ファッションピープルのあいだに激震が走った2023年7月16日。瞬く間に彼らのSNSは、時代・世代を超えたスタイルアイコンの死を悼む投稿で埋め尽くされました。彼女がまとったデニムや愛用バッグの着こなしは、いくら年月が経とうとも色褪せることなく、存在自体がまさにタイムレス。屈託なく笑い、自然体で装うスタイルはおしゃれにマストな「抜け感」の最終形といってよいかもしれません。
イギリス・ロンドン出身、76歳でこの世を去ったジェーンのアイコニックなコーディネートを振り返っていきましょう。
■1:白シャツ×チノパン×コンバースは…オーバーサイズを思いっきり着崩して
2009年9月8日、第66回べネツィア映画祭にて。白シャツ、チノパンツ、コンバースのスニーカーという、愛用のアイテムをスタイリング。シャツ&パンツは中で身体が泳ぐような、ジェンダーレスなサイズ感です。胸元を大胆に開け、袖は肘上までまくり、パンツの裾をロールアップ。ベルトでウエストをキュッと絞って着こなすことで、無防備だけれど、そこはかとなく女らしさも際立つ独自の着こなしに。手に持っているのは、彼女がその名の由来となった(というよりも、そもそも荷物の多い彼女のためにつくられた)バッグ「バーキン」。いつも中身が飛び出している印象ですが、この日はニットが開口部からのぞいていますね!
■2:デニムのエアポートルックは…リラックスな雰囲気のニットレイヤードスタイル
2011年4月5日、津波と地震災害の犠牲者のためのチャリティコンサート「Together for Japan」を開催するため来日、成田国際空港に到着。ウエスト丈のニットの下に長袖トップスを重ねて。ニットのまくった袖口から、ライトカラーのインナーがのぞいて、こなれ感が漂うとともに、空港や機内での気温差にも対応。最愛アイテムであるデニムは、この日はやや色落ちしたストレートを選んでいます。黒のバーキン、グレーのスニーカーで辛口配色なシックスタイルを完成。
■3:メタリックドレスは…リボンとかごバッグでガーリーなバランスに
1974年5月15日、カンヌ映画祭にフューチャリスティックなメタリックドレスで登場。縦方向にあしらわれたラインが1920年代のアールデコファッションを思わせるデザインです。右手にはバーキン以前に愛用していたかごバッグ。ラフなバスケットをカジュアルだけでなく、ドレスアップにも合わせてしまうのがジェーンらしい! 縦長シルエットのこちらはファーコートに合わせるなどシーズンレスに登場する、彼女のアイコンアイテムのひとつです。
7月16日に76歳の生涯を閉じたジェーン・バーキンのスタイルをご覧いただきました。写真家のケイト、女優のシャルロットとルー、という3人の娘たちの母でもあった彼女。東日本大震災の際は、放射能汚染を恐れる人が多いなか発生直後に来日し、支援活動を行った親日家でもあります。自由奔放ながら愛情深い生き方も、そのスタイルと共にこれからも人々を魅了し続けていくことでしょう。
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- TEXT :
- Precious.jp編集部
- PHOTO :
- Getty Images
- WRITING :
- 神田朝子