新連載「Tomorrow Will Be Precious!」明日への希望をアクションに変える

雑誌『Precious』4月号からスタートの新連載【Tomorrow Will Be Precious!】では、明日への希望をアクションに変える人たちの活動に注目し、紹介していきます。

今回はそのなかから、アートディレクター/コミュニケーション・ディレクターの森本千絵さんの活動にフォーカス! Mr.Childrenや松任谷由実さんなど著名なアーティストのアートワークも担当している森本さんのお仕事に注目しました。

森本千絵さん
アートディレクター/コミュニケーション・ディレクター
(Chie Morimoto)武蔵野美術大学卒業後、博報堂に入社。’07年に独立、「出会いを発明する。夢をカタチにし、人をつなげる」をモットーに「goen°(ゴエン)」を設立。アトリエ&ショップも運営している。NHK『いないいないばあっ!』の新キャラクター『ぽぅぽ』をデザインしたことも話題を呼んだ。直近の仕事ドラマ『黄金の刻』(テレビ朝日)のアートワークほか多数。

どんな人でも、どんなモノでも大丈夫。アートディレクションで世界は輝き始める

アートディレクター/コミュニケーション・ディレクター森本千絵さん
アートディレクター/コミュニケーション・ディレクター森本千絵さん

人の手が加わることで、世界が輝きを放ち始めることがある。アートディレクションとは、そんなふうに、明日を変えていく仕事だ。

「未来を思うとき、私は根っこ、過去のことを考えます。仕事でもそうです。ミュージシャンでもアーティストでも経営者でも、仕事相手の根っこ、作品は全部自分の中に染み込ませる。具体的にいうと作品を聴き込んだり読み込んだり、全国どこでも出かけていって人に会ったり、その土地を見たりします。そうやって “研究” していくと、過去から現在、そして未来へと、地続きの道が見えてくる」

Mr.Childrenや松任谷由実などのアートワークや、映画・演劇の宣伝美術、全国各地の地域再生プロジェクト、動物園、保育園、映画祭のプロデュース、さらに建築、果ては幼児番組のキャラクターデザインまで、あらゆるジャンルで活躍。

「誰が、何が相手でも、体ひとつでどこに放り出されても、その場でいいものをつくり出す自信がある」と笑う。

そんな自身の根っこは「絵を描く」こと。「中の下くらいの普通の子」だった森本さんは、カードを描いて贈ったり、イベントのアイディアを出したりするのが好きだった。だから広告代理店に入った。つねにみんなを驚かせてやろうと必死に尖ってやってきたが、

「激流にもまれすぎて角が取れたのか、今はツルッツルのまあるい石に(笑)。でも、円いってすごいんですよ。私がイメージしているのは、円の縁がずーっと広がっていって、境界が曖昧になって、あなたと私、どっちがどっちかわからなくなるような、“染み渡り合う” クリエイション。それが、特に今の時代にはしっくりくると思っているんです」。

絵の具とスケッチブックを持って現場に行きずっと絵を描いていたり、リモートの打ち合わせ終わりに「やっぱり今から行きます」と最終便で地方のクライアントを訪ねたり。森本さんは手と体を動かして、世の中のあらゆる人とモノを研究し、素敵にしていく。

◇森本千絵さんに質問

Q.朝起きていちばんにやることは?
5時半起床、自宅の1階から3階までフローリングワイパーで乾拭き+ウェットシートで掃除+窓拭きがルーティーン。
Q.人から言われてうれしいほめ言葉は?
「ありがとう」
Q.急に休みがとれたらどう過ごす?
急に休み…とってますいつも(笑)。むしろ夫と娘が旅行に行き、ひとりで数日過ごす、のはご褒美。ずっと大好きな掃除をします。
Q.仕事以外で新しく始めたいことは?
中国語。
Q.10年後の自分は何をやっている?
生きていたい。そして生きていられたらきっと、今と同じように仕事をしていると思う。
Q.自分を動物にたとえると?
スタッフに聞いたら「水牛」「猪」「豹」と(笑)。自分では辰年生まれなので竜かな。ファンタジーの動物でイメージが多彩なのもいい。

PHOTO :
望月みちか
HAIR MAKE :
冨沢ノボル
EDIT&WRITING :
剣持亜弥、木村 晶・喜多容子(Precious)