数ある職業のなかでも、スケジュールが複雑で件数も多いエディターは、一体どんな手帳を使っているの? ライブラリートーキョーの周囲で働いている小学館の編集者たちに、愛用の手帳について伺ってきました。第2回は、30代の働く女性からの支持を集めるファッション雑誌『Domani』の編集長、福田葉子さんの手帳です。
使っているのはNOLTYのリスティ1です。これは2011年からずっと・・・いえ、2013年に一度だけほかのものに浮気しています(笑)。でも、私にはサイズが少し大きかったので結局NOLTYに戻り、それからはずっとこれです。NOLTYにはさまざまな種類がありますが、いちばんしっくりきたのがこのリスティ1でした。
方眼ノートがついていること、1週間見開きで土日の欄が大きいこと、そして、30分きざみのバーチカルで時間軸が夜遅くまであること。手帳によっては18時以降がなかったりするものもありますが、会食など夜の予定も多いため、遅い時間の欄も必要なんです。
AneCanの編集長代理になった2010年、当時の編集長から「これからは30分刻みのスケジュールじゃないとやっていけないぞ!」と言われ、その際に勧められたのがNOLTYでした。マンスリーカレンダーや方眼ノートなど、基本的な要素は備えつつも、余計なコンテンツはない。シンプルで使いやすいところがいいですね。
やはり、「方眼ノートつき」、「1週間見開き」、そして「30分きざみのバーチカル」であることですね。前述の編集長代理になって以来、忙しくて本当にスケジュール管理が大変だったんです。スケジュールは、私だけではなく、誰かのための時間でもある。そこで、“スケジュールを管理する”という機能に特化したものを求めていった結果、これに落ち着きました。
大学進学で上京してからは、長らくシステム手帳を愛用していました。大学卒業後、就職したばかりのころには、「ちゃんとしたものを使わなきゃ」と思い、ルイ・ヴィトンのシステム手帳を購入。その後は、ロエベやトッズなど、皮革製品に定評のあるブランドのシステム手帳を多く使ってきました。
ちなみに、使った手帳は大学時代のものから全て保管しています。というのも、「○○に会った」や、「○○へ出かけた」、「○○を食べた」など、日記のように後から書き込んで使うこともあるからなんです。
今年の夏は休みを長くもらったので、大学時代から保管している手帳を初めて読み返してみました。読み返すうちにさまざまなことを走馬灯のように思い出し、「ああ、あのとき書いておいてよかった」、「あの人は今どうしているかな?」と多くの気づきがあり、とても面白かったんです。そこで、記録するというのは本当に大事なことだなと感じましたね。大きな出来事は覚えているものですが、ちょっとしたことは忘れてしまいがち。ですが、その都度書いておくと後から楽しむこともできるのではないでしょうか。
私にとって手帳とは、予定表でもあり、日記でもある。そのときどきの出来事を書き込んでいくことで、自分の記録にもなっているのだと思います。
2017年のものもすでに購入済みですし、NOLTYを使っていくと思います。むしろ、ほかの手帳は考えられない。この手帳に関しては不満もなく、他の手帳に変えたいという気持ちが特にないんです。
ただ、スマートフォンのスケジュールと連携するようにできないかな…とは考えています。忙しさのあまり手帳に書き忘れることもあるので、もしかすると、今後はデジタルに移行していく可能性もあります。とは言え、個人的にはスマートフォンだけではやっていけないと思うので、手帳と併用するようになっていくでしょうね。
- TEXT :
- 福田葉子 Domani編集長
- クレジット :
- 取材・構成/難波寛彦