今。美食家の注目を集めているのは、必ずしもアクセスが便利ではない「奥の地」。滋味溢れる素材に惹かれた料理人たちが紡ぎ出す料理は、心にもカラダにも深く染み入って、感動と幸福を呼びます。
「もうあのお店行った?」と交わされる美食家たちの囁きは、つい数年前まで東京や京都など都会の店が話題の中心でした。ところが今、その多くは北陸や軽井沢、そして南は九州まで、「奥の地」へと拡がっています。贅沢な食体験とはキャビアやフォアグラなどの高級食材だけではなく、その地でしか味わえない新鮮な旬の食材と、その地に根ざす料理人との出合いに尽きると、多くの人が気付き始めているのでしょう。
今回は、旅と美食の達人・料理研究家の真藤舞衣子さんが教える、とっておきの美食宿「出羽屋」、「徳山鮓」、「茶寮 杣径(そまみち)」をご紹介します。
「ローカルガストロノミーが学びと刺激を与えてくれます」
料理を仕事にしている私にとって、地方のガストロノミーは知の宝庫。知らない料理に出合えるのはもちろん、その地に伝わる伝統食や調味料を学ぶのも魅力です。ひとつ行きたいデスティネーションを見つけたら、その周囲で酒蔵や食材の生産者をリサーチ。とことん飲んで、食べる、ストイックな美食旅を楽しんでいます。
■1:「徳山鮓」
なかでも年に10回は出かけてヘビロテ中なのは「徳山鮓」。主の徳山浩明さんによる鮒ずしなど発酵料理をお目当てに、同じく滋賀県の酒蔵「七本槍」蔵元の冨田泰伸さんや、多くのフーディの友人たちと食卓を囲んできました。
問い合わせ先
- 徳山鮓
- 料金/1泊2食付きひとり¥38,500~ 最小2名~最大10名
- TEL:0749-86-4045 ※予約は電話のみ
- 住所/千滋賀県長浜市余呉町川並1408
■2:「茶寮 杣径(そまみち)」
最近出かけたなかでは、大好きな漆器作家の赤木明登さんの美意識が貫かれた空間である「茶寮 杣径(そまみち)」。夕陽を眺めながらのアペロ、最高だったなぁ。赤木さんの器を使ったお食事もよかったです。
問い合わせ先
- 茶寮 杣径(そまみち)
- 料金/1泊2食付きひとり¥44,000~
- 住所/石川県輪島市門前町内保コ30
■3:「出羽屋」
さらにわずか8席のシェフズテーブルで山菜を味わい尽くす「出羽屋」もおすすめ。最近では東京ではあまり外食せず、地方にばかり食べに出かけるようになりました。
問い合わせ先
- 出羽屋
- 料金/シェフズテーブル1泊2食付きひとり¥38,500
- TEL:0237-74-2323
- 住所/山形県西村山郡西川町大字間沢58
※掲載した価格は全て税込です。
関連記事
- 里帰り気分で房総の里山ステイ「季舟庵」|古民家をリノベーションしたプライベートヴィラで房総の奥深い魅力を堪能して
- 話題のニューオープン!東京だということを忘れてしまう「オーベルジュ ときと」|立川を美食のデスティネーションに
- 酒蔵の一角に佇む、客室付きレストラン「VENTINOVE(ヴェンティノーヴェ)」|これ以上ない贅沢な時間を
- PHOTO :
- 長谷川 潤
- EDIT&WRITING :
- 秋山 都、安村 徹(Precious)