雑誌『Precious』では「My Action for SDGs 続ける未来のために、私がしていること」と題して、持続可能なよりよい世界を目指す人たちの活動に注目し、連載しています。

今回は、「WRAY」代表、谷内侑希子さんの活動をご紹介します。

谷内侑希子さん
「WRAY」代表
(たにうち ゆきこ)外資系証券会社に勤務のあと、コンサルティング会社でスキンケアブランドのマーケティング、商品開発を担当。PR・マーケティング会社での経営企画室長を経て、'20年にセルフケアブランド「WRAY」を創業。

もっと気軽に心と体を労って。女性のためのセルフケアを提案

ここ数年、非常に注目の高まっているフェムテック(※)。「女性」と「テクノロジー」をかけ合わせた言葉で、女性特有の健康に関する課題をテクノロジーで解決しようとする製品やサービスのことだが、谷内さんが’20年に立ち上げた「WRAY(レイ)」は、そこから一歩進んで、女性がベストパフォーマンスを発揮できるようトータルなサポートを目指す「セルフケアブランド」である。

「仕事も家庭も、と頑張っている女性は、自分の体のことをいちばん後回しにしがちなんですよね。私自身、新卒で外資系金融会社に入社し、男性社会で激務に耐えるうちに、ひどい生理不順になったことがありました。婦人科で『ストレスかも』と言われたのですが、それが『あなたはメンタルが弱い』という意味に聞こえたほど追い詰められていた。自分を労ったり、ご褒美をあげたり、なんて、心身を顧みる余裕もなかったんです。その、セルフケアの前にあるさまざまなハードルを下げたいと思ったのが、起業のきっかけでした」

シルクウォーマー(パンツ型腹巻き)やシルク製5本指ソックス、オーガニックデリケートゾーンソープなどの商品を開発・販売。LINEを活用した月経トラッキングサービスも提供している。

「ユーザー同士が交流できるコミュニティづくりにも力を入れています。知人には相談しにくいことも気軽に言い合える場所があれば、『私もやってみようかな』と、一歩踏み出しやすくなるはず」

スタッフも女性のみで運営。

「わが社は、時間と場所を限定せず、どこでいつ働いてもいいことになっています。女性が、それぞれのライフステージで、振り回されることなく輝けるように、と」

【SDGsの現場から】

●商品開発ではユーザーの声を大切に

サステナブル_1,インタビュー_1
商品はライフスタイル、食品、化粧品、アパレルの4カテゴリー。使いやすさと質の高さにこだわる。

●ユーザー同士がつながれる場づくりも行う

インタビュー_2,サステナブル_2
ユーザーは働く女性が多い。ラインのコミュニティでは女性ならではのエピソードが飛び交う。

※フェムテックとは…月経、妊娠、更年期など女性特有の健康の課題をテクノロジーで解決する商品やサービス。近年、市場規模が急速に拡大している。

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PHOTO :
望月みちか
WRITING :
剣持亜弥(HATSU)
EDIT :
正木 爽(HATSU)、喜多容子(Precious)
取材 :
大庭典子