My Action for SDGs ~続ける未来のために、私がしていること~

雑誌『Precious』の連載【My Action for SDGs 続ける未来のために、私がしていること】では、持続可能なよりよい世界を目指す人たちの活動に注目し、紹介しています。

今回は、「クロスリンク」代表取締役社長の矢野敦子さんの活動にフォーカス。「元気な人が人を元気にする」をヴィジョンに、持続可能で豊かな社会を目指し、取り組んでいる矢野さんの活動についてお話をうかがいました。

サステナブル_1
矢野敦子さん
「クロスリンク」代表取締役社長
新卒で印刷会社に入社。その後、事業立ち上げに特化したスタートアップファクトリー「エムアウト」に参画し、’10年に子会社として「クロスリンク」設立。’12年にMBOを実施。マッサージコンシェルジュ(R)の肩書きももつ。

「元気な人が人を元気にする」をヴィジョンに持続可能で豊かな社会へ

キャリア_1,サステナブル_2,インタビュー_1
矢野敦子さん

東京都が主催する「東京女性経営者アワード」で、「10年以上企業を先導してきた持続性ある経営力」を表彰する「持続経営部門」を受賞した矢野さん。「起業家や経営者になりたかったのではなく、この事業がやりたかった」と語る“事業”とは、整骨院や鍼灸院、整体院などに向けた集客予約のシステム構築だった。

「学生時代からマッサージが大好きで、社会人になってからは営業職だったこともあり、鍼灸や整体で癒やされては『これでまた仕事を頑張れる‼』と元気をもらっていました。ただ、当時は、予約は営業時間内に電話で、の時代。ネット予約なら夜中でもできるし、電話対応の時間も減らせる、ということで立ち上げたのが、集客予約システム『ワンモアハンド(※)』でした。’11年のことです」

たくさんの人がマッサージを受けて元気になるように、と始まった事業は、施術 “する側” も元気に、という視点へ発展していく。

「市場調査すると、施術者が非常に疲弊している。マッサージって感想が利用者の主観だから、評価を可視化することが難しいんです。さらにほとんどの場合お給料は施術の歩合で、仕事はハードなのに収入は低い。だから去っていく人も多いんです。業界内の当たり前を変えていき、施術者にとっての安心安全な場をつくるのも、私たちの重要な役割です」

最近、社員たちから言われてうれしかった言葉があった。

「『矢野さんを嘘つきにしない』と。会社が次のフェーズに移行しようとしていたとき、なかなか舵を切れずにいた私の背中を、『矢野さんの夢はちゃんと叶えるから』と押してくれました。諦めずに続けてきて本当によかった」

※ワンモアハンドとは…整骨院・鍼灸院・整体院・リラクゼーション・エステサロンに特化した予約管理・集客サポートシステム。全国約4000店舗が導入している。

【SDGsの現場から】もちろん社員も「元気な人」であるべし!

 

職種を超えて一緒に会議をする風通しのいい社風。月6000円までのサロン利用料補助も。

女性経営者アワードを受賞

 

’22年に「東京女性経営者アワード」持続経営部門を受賞。経営者としての喜びを実感。

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PHOTO :
望月みちか
EDIT :
喜多容子(Precious)
取材・文 :
剣持亜弥