夏のバカンスは海に近いロケーションで…と考えている人は多いはず。せっかくならば、目の覚めるようなオーシャンビューと共に温泉で心身を癒すという贅沢な体験を叶えてみてはいかがでしょうか?

そこで、温泉ジャーナリストの植竹深雪さんに、海の絶景を堪能できる温泉宿をピックアップしてもらいました。今回ご紹介するのは、三重県志摩市にある「汀渚(ていしょ)ばさら邸」です。

植竹深雪さん
温泉ジャーナリスト
(うえたけ みゆき)全国各地の3000スポット以上を巡っている温泉愛好家。フリーアナウンサー、温泉ジャーナリストとして、テレビ番組をはじめ、さまざまなメディアで活躍中。著書に『からだがよろこぶ! ぬる湯温泉ナビ』(辰巳出版)がある。
公式サイト

客室の露天風呂から伊勢志摩の絶景を満喫

「汀渚 ばさら邸」の玄関。
「汀渚 ばさら邸」の玄関。

「汀渚 ばさら邸」は、伊勢志摩の英虞湾に面した高台に立つ日本旅館。約5000坪もの広大な敷地に対し、客室はわずか20室(本館15室、離れの別邸5室)。小学生以下は原則宿泊不可で、全室に露天風呂を備える贅沢な造りの湯宿は、優雅な寛ぎ時間を叶えてくれます。

客室「天月」。大きな窓の向こうに海が広がる。
客室「天月」。大きな窓の向こうに海が広がる。

「“ばさら”とは、“自由気まま”という意味があるそうで、その名のとおり、大人の女性が羽を伸ばすのにぴったり。私は本館に宿泊しましたが、一番小さい客室でも50平米の広さがあり天井も高いので、別荘感覚で存分に寛ぐことができました」(植竹さん)

客室「緑風」の露天風呂からの眺め。庭園越しに海が見える。
客室「緑風」の露天風呂からの眺め。庭園越しに海が見える。

「客室の露天風呂に浸かると、目線の先には英虞湾。時間帯ごとに空と海の色が変わりゆくさまは心洗われる美しさです。特に、“マジックアワー”とも呼ばれる日没前後は、橙と青のグラデーションが実に幻想的。泉質はナトリウム・カルシウム-塩化物冷鉱泉ですが、肌に優しいマイルドな浴感なので、ついつい長湯してずっと眺めていたくなります」(植竹さん)

客室「星見」のビューバス。客室ごとに風呂の造りが異なる。
客室「星見」のビューバス。客室ごとに風呂の造りが異なる。
館内でも随一の眺望を誇る客室「翔の冠」のテラス。
館内でも随一の眺望を誇る客室「翔の冠」のテラス。

貸切露天風呂やラウンジを巡り“ばさら”な休日を過ごす

貸切風呂「天の鏡」。
貸切風呂「天の鏡」。

ばさら邸は客室以外の施設も充実しており、おもてなし満足度が高いと植竹さん。

「全客室に備わる露天風呂に加えて、館内には3つの無料貸切風呂『天の鏡』『くゆりのびり』『月の宮』、そして有料の特別貸切風呂『湯舎 傘亭』があります。まず、『天の鏡』は占有面積が100平米もあり、そのスケールを独り占めできるのが何とも贅沢! 湯舟からもテラスのソファからも英虞湾を一望でき、リゾート気分を満喫できます」(植竹さん)

貸切風呂「くゆりのびり」。
貸切風呂「くゆりのびり」。

「『くゆりのびり』はマイクロバブルが全身を優しく包み込むシルキーバスで、風情ある庭園を眺めながらの湯浴みは癒し効果抜群です。そして、伊勢神宮をイメージしたという『月の宮』は、孤を描く白壁と白い玉砂利の中央に黒く丸い浴槽が浮かび上がり、神秘的なムードが漂います。『天の鏡』『くゆりのびり』『月の宮』は無料ながら、それぞれ異なるテーマがあり、湯巡り感覚をたっぷり味わうことができました」(植竹さん)

貸切風呂「月の宮」。
貸切風呂「月の宮」。

「宿泊者専用ラウンジは『時の家 aoi』と『SAZANAMI Lounge』の2か所。『時の家 aoi』は天井が高い北欧調のスタイリッシュな空間でソファ席もあり、まったり読書などするのにももってこい。『SAZANAMI Lounge』は海に面しており、コーヒー、紅茶、アルコール類のセルフサービスもあります。

客室の露天風呂で癒されるのもよし。貸切風呂まで足を運ぶのもよし。さらに、ラウンジで寛ぐのもよし。接客もつかず離れずで心地よく、まさしく“ばさら”な休日を過ごしたい人にイチ押しの宿です」(植竹さん)

ラウンジ「時の家 aoi」。
ラウンジ「時の家 aoi」。
海に面した『SAZANAMI Lounge』。
海に面した『SAZANAMI Lounge』。

伊勢海老をはじめ志摩グルメの数々に舌鼓!

新鮮な伊勢志摩の食材を贅沢に味わう。
新鮮な伊勢志摩の食材を贅沢に味わう。

1年を通して魚介類が豊富で、食材の宝庫と呼ばれる志摩エリア。ばさら邸ではその地の利を生かした美食膳を個室ダイニングで提供しています。

「伊勢志摩といえば、伊勢海老。私が訪問した際には、一匹まるごとワイルドに提供され、ご当地感に気分が上がりました。その他、地魚や貝類のおいしさもさることながら、いい意味で誤算だったのは、ご飯。海の近くなので、あまりお米のイメージはなかったのですが、契約農家が栽培した“ばさら米”は噛み締めるほど甘さがあり、自家製の漬物との相性も絶妙です。

また、食器やグラスもひとつひとつ料理や飲み物に合わせたものをセレクトしているようで、舌だけでなく目でも美食を堪能できました」(植竹さん)

※提供メニューは季節や仕入れ状況によって異なります。


以上、「汀渚 ばさら邸」をご紹介しました。静謐な環境の日本旅館にて、ただひたすら海を眺めながら温泉に浸かったり、海の幸に胃袋をつかまれたり…。そんな贅沢なひとときを過ごしたい人は次の旅先候補のひとつに加えてみてはいかがでしょうか?

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