『Precious』本誌をはじめ、テレビや広告など幅広く活躍する人気スタイリストの犬走比佐乃さんに、大人の女性に必要なファッションについて教えていただく連載。
今回のテーマは、2023年5月にルチア・デ・ヴィートをクリエイティブディレクターに迎え、新たに生まれ変わった「ファビアナ フィリッピ」。犬走さんも注目するこのブランドの魅力を、なかでも特に気に入っているとセレクトしてくれた最新アイテムとともに解説していただきます。
ルチア・デ・ヴィートが描き出す、洗練されたモダンな女性像
Precious本誌でもしばしば登場してきた“メイド・イン・イタリー”ブランド、「ファビアナ フィリッピ」。卓越したクラフツマンシップと、カシミアを中心とした上質な素材が融合したアイテムを展開し、洗練された大人の女性たちから高い支持を得てきました。
そんな「ファビアナ フィリッピ」が、この春さらなる飛躍を遂げることに。2023年5月にルチア・デ・ヴィートがクリエイティブディレクターに就任し、同年9月のミラノ・ファッション・ウィーク期間中に初コレクションを発表。犬走さんはこれまでになかった新しいイメージを纏ったアイテムの数々、なかでも特にアウターに着目したそう。
「1985年に、世界でも有数のニットの生産地で知られるイタリア・ウンブリア地方で誕生したブランドだけあって、これまではニットのイメージが強いブランドとして認識していました。雰囲気も少しフェミニンで、それはそれでとても素敵だったのですが、私のスタイルとは少しイメージが違うかな? と感じていたんです」(犬走さん)
しかし、ルチア・デ・ヴィートの初コレクションを見て、認識を新たに!
「第一印象は、『ジャケットが増えた!』。以前に比べると全体的にシャープな雰囲気に、だけどひと匙のフェミニニティを漂わせるバランスも絶妙で、早速私も取り入れたいと思いました」(犬走さん)
犬走さんがリアルに、自身のワードローブに取り入れたいとフォーカスしたアイテムをご紹介していただきましょう!
■1:春らしい色とショート丈が新鮮なシャツジャケット
まろやかなイエローが「春らしい!」と犬走さんの心を捉えた、ポリエステル・レーヨン(ビスコース)のストレッチ・キャディ製シャツジャケット。
「丈やシルエットも今らしいし、シワになりにくく、何度着ても見ためが変わりにくい保持性能が高い生地の上質さも気に入りました。オーバーサイズのシャツタイプなので、春先から初夏まで軽めの羽織ものとして活躍してくれそう」(犬走さん)
また、犬走さんは企業としてのSDGsへの取り組みにも共感しているそう。
「例えばこのシャツジャケット。縦糸のレーヨン(ビスコース)は、責任ある森林管理に従って生産されたサステナブルな工程を経た糸で、従来と比べて水の消費量を50%、大気への排出量を47%削減しているそう。フロントとカフスには天然の水牛ボタンを使用していたり、今、サステナブルこそラグジュアリーと改めて教えてくれた一着です」(犬走さん)
■2:さまざまな表情を楽しめるリネン混のノーカラージャケット
「ジャケットなら圧倒的にテーラードが好き」という犬走さんの心をも惹きつけたのが、クリーンなオフホワイトのノーカラージャケット。
「しなやかなレーヨンと立体感のあるリネンの特質が活かされた動きのあるツイル織で、リラクシーでいながらきちんと感もちゃんとある。これはすごく綺麗だなと。フロントに縫い付けられた細ベルトでカシュクール風に巻き付けて着ても、オープンにしてラフに着こなしても、幅広くコーディネートできそう」(犬走さん)
犬走さんはまず、ワンピースの上にサラリと着てみたいそう。
「もちろんパンツにもマッチするけれど、ストンとしたシルエットのワンピースに合わせて、ちょっとリッチなミルキーグラデーションを楽しむのも素敵だと思います」(犬走さん)
■3:ドラマティックなマッキントッシュのオーバーサイズコート
「大人が着るこういうコートっていいじゃない!」と犬走さんが一目惚れしたのが、「マッキントッシュ」の生地を使ったオーバーサイズコートです。
「まず気に入ったのが、この襟の大きさ! 両サイドにあしらわれたポケットのフラップも大きめで、このオーバーサイズシルエットの絶妙なアクセントに。また、レインコートに最適な耐水加工を施したボンデッド・マッキントッシュを使用していて、独特のハリ感が程よくマスキュリンな雰囲気を演出します」(犬走さん)
共布ベルトにはボタンホールがあり、両サイドのボタンに好みの位置で留めてスタイルに変化をつけることが可能。
「そういうディテールが心憎くて、もちろんそれなりのお値段はするけれど納得できます。私はやはりパンツスタイルで、例えばインナーはTシャツでただ、バサっと羽織っても絵になります」(犬走さん)
ルチア・デ・ヴィートがクリエイティブディレクターに就任した新生「ファビアナ フィリッピ」。真の“メイド・イン・イタリー”を体現する上質な素材とクラフツマンシンプはそのままに、洗練されたモダンな女性像を描き出す彼女ならではのクリエイションには、犬走さんも期待を寄せています。この春、そのエッセンスを取り入れて、着こなしをアップデートしてみませんか?
※掲載商品の価格は、すべて税抜きです。
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- TEXT :
- Precious.jp編集部
- PHOTO :
- 田中麻衣(小学館)
- WRITING :
- 岡村佳代
- EDIT :
- 谷 花生(Precious.jp)