ホリスティックの概念をわかりやすく伝えるメゾンが誕生
表参道のケヤキを眺めながら大通りから一本小道へ入ると、その周辺にはコンセプチュアルなこだわりのショップが点在し、合間には住宅も建ち並ぶ静かで落ち着いたエリアが広がります。ヨガスタジオやビーガンショップなどもあり、誰が呼んだのか「ウェルネスストリート」ともいわれる小道をしばらく進むとLA MAISON SHIGETA(ラ メゾン シゲタ)が見えてきます。
「おはようございます! いらっしゃいませ!」。クシャッとキュートな満面の笑みでCHICO SHIGETAさんが元気よく出迎えてくれました。
開口部は広くガラス張りで採光たっぷりの明るい店内。1階のキッチン&ダイニングエリアでは、新鮮で安全な野菜とフルーツをしっかり摂れるビーガンメニューが選択肢豊かに並びます。CHICOさんはメゾンをオープンするにあたり、「食はすべての源であり、健全な食の提案は絶対に欠かせなかった」と言います。
「6-7年前あたりから、SHIGETAのプロダクトを販売するだけではなく、ホリスティックの神髄を体験してもらえる意義のある場所をつくりたいなという構想がありました。当初は漠然としていた大枠も、コロナ禍になった頃からコンセプトが明確になっていった気がします。SHIGETAの理念をしっかりと丁寧に伝えるには、やっぱり食は欠かせない。ダイニングやカフェは充実させたいと考えていました」
健康意識の高い働く女性はもちろんですが、最近目立つのは外国人の方々。ビーガンの食事を摂ろうとすると日本ではなかなか難しいようで、カフェやレストランを探しているうちにここを見つけたという人や、「先ほどテイクアウトしたビーガンの焼き菓子がおいしくて、慌てて引き返してきました」と追加で買っていく人も。
ホリスティックという言葉は聞いたことがあるけれど、その概念は「ふんわりした形でしかイメージできていない人が多いのでは?」(CHICOさん)。SHIGETA PARISが大事にしている「呼吸」「食」「植物の力」「セルフマッサージ」の体験を通して、ホリスティックビューティーを理解し学べる場を提供したい……。CHICOさんは、このメゾンを立ち上げたきっかけを、そう話してくれました。
現在、パリとタイと日本の3拠点で夫、双子の娘たちと暮らすCHICOさんですが、どの国でカウンセリングをしていても人々の「お悩み」は共通なのだそう。
「それは頭皮と鎖骨下の固さです。息を吸っているつもりでも、実際にはたっぷりと吸えていないんですよね。ストレスの蓄積を感じます。だから、呼吸法やスカルプをセルフケアする方法を教えるセッションには力を入れています」
ホリスティックの基礎を定期的に開催されるワークショップで学ぶ
特に人気なのがSHIGRTA PARISの神髄ともいえる「呼吸法」と朝食がセットになったセッション「FRESH MORNING KICKS ワークショップ(¥2,700)」。呼吸とセルフマッサージを学べる30分間のワークショップにヘルシーなモーニングセットが付き、1日の幕開けが心も体も爽快に。
朝食メニューは、その日の気分に合ったものを選ぶもよし、その場でQRコードを読み取ってオンラインカウンセリングを受け、現在のコンディションを整えるために必要なメニューを選ぶもよし。「サーキュレーションメニュー(血の巡りを整える)」、「ピュアメニュー(体の内側からクリーンに)」、「リラックスメニュー(神経を休ませ疲労を回復させる)」の3つのコールドプレスジュースから選び、「お粥」、「アボカドトースト」、「スープ」、「グラノーラヨーグルト」の1種類をチョイス。厳選されたプラントベースのメニューをいただくと、心身ともに軽くなった自分で1日をスタートできると実感します。
LA MAISON SHIGETAをひとことで表現するならば、「CHICOさんが培ってきたホリスティックスピリットをシェアする場」。ウェルビーイングの関心がどんどん高まっている昨今、正しい知識を学ぶ場が必要とされています。CHICOさんが提唱し続けてきた考え方と時代は、今、しっかりとアジャストしはじめたようです。
LA MAISON SHIGETA(ラ メゾン シゲタ)
東京都渋谷区神宮前5-16-13
TEL:03-6419-7640
営業時間 8:00~20:00(LO19:00)
- TEXT :
- 三井三奈子さん 美容エディター/美容ライター
- PHOTO :
- 黒石あみ(小学館)