日本人の繊細な美意識や、ものづくりへの情熱が脈々と受け継がれてきた、伝統工芸品や名産品。それらが今、若き匠たちを中心に大きな進化を遂げています。そんな現代のライフスタイルにもマッチするセンス溢れるプロダクトの数々を、ギフトスタイリストの河井真奈さんがナビゲートする連載企画。今回は、6月18日(日)の父の日に贈るギフトとしておすすめのアイテムをセレクトしていただきました。

ピックアップされたのは、ワインの表現力を高める「Birdyデキャンタ」、香るマグカップ「Rim Mug」、燻製紅茶をボトルに詰めた「Japanese Smoked Tea」の3点。いずれも日本の伝統技術を生かしつつ、ひねりのきいたアイテムで、男性の好奇心をくすぐる贈り物にぴったりです。

河井真奈さん
スタイリスト
(かわい まな)女性誌、CM、ドラマのスタイリング、トークショー、商品開発アドバイザーなど幅広く活躍。2016年、ギフトに特化したWEBサイト「futo」をローンチし、2019年6月に南青山にショップをオープン。2023年5月代官山に移転。著書に『絶対 美人アイテム100』(文藝春秋)、『服を整理すれば、部屋の8割は片付く』(立東舎)。https://futo.jp/

■1:ワインの表現力を高める「Birdyデキャンタ」

「DC700デキャンタ」¥19,800【サイズ:直径約93×高さ145mm、重量:約260g、容量:約700ml、材質:18-8ステンレス】
「Birdyデキャンタ」¥19,800【サイズ:直径約93×高さ145mm、重量:約260g、容量:約700ml、材質:18-8ステンレス】

「Birdyデキャンタ」は、1~2杯分のワインを手軽にデキャンタージュできるステンレス製デキャンタ。「BIRDY.」は、愛知県豊田市の自動車メーカー横山興業より誕生したブランドで、名前の由来はゴルフ用語の“バーディー”だそう。常に水準(バー)よりもひとつ上を目指すブランドから生まれたデキャンタの実力について、河井さんはこう話します。

「一般的なデキャンタとの最大の違いは、内側表面に施された目には見えない凹凸。0.1ミクロンレベルの凹凸がワインと触れ合うことにより、微細な気泡が発生し、ワインに適度な酸素が溶け込みます。右に回せばまろやかに、左に回せばエッジが立つ。回す向きや、回数、速さによって味わいに微妙な変化がもたらされるので、自分好みに調整可能です。ワインだけでなく、ウィスキーや日本酒などでも同様の効果があります」(河井さん)

楽しみ方は自由自在!
楽しみ方は自由自在!

「回すだけでお酒のポテンシャルを引き出す魔法のようなデキャンタが実現したのは、日本が誇る自動車部品メーカーのテクノロジーがあってこそ。1つ1つ職人の手で研磨しているため、1日あたりの製造数もごく限られているそうです。

futoで体験会を実施したところ、参加者一同が驚くほどの変化で即日完売。ステンレス製で割れる心配がないので、自宅で楽しむだけでなく、キャンプ等にも気軽に持参できます。お酒好きのお父様はもちろん、研究や実験好きのこだわり派のお父様はきっと気に入ってくれると思います」(河井さん)

■2:香るマグカップ「Rim Mug」

「Rim Mug」各¥3,850【カラー:Black/Nashiji green/Crystal white、サイズ:W104×D82×H78mm、容量:270ml】
「Rim Mug」各¥3,850【カラー:Black/Nashiji green/Crystal white、サイズ:W104×D82×H78mm、容量:270ml】

「Rim Mug」は、香りはもちろん口当たりや持ち心地にもとことんこだわったマグカップ。伊万里鍋島の窯元として昭和元年に創設した畑萬陶苑が開発しました。

「香りを閉じ込めながら、味わいに広がりをもたせる。そんな相反する要素を両立させる秘密は、ユニークな形状にあります。まず、器の外見は口がすぼまった“バレル型”。しかしながら、カップの内側をのぞきこむと、縁の少し下の部分に“もたせ”と呼ばれる厚みがあり、縁に向かって薄口になる“ラッパ型”です。これぞ畑萬陶苑ならではの匠の技で、コーヒーのアロマを閉じ込めながらも、飲み物がほどよく流れ込み、口の中に味わいが広がります。

さらに、持ち手にもこだわりが。指掛かりのよいハンドルをボディの下部に配して重心バランスを下にすることで、飲み物が入った状態で持っても指に負担がかかりにくい構造になっているのです」(河井さん)

バレル型で香りを逃がさない。
バレル型で香りを逃がさない。
縁は絶妙にラッパ型。
縁は絶妙にラッパ型。

「このマグカップの開発には、バリスタや調香師といったコーヒーや香りのスペシャリスト、生地づくりの職人、釉薬や絵の具の専門家が関わり、デザイナーと共に試作を繰り返しながら最終形にたどり着きました。マグカップひとつにここまでの英知が集結するのはなかなか類を見ないのではないでしょうか。

実際に、何人かのコーヒー好きに『Rim Mug』を試してもらったところ、『サイズもちょうどいい』、『マットな肌触りが心地いい』といった感想が寄せられるなど、まさしく使い手目線の開発が実った逸品。緑、白、黒の3色があるので、父の日ではありますが、ご両親用に色違いをペアでプレゼントしてもよさそうです」(河井さん)

■3:カネロク松本園の燻製紅茶ボトル「Japanese Smoked Tea」

燻製紅茶ボトル「Japanese Smoked Tea」¥7,560
燻製紅茶ボトル「Japanese Smoked Tea」¥7,560

カネロク松本園は、静岡県島田市で明治時代から代々お茶を生産している農園。燻製紅茶とは、お茶農家のプライドにかけて香料などの添加物を一切使用せず、静岡県産茶葉を燻製で風味付けしたもので、気軽に飲みやすいようにボトル詰め商品は、futoでも屈指の人気アイテムです。

「燻製の燃料には、国産ウィスキーを数十年にわたり熟成させてきた樽チップを使用しており、口に含んだ瞬間にふわっと濃厚な燻製のフレーバーが広がります。そのまま飲むだけでなく、ウィスキーと割るのもおすすめだそうです。

ボトルデザインは、まさしくシングルモルトウイスキーで、お部屋のインテリアにもなりそうな感じ。そうした見た目のインパクトや意外性も、お酒好きな人、飲まない人両方から愛される一因のようで、futo店頭でもお客様の目に止まりやすく、入荷してもすぐに在庫切れしてしまいます」(河井さん)

そのまま飲んでも、ウイスキー割りにしても…
そのまま飲んでも、ウイスキー割りにしても…

「カネロク松本園は、農業一筋、お茶一筋でやってきた農園。プロモーションに力を入れているわけではないのですが、燻製紅茶の品質は国境を越えて高く評価され、フランス老舗紅茶専門店で和紅茶として唯一採用されているほど。また、国内の人気フレンチ店などでも使われているそうで、それがきっかけで燻製紅茶をお買い求めにfutoを訪れるお客様も多くいらっしゃいます。

舌が肥えたグルメなお父様にももちろんおすすめですが、少しお酒を控えて長生きしてもらいたい…という気持ちをおしゃれに伝えるギフトにもできそうですよね」(河井さん)


以上、ギフトスタイリストの河井真奈さんがセレクトした父の日ギフトの好適アイテムを3つご紹介しました。いずれも河井さんが手掛けるギフト専門ショップ「futo」で扱っていて、オンラインショップからも購入が可能。
晩酌やコーヒーブレイク、ティータイムを充実させるアイテムは、自分の“好き”をとことん突き詰めたいこだわり派の男性にきっと喜ばれるはず。まだ何を贈るか迷い中の人はぜひチェックしてはいかがでしょうか?

※掲載商品の価格はすべて税込みで、記事公開時のものです。

問い合わせ先

Gift Concierge futo

TEL:03-3462-2036

関連記事

WRITING :
中田綾美
EDIT :
谷 花生