ホテル賢者に聞きました!「今、行くべきホテル」のキーワードとは?

あぁ、旅に出たい。やっと自由にどこへでも行ける、という解放感と共にこの秋、旅への熱は、ますます高まっているのではないでしょうか。

日本の風土を味わう一棟貸しや、地域密着型リゾート、心躍る体験型施設や日本初上陸のラグジュアリーホテルまで。今、世界が注目する「デスティネーション=目的地」は日本のホテル、といっても過言ではありません。豊かな自然や絶景を堪能しに、そこでしか味わえない食を求めて、アートや建築を愛でに、ひとり静かな時間を過ごしに…。

今回は、ホテルジャーナリストのせきねきょうこさんがプレシャス世代におすすめする「今、行くべきホテル」をご紹介します。

せきねきょうこさん
ホテルジャーナリスト
仏国アンジェ・カトリック大学留学後、スイスの山岳リゾート地で観光案内所に勤務中、ホテル暮らしを経験。仏語通訳を経て'94年、ジャーナリズムへ。近年はホテルのプロデュースやコンサルタントも。

「食べて、くつろいで、整える。今、必要なのは、自分を見つめるための真の “リトリート” です」─せきねきょうこさん(ホテルジャーナリスト)

今、いちばん “アツイ” ステイ先は、実は日本。ようやく自由な移動が可能になり、世界中の旅慣れた人が真っ先に向かったのは、そう、日本です。円安ということもありますが、安心で安全、清潔。なにより、繊細な食文化と豊かな自然、脈々と受け継がれてきた美しい文化や歴史…。私たちが当たり前だと思っているすべてを、海外の旅人は尊敬と羨望をもって、体験しに来ているのです。

あらゆるものが揃った、洗練と刺激を感じる東京ステイも素敵ですが、私が今、プレシャス世代におすすめしたいのは地方のホテルです。


◇「ENOWA YUFUIN(エノワ ユフイン)」

今年春、大分県由布院にオープンした「ENOWA YUFUIN(エノワ ユフイン)」は、日本にもやっと、真のリトリートができた、と実感した場所。“FARM TO TABLE” のその先 “FARM-DRIVEN” を実践すべく、食のすべてをファーム(畑)におき、自分たちでつくった最良のファームで最高の食材を育て、朝に収穫した極上の食材で、おいしさだけでない食の喜びを提供したい。その想いのとおり、実際にいただいた料理は、野菜の食感や香りをしっかりと感じる、まさに“体も心も喜んでいる!”と叫びたくなるほど、力強くて優しい味でした。

ENOWA YUFUINの食事
 
ENOWA YUFUINの客室
●おすすめの過ごし方…食べて、休んで、体の中からリフレッシュするのがいちばん。運がよければ雲海が見られるサウナで整うのもあり。
ENOWA YUFUIN
 

また、山に囲まれたヴィラは窓が大きく、自然との一体感が感じられ、客室のインフィニティプールでは源泉掛け流しの温泉を堪能。

仕事でもプライベートでも、気付けば何かに追われ、くたくたになった自分を癒やそう。いや、まずはそんな自分を認めて労わろう。といった優しい気持ちになりました。

「健康とは何か。人生とは何か」。立ち止まって自分自身を見つめ直す、静かで豊かな時間を、ステイ中に実体験したのです。おいしいものを食べて、心底くつろいで、整える。今、プレシャス世代に必要なのは、そんな本当の意味でのリトリート・ステイではないでしょうか。

住所/大分県由布市湯布院町川上 丸尾544
TEL:0120-770-655(受付時間 9:00〜17:45)
¥72,600〜(1泊2食付き、2名1室利用時) 
公式サイト:https://enowa-yufuin.jp


◇「SHIGUCHI-シグチ」

そういう意味では、ありのままの自然を有する地方のホテルはやはり魅力的です。北海道の羊蹄山の麓、原生林に覆われた地区に昨年オープンした「SHIGUCHI」も、北の大自然を味わえるホテル。「坐忘林」の英国人共同オーナーが手掛けただけあって、和洋折衷のアートコレクションと自然が見事につながった空間でギャラリーステイが楽しめます。

ホテル「SHIGUCHI-シグチ」
 
ホテル「SHIGUCHI-シグチ」
●おすすめの過ごし方…ゆったりとした自然のなかで、あえて孤独になって自然やアートとつながり、五感を磨く。ジビエ料理や、羊蹄山の絶景を堪能できるサウナもぜひ。
ホテル「SHIGUCHI-シグチ」
オーナー厳選のアートが随所に!

住所/北海道虻田郡倶知安町花園78-5
TEL:0136-55-5235
¥76,000〜(1泊2食付き、2名1室利用時1名料金、税・サ込み、宿泊税・入湯税別)
公式サイト:https://shiguchi.com


◇「アマン東京」

また、開業以来、一貫して自然との一体感を追求してきたアマンのなかでも、「アマン東京」は、ビルの麓に自然の森を有し、大都会・東京でその哲学を貫いています。

アマン東京
 
アマン東京の「ザ・カフェ by アマン」
●おすすめの過ごし方…開業の3年前から千葉県君津で育てた木々を、土ごと東京に移植し植樹した「大手町の森」。ザ・カフェ by アマンの大きな窓から、広大な自然の森を眺めつつ、ティータイムを。

住所/東京都千代田区大手町1-5-6 大手町タワー
TEL:03-5224-3333
トウキョウスイート¥316,650〜(1室料金2名利用 税・サ込み)
公式サイト:https://www.aman.com/ja-jp/hotels/aman-tokyo


地方にせよ、東京にせよ、わざわざ行きたい、旅の目的となるホテルは、「リトリート」を基準に、できれば3泊以上をおすすめします。

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EDIT&WRITING :
田中美保、古里典子(Precious)