雑誌『Precious』では「My Action for SDGs 続ける未来のために、私がしていること」と題して、持続可能なよりよい世界を目指す人たちの活動に注目し、連載しています。
今回は、「LE LUMIE」共同設立者、ヴァレリア・フェッラーラさんの活動をご紹介します。
イタリアの農業廃棄物を成分にしたナチュラルなスキンケアブランドを起業
’20年、コロナ下のロックダウン中に、ヴァレリアさんと友人のティナさんがふたりで立ち上げたスキンケアブランド「レ・ルミエ」。「イタリアの素晴らしい生物多様性をスキンケアに生かすこと」をミッションとし、100%ヴィーガン、シリコン・フタル酸フリー、クルエルティフリー(※)(動物実験をしていない)の製品を開発・販売している。さらにユニークな点は、ふたりとも弁護士であること!
「私たちは長年、製薬業界と化粧品業界で企業内弁護士として働いてきました。原料や成分のノウハウ、薬機法などの専門知識はもちろん、パートナーのティナの父親が天然由来の健康補助食品などを製造する会社を経営していることも、私たちの強みでした」
自らを「処方マニア」と称するヴァレリアさんが成分として注目したのは、農業廃棄物だった。「オリーブやブドウ、レモンなどの柑橘類、ウチワサボテンの実…。こうした農業廃棄物を活用してスキンケア製品をつくりたいと思いました。有効成分をむだなく最大限に発揮させるためには、最新の科学技術が必要になります。ティナの実家の会社の工場や研究所に加え、ボローニャ大学サイエンス研究チームのサポートも得て、開発をスタートさせました」
大学との連携は学会にも還元されていく。さらに植物や果物の廃棄物からつくられた包装箱、ワインボトルをリサイクルしたガラス容器と、パッケージもサステイナブル。結果、価格を抑えつつ、「ノーエイジ・ノージェンダー・ノーウエイスト」な製品が誕生した。新たに廃棄コーヒー豆とカカオ豆を成分とする製品も開発中だ。
「自然の恵みと科学技術の力で、社会問題は必ず解決できるはず」
【SDGsの現場から】
●No Waste(廃棄物なし)のパッケージ
●パートナーのティナさん(左)とブランドを運営
※クルエルティフリーとは…文字通りだと「Cruelty(残虐性)free(なし)」の意で、化粧品や日用品の開発・製造・製品の流通など全工程で動物実験をいっさい行っていないことを表す。
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- PHOTO :
- Francesco Dolfo
- WRITING :
- 剣持亜弥(HATSU)
- EDIT :
- 正木 爽(HATSU)、喜多容子(Precious)
- 取材 :
- Yuki Katagiri