『Precious』本誌をはじめ、テレビや広告など幅広く活躍する人気スタイリストの犬走比佐乃さんに、大人の女性に必要なファッションについて教えていただく連載。
今回のテーマは、大人の女性たちから熱い支持と憧憬を集めている「ザ・ロウ」の名品パンツ『ガラ』。犬走さんが愛用している2本のパンツとそのコーディネートと共に、おしゃれのプロの心さえ惹きつけて離さない、「名品の理由」に迫ります!
本当によくできている! 感動のあまり素材違いで2本目も購入
現在盛り上がっている「クワイエットラグジュアリー」というトレンドの火付け役ともいえる「ザ・ロウ」。犬走さんも日本上陸当初からずっと気になっていたそう。
「当初はTシャツに惹かれたのですが、次第にこの『ガラ』パンツが気になりだして。ラグジュアリーブランドのアイテムの値段がどんどん上がっていくなか、買うなら今でしょ! と2023年の秋にウール素材のものを購入しました」(犬走さん)
実際にはいてみて、そのシルエットの美しさ、そしてまさに「クワイエットラグジュアリー」を体現する素材の上質さに感動したという犬走さん。程なく2本目となるとろみ素材のものも購入し、ともに手放せないフェイバリットアイテムに!
「本当にシンプルで、見ただけではどうしてそこまで違いがあるのかわからないかもしれませんね。でもね、これ、本当によくできているんです! 大人の女性でパンツが好きな方なら、私は心からおすすめします」(犬走さん)
実際に1年ちょっと愛用してみた今、犬走さんがそこまで評価する理由はどこにあるのでしょうか?
「真骨頂は、完璧な“落ち感”だと私は感じていて。それは厳選された生地、そして斜め45度方向に断裁するバイアス取りをしているためだと思うのですが、他ブランドの同様の生地のパンツと比べても、落ち感が滑らかなんですよね。もちろん履き心地も極上ですし、心から買ってよかったと思う2本です」(犬走さん)
■1:「落ち感」の妙が際立つとろみ素材は、まさにエフォートレス
薄手のとろみ素材の『ガラ』パンツは、犬走さんにとってオールシーズンアイテム。
「冬はパンツタイプのペチコートを仕込んでいますが、本当に季節問わず活躍してくれます。リラクシーなカジュアルはもちろん、ジャケットを合わせたら一気にきちんと感が加速するので、まさにエフォートレスなパンツです」(犬走さん)
まさにハンサムウーマンを体現するジャケットスタイルですが、着こなしのポイントはパンツの丈にあるそう。
「パンツの丈は、もう裾が地面につくくらいギリギリまで長く。その微妙な何ミリかで、人の目に映る脚の長さがずいぶん変わってくるんです。ここが私の最大のこだわりかもしれませんね」(犬走さん)
■2:ライトなウール素材は、マニッシュにもフェミニンにも
ライトなテクスチャーのウールの『ガラ』パンツも、オールシーズンでこそないけれど、秋から春まで長くはくことができるため、オン・オフ問わずに活躍する犬走さんのステディアイテム。
「『ガラ』パンツは本当にムダを削ぎ落とした、引き算の美学が際立つアイテム。それを教えてくれたのが最初に購入したこちらのパンツでした。ポケットもなく、ステッチも表に出ておらず、ウエストも細いゴムが入っているだけ…という極めてシンプルなデザインだからこそ実現する洗練の落ち感。フェミニンにもマニッシュにも、イメージを自由自在にコーディネートできるし、一生ものになる予感です」(犬走さん)
決して気軽に衝動買いできる価格ではないけれど、長く愛用できると考えたら、決して高価ではないと犬走さんは言い切ります。
「これはあくまでも私感ですが、同じ時期でもブティックによって置いてあるものが違うような気がするんです。大量生産しているブランドではないので、素材、色などもしも自分の好みの『ガラ』パンツに出合ったら、躊躇せず購入したほうがいいと私は思います。だってこれから値段は上がることはあっても下がることはないはずだから(笑)」(犬走さん)
今回はこれ1本だけで着こなしの洗練度をグンと上げてくれるパンツの名品、「ザ・ロウ」の『ガラ』パンツをご紹介しました。購入を検討している方以外でも、シルエットや落ち感、丈など、パンツのセレクトの参考にして、コーディネートのブラッシュアップをしませんか?
※私物に関するブランドへのお問い合わせはご遠慮ください。
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- PHOTO :
- 田中麻衣(小学館)
- WRITING :
- 岡村佳代
- EDIT :
- 谷 花生(Precious.jp)