連日猛暑日が観測されているこの夏。食欲の低下や寝苦しさの影響もあり、さまざまな不調を感じている人も多いのではないでしょうか。

そんな夏の疲れを癒すのに最適なのは温泉旅。温泉ジャーナリストの植竹深雪さんによれば、温泉のなかでも特に40度未満のぬる湯は副交感神経を優位にする作用があるといわれており、心身をリフレッシュしたい人におすすめできるとのことです。

そこで、植竹さんから極楽ぬる湯温泉宿をピックアップしてもらいました。今回ご紹介するのは、新潟県阿賀野市にある「ふるさとがしのばれる宿 角屋旅館」です。

植竹深雪さん
温泉ジャーナリスト
(うえたけ みゆき)全国各地の3000スポット以上を巡っている温泉愛好家。フリーアナウンサー、温泉ジャーナリストとして、テレビ番組をはじめ、さまざまなメディアで活躍中。著書に『からだがよろこぶ! ぬる湯温泉ナビ』(辰巳出版)がある。
公式サイト

4つの貸切風呂でラジウム泉を満喫

新潟県阿賀野市・五頭山のふもとにある五頭温泉郷のひとつ村杉温泉。全国有数のラジウム温泉で知られる当地にて、予約困難な人気宿が「ふるさとがしのばれる宿 角屋旅館」です。「日本の人を“まるごと”健康にする」とのポリシーを掲げるこちらの宿では、極上のラジウム温泉を存分に堪能することができるうえ、ヘルシーな美食で体の内外から元気になれると植竹さん。

里の湯
ラジウム泉の恩恵を十二分に享受できる「里の湯」。

「ラジウム温泉とは、文字どおり放射能を含む温泉ですが、イメージと違って怖いものではありません。むしろ、微量の放射能の“ホルミシス効果”(大量では有害なものが、少量では有益な効果をもたらすこと)という作用によって、新陳代謝や免疫力アップ、疲労回復効果が期待できるという大変ありがたい湯なんです。

角屋旅館には、そのラジウム温泉の貸切風呂が4つ(内湯2つ、露天風呂2つ)。予約制ではなく、内から鍵をかけると廊下に使用中のランプがつくという仕組みで、先客がいなければ24時間いつでも好きなときに利用可能です」(植竹さん)

村杉石の湯
浴槽の石からもパワーがもらえそうな「村杉石の湯」。

「4つの貸切風呂のなかで、私が最も気に入ったのは『里の湯』。ラジウム温泉をより効率的に吸収できるように設計された内湯で、天井が低く、窓を閉め切った浴室内は、ラジウムのミストがムンムンに立ち込めています。ラジウム泉は浸かるだけでなく、気体を鼻と口から吸入するのも効果的。ラジウム泉ミストを浴びまくり、その恩恵を余さず享受することができました」(植竹さん)

庵の湯
貸切風呂のなかで最も大きい「庵の湯」。

「『村杉石の湯』は、地元で採掘された石で作られた露天風呂。浴槽の縁に頭をもたせかけてまったり寛ぐと、思わず『気持ちいい~!』と声を漏らしてしまうほどの多幸感に満たされます。

その他、竹林を眺めながら湯浴みができる『竹ばやしの湯』、ゆったりサイズの『庵の湯』もそれぞれ風情があり、滞在中は湯巡り気分も満喫することができました」(植竹さん)

囲炉裏付きの客室でまったり寛ぐ。
囲炉裏付きの客室でまったり寛ぐ。
和室にベッドを設置したお部屋も人気。
和室にベッドを設置したお部屋も人気。

季節限定のコース料理に感動!

料理の一例。
料理の一例。

角屋旅館は、地元の食材を駆使した郷土料理も自慢。新潟ガストロミーアワード温泉文化賞の受賞歴を誇る美食宿でもあります。

「お食事はいろいろなプランがあって予約時に選びます。私が訪れたのはたけのこシーズンだったので、4月下旬~5月の期間限定の“たけのこコース”をチョイス。先付けからシメのたけのこご飯に至るまで、たけのこ尽くしで、当日の朝にとれたばかりの自家栽培たけのこは、香りも甘みも強くてどの料理も感動の連続。全体的に薄味ですが、素材がいいからか物足りなさは全く感じられません」(植竹さん)

豊富な海の幸(左)と自家栽培の野菜(右)。
豊富な海の幸(左)と自家栽培の野菜(右)。

「他の季節なら蟹や南蛮海老、のどぐろなど日本海ならではの食材を生かしたコースもあるようです。“たけのこコース”が満足度大だったので、きっと四季折々いつ訪れても角屋旅館ならでは食体験が叶えられると思います」(植竹さん)

茶の間ラウンジで提供されるかき氷。
茶の間ラウンジで提供されるかき氷。

「それから、お食事以外にもオリジナル果実酒、コーヒーゼリー、かき氷、あんみつをオーダーできるサービスも。私はたけこのをがっつりいただきたかったので甘味は我慢したのですが、正直食べておけばよかったな…と悔やまれます。角屋旅館はリピーター客が多いことでも有名で、実際に訪問してみて心底納得。温泉も食事も本当にすばらしくて、行けることなら何度でも泊まりたい!…と心に残る名宿です」(植竹さん)


以上、「ふるさとがしのばれる宿 角屋旅館」をご紹介しました。4つの貸切温泉でラジウム温泉を満喫するとともに、新潟の旬の食材を生かしたコース料理で体の内外から元気になりたい人は、次の旅先候補のひとつに加えてみてはいかがでしょうか。

問い合わせ先

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WRITING :
中田綾美
EDIT :
谷 花生