連日猛暑日が観測されているこの夏。食欲の低下や寝苦しさの影響もあり、さまざまな不調を感じている人も多いのではないでしょうか。
そんな夏の疲れを癒すのに最適なのは温泉旅。温泉ジャーナリストの植竹深雪さんによれば、温泉のなかでも特に40度未満のぬる湯は副交感神経を優位にする作用があるといわれており、心身をリフレッシュしたい人におすすめできるとのことです。
そこで、植竹さんから極楽ぬる湯温泉宿をピックアップしてもらいました。今回ご紹介するのは、山形県最上郡・肘折温泉にある「湯宿 元河原湯」です。
公式サイト
木の温もり溢れる空間と自家源泉ぬる湯に感激
山形県内陸部の盆地にて、20軒ほどの湯宿がひしめく肘折温泉街。肘を折った老僧が当地の湯で癒したことが由来とされ、開湯から1200年以上。令和の今も、じっくり自分の体を労わることを目的として、全国から多くの湯治客が訪れています。素朴さとレトロ感の漂う歴史ある温泉街にて、大人の女性客に特におすすめしたいのが、「湯宿 元河原湯」だと植竹さん。
「元河原湯の創業は1974年。建物の外観は昭和テイストを感じさせますが、内部はリノベーションされており快適そのもの。和モダンな雰囲気が素敵です。そして、何と言っても、この宿で素晴らしいのは、自家源泉のぬる湯の癒し作用。日常の煩わしさから解放されて、ひたすら温泉と美食でパワーチャージしたい人にとても適した環境だと思います」(植竹さん)
「温泉は建物の4階と1階に2か所。このうち自家源泉のぬる湯が堪能できるのは1階の貸切風呂のほうです。湯の温度はその日の天候にも左右されますが、私が訪れた際は40度くらい。館主さんこだわりの信楽焼の浴槽に身を沈めると、地中から湧いたばかりの鮮度抜群の湯が肌にしみわたります。
体がほどけるような感覚が得られ、まさしく極楽! “いい湯だな~”と陶酔しているうちに、貸切風呂の使用時間の30分があっという間。あまりの心地よさに『もうずっとここから出たくない!』という気分に誘われてしまうほどでした」(植竹さん)
「4階にある大浴場は、貸切風呂より湯温がやや高め。肘折温泉の共同湯と、宿の自家源泉をブレンドした湯で、熱すぎずぬるすぎずの42度ほどです。私のイチ押しは1階の貸切風呂ですが、丁寧に調整された4階の温泉も十二分に満足のいくもので、浴感が柔らかくて少しツルツルすべすべ感のある湯に癒されました」(植竹さん)
朝食にはつきたての餅も!至れり尽くせりの郷土料理に癒される
元河原湯の食事のテーマは“ほっとする味わい。四季折々の食材を生かした郷土会席を囲炉裏を囲んだテーブルでいただきます。
「私の場合、一人泊だったので囲炉裏ではなく窓側の席だったのですが、ここの料理は囲炉裏とマッチする味わい。かぼちゃの擦り流しや芋煮など、どれもしみじみとおいしく、また、さりげなく添えられた奥深い味わいの味噌や十割そばなど、宿のこだわりが隅々にまで行き届いていたのが印象的です。地酒との相性も抜群で、ついつい箸が進みます」(植竹さん)
「一夜明けて朝食も品数が多く、山形のブランド米・つや姫に合う手作りのおかずがズラリ。しかも、鮭がよくある焼き魚ではなく煮浸しだったり、サラダのほかに蒸し野菜があったり、定番メニューにひとひとねり加えた感のあるごちそうに朝から気分が上がります。
さらに、朝食では、つきたての餅まで登場。餅はあんこ、きなこ、納豆から選べて私は納豆をチョイスしました。これまた別腹で食べられちゃう逸品でしたし、何よりご当地感があって、湯旅の思い出がしみじみと心に残るサービスのように思います」(植竹さん)
以上、肘折温泉「湯宿 元河原湯」をお届けしました。自家源泉の極上ぬる湯やほっこりとした郷土料理にもてなされる癒しの旅を叶えたい人は、次の旅先候補のひとつに加えてみてはいかがでしょうか?
問い合わせ先
- 湯宿 元河原湯
- 住所/山形県最上郡大蔵村南山454-1
客室数/全12室
料金/¥24,200~(税込) - TEL:0233-76-2259
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- WRITING :
- 中田綾美
- EDIT :
- 谷 花生