ネットスラングのひとつである「ワクテカ」は、「ワクワクテカテカ」を略した言葉です…と説明しても、実際に使ったことのない人にとっては、ニュアンスが掴（つか）みにくいかもしれません。そもそも「テカテカ」ってなんなの？となりますよね。今回はそんな「ワクテカ」について、ネタ元や使い方など、さくっと解説します。
【目次】
【「ワクテカ」を理解するための「基礎知識」】
■意味
「ワクテカ」は、ネットスラングのひとつで、「ワクワクテカテカ」を略した言葉です。『現代用語の基礎知識』には2019年度版より掲載され、「胸がワクワク、肌や外見がテカテカきらめく状態」と説明されています。要するに、「ワクワクしすぎてテカってる」、「期待してドキドキしてる」状態を指す言葉です。
■「元ネタ」は何？「由来」は？
「ワクテカ」の由来は、インターネット掲示板の「2ちゃんねる（現・5ちゃんねる）」だといわれています。当初は、期待で胸を膨らませた猫が、テカテカしながら正座している姿を、アスキーアートで描いていました。アスキーアートとは、コンピュータで入力した文字で作る絵のこと。その後、拡散に従いアレンジされ、「ワクワクテカテカ」という言葉のみに簡略化されたようです。そして現在では、さらに省略された「ワクテカ」が使われています。
モーニング娘。の『ワクテカ take a chance』という曲のタイトルや歌詞にも含まれていますが、この曲の発売は2012年。この頃にはネットだけでなく、一般層にも認知を広げていたといえるでしょう。
■「書き方」 は？「ワクテカ」でいい？
誕生当初はアスキーアートで表現されていた「ワクテカ」は、「wktk」とも書きます。これは「wakuteka」を略した表記です。大人世代や界隈ではまったく見かけませんが、SNSのＸ（旧Twitter）では、youtubeのアニメ、ゲームファンの間では「wktkしてる…♡」といった気持ちがポストされていたり、ユーザー名に使われていたりと、現役な印象です。
【「使い方」がわかる「例文」４選】
ネットでは、アニメやゲーム、映画やグッズ、フィギュアなど、「推し」に関する最新情報への期待や、「待ち遠しい！」気持ちの表れとして使っている人が多いようです。また、人やモノに対する期待だけでなく、旅行や外出など、日常生活での出来事に対する期待感としても「ワクテカ」は使われます。
■１：「トレンドに私の推しアニメの○○が入ってる。また何か仕掛けてくれるのかとワクテカ！」
■２：「ここは慌てず騒がず、静かにワクテカしているのが、大人のたしなみというものであろう」
■３：「とってもうれしいことが起きて、ワクテカが止まらない……♡」
■４：（スイーツをじっと見つめるペットに向かって）「そんなワクテカした顔しても、これは人間のだからあげられないよ、ゴメンね」
【もしかして、すでに「死語」？】
2023年8月現在、「X（旧Twitter）」で「ワクテカ」を検索すると、新しいポストが意外にもたくさん見つかります。大人世代の印象としては「死語？」と言えなくもないのですが、まったく使われていないという状況ではないようです。とはいえ、以前と比べると使われる機会は激減しており、「ネット死語」に挙げる人も少なくないため、「大人の語彙力」としては、「一応知識としてはもっておく言葉」「でも私は使わないけどね」という姿勢でよいのではないでしょうか。
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ネットスラングの栄枯盛衰のスピードはすさまじく、似たような言葉が生まれては消え…を繰り返しています。実生活ではともかく、ネット上では知っている言葉が増えれば増えた分だけ、ネットならではのやりとりやノリを楽しむことができるようになるものです。とはいえ、「オジサン構文」という言葉が話題になったように、カタカナや絵文字・顔文字の使い方など、ほんの少しのニュアンスの違いを、若い世代は嗅ぎ分け可能。「中高年っぽい文章」などと揶揄されないためにも、慣れないネットスラングには手を出さないほうが賢明かもしれません。
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- Precious.jp編集部
- 参考資料：『現代用語の基礎知識』（自由国民社） ：
