気を養い、心身共に健康な状態で過ごしてください。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- 参考資料:『デジタル大辞泉』(小学館)/『日本国語大辞典』(小学館)/『敬語マニュアル』(南雲社)/『角川類似新語辞典』(KADOKAWA)/『プログレッシブ英和中辞典』(小学館) :