『スーサイド・スクワッド』というハリウッド映画のタイトルにもなった「スクワッド」という言葉をご存じですか? 筋トレの「スクワット」のことではありませんよ! 「同じ仕事などに従事する少人数のチーム」や「仲間」を指す言葉ですが、ゲーム用語としては違う意味もあるようで…。今回は理解が曖昧な人も多い「スクワッド」について、その由来や意味、「カルテット」との違いなどを解説します。
【目次】
【「スクワッド」とは?「意味」など「基礎知識」】
■「和訳」「意味」は?
「スクワッド」とは 「同じ仕事などに従事する少人数のチーム」や「仲間」という意味をもつ言葉です。
■「英語」のスペルは?
由来となる英単語は[squad]。例えば、応援団なら[a cheerleading squad]、救助隊は[a rescue squad]、オリンピック選手団なら[the Olympic squad]です。
■「語源」は?
スクワッドは、もともとは軍隊用語で、「分隊」を指す言葉でした。ここから、警察の分隊や特捜班など、何らかの任務を帯びたチームや集団について使われるようになったようです。「部隊のように固く結ばれた関係」という意味から、仲のよい「いつものメンバー(いつメン)」を「スクワッド」と呼ぶようになったのですね。
【「人数」は?「カルテット」との違い】
通常[squad=分隊]は、軍曹1人に伍長(ごちょう)1人と10人の兵から構成される「軍隊の最小の戦術単位」です。スポーツの分野でも同様で、10人前後で構成されたチームを「スクワッド」といいます。
ただし、ゲーム用語としての「スクワッド」は、「4人のプレイヤーがチームを組んで戦う遊び方」を示しており、「スクワッド」モードがあるゲームにおいて使われています。近年流行のバトルロイヤル(バトロワ)系のゲームでは、ひとりで戦う「ソロ(シングル)」、ふたりで戦う「デュエット」、そして「スクワッド」が主流です。なかには3人で「スクワッド」モードにトライするチームもあるようです。
4人でひとつのチームを構成するものといえば「カルテット」が連想されますね。こちらはイタリア語の[quartetto]、英語の [quartet]が由来の音楽用語です。もともとは4種類の楽器で演奏する四重奏や四重唱、もしくはその演奏団体を指す言葉でしたが、現在は音楽に限らず、4人組全般を意味する言葉として使われています。バンドやコーラスグループ、お笑い芸人など、ジャンルを問わず4人で構成されたチームであれば「カルテット」です。ちなみに3人なら「トリオ」、5人なら「クインテット」。「カルテット」は厳密に4人のチームを指す言葉です。
【「スクワッド」の「類語」「言い換え」表現】
「スクワッド」はゲームをする人には馴染みのある言葉ですが、ビジネスシーンなど一般的には浸透しているとは言い難い言葉です。わかりやすい言い換え表現を覚えておきましょう。
■チーム
■グループ
■○○党
■班
■いつメン
「いつメン」は「いつものメンバー」の略語です。「いつメン」には楽しそうな響きがあるため「仲良し」「気が合う仲間」というイメージがありますが、本来はチーム、グループ、といった意味合いに近い言葉です。
***
「スクワッド」は軍隊由来の言葉で、今ではゲーム用語として使われています。ちなみに「しゃがむ」を意味する[squat(スクワット)]は英語由来のカタカナ語。ご存じ、ダイエットや運動のためのエクササイズの一種です。この記事を読んだ方なら、もう間違えることはありませんね!
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- 参考資料:『日本国語大辞典』(小学館) /『デジタル大辞泉』(小学館) /『現代用語の基礎知識』(自由国民社) /『ランダムハウス英和大辞典』(小学館) :