招く日も、招かれる日も美しく、堂々と装って【ドレスコードは、ブラックタイ「夜会」のエレガンス】
パーティも少しずつ復活して、素敵な「夜会」の招待状が届く頃。美しい人は今、どんなイヴニングドレスをまとうのでしょうか。
「夜会」は大人の女性のエレガンスの競演
1988年5月、米・社交界きっての花だったナン・ケンプナー。ドレスに同じブローチを幾度も身につけるなど、自由なセンスで、デザイナーたちに愛された。
2022年9月、自身の財団の受賞式に参加するジョージ&アマル・クルーニー。ブラックタイのパートナーの存在が、イヴニングドレスの女性をより引き立てて見せる。
1968年11月、パリ公演のあと、プラザ・アテネの夜会でのマリア・カラス。晩秋のドレスアップは、長袖にブレスレットが映えて。
2018年5月、米VOGUE主催の「METガラ」には、毎年ファッションテーマがある。アナ・ウィンターはどんなテーマでも、ケープを羽織ったり、肩を覆うドレスを好む。
1958年12月、パリ・オペラ座で行われたマリア・カラスのガラ公演。バルコニーの婦人たちの格調の高いドレスアップが壮観。
エレガンス最上級のおしゃれの復活を楽しむ
素敵なパーティの招待状が届いて心ときめくのも束の間、よく見ると「ドレスコードはブラックタイ」と書いてある。いつもレッドカーペットのセレブリティへの勝手気ままなファッションチェックを楽しむ余裕はどこへやら。慌てふためき、慣れないドレス探しに奔走するのである。
人の集まりが復活しつつある今、招かれる日が増えるだけでなく、格式高い海外のオペラハウスでガラ公演を観る、といった旅の楽しみも蘇りつつある。そんな日を華やかに彩るイヴニングドレスの装いは “エレガンス最上級” のオケージョン。その場しのぎの支度では、痛々しい結果も招きかねない。素敵な招待状が届く日や、パリ・オペラ座ガルニエの美しい階段などを想い、自分らしいドレスアップについて、考えておきたい。
一目おかれるドレスアップをしたいけれど、浮くのは嫌。コンサバすぎてもダメ。仕事では主催者側になる日もあり、今、何を着るべきなのか悩むキャリアも多いという。
そこで、ハイジュエラーの元広報マネージャーとして、国内外で華やかなパーティを数多く経験してきた女性に話をうかがった。招く側として、ゲストより派手にならないまでも、遠くから目印となる必要もあり、“程よく目立つ” ことを旨としたスタイル。その絶妙なさじ加減は、キャリア女性が招かれる日の参考にもなる。
「黒よりグレーのシフォンやレースのドレスを選ぶことが多いですね。席を回るので足捌さばきのいいことが条件。歩きやすいダンス用パンプスもおすすめです。ゲストとネックレスが被らないよう、ジュエリーは大ぶりなイヤリングに絞り、暗がりのテーブルでも手元が煌めくリングを。そしてドレスは姿勢が悪いと似合いません。程よい肌見せはジュエリーも映えるので、日頃からシェイプして、そこは見られる立場としても頑張りどころです。フィット感も大切なので、既製服はお直しに出します」
ゆったりとした身支度が心を整え、堂々とした物腰に
今回、スタイリングを担当した犬走比佐乃さんも、多くの女優や一般女性のドレス選びを任されてきた。
「女優さんには360度見られることを意識したデザインと、華やかな色を優先します。体型で選ぶとしたら、デコルテのデザイン。特に一般女性の場合、それぞれに似合うデコルテのドレスをおすすめします」
前出の広報担当の女性は、「海外ではプロトコールに準じながらも、体型など気にせず、“攻め” のおしゃれを楽しむようです。“浮く” 心配などしないで、思いきって正解!」
自分らしく装えたら、海外セレブのように物おじしない、エレガントなふるまいができるはず。元モデルで貴族出身の女優、マリサ・ベレンソンは『ドレッシングアップ』という写真集のなかで、身支度の大切さを説いている。まず自分なりの “儀式” を経ること。彼女にとってそれはバスタイム。1時間ほどお気に入りのバスルームで、ハーブ湯に浸かってゆったりと過ごすことから始まり、ドレスにふさわしい下着選びを楽しむ。その代わりヘアメイクは手際よく、時間はかけないそうだ。
いつものペースを崩さず、清潔感のあるドレスアップの土台づくりが心を整え、「夜会」での堂々とした佇まいにつながるのだろう。
※掲載商品の価格は、すべて税込みです。
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- PHOTO :
- 熊澤 透
- STYLIST :
- 犬走比佐乃
- COOPERATION :
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- EDIT&WRITING :
- 藤田由美、喜多容子(Precious)