例年、“WATCHES & WONDERS GENEVA”では、豊潤なクリエイティビティが光る新作の数々で話題をさらう「シャネル」。2025年も、その自由で大胆なウォッチメイキングに磨きをかけ、エレガントななかにも洒脱な遊び心を潜ませた作品を数多く発表しています。
そのなかから今回フォーカスするのは、文字盤を隠したオブジェのようなシークレットウォッチたち。『ネックレス ウォッチ ココ ブラック ジャケット』と『マドモアゼル プリヴェ ブトン カメリア コレクション』のふたつのタイムピースです。
至高の遊び心に溢れた『ネックレス ウォッチ ココ ブラック ジャケット』
この連載でも、マットなブルーセラミックの『J12 BLEU』や『シャネル BLUSH（ブラッシュ） ウォッチ カプセル コレクション』をすでにご紹介しましたが、「シャネル」からはまだまだ、心ときめく新作の数々が登場しています。まずはこの、 なんとも愛らしいマドモアゼル シャネルの佇まいに惹き寄せられる『ネックレス ウォッチ ココ ブラック ジャケット』！
流行にとらわれることなく、自身の直観に従い創作活動に勤しんだと伝えられているマドモアゼル シャネル。洗練と実用性、均整の取れたシンプルさを融合させた彼女のクリエイションは、先進的で自立したアクティブな女性のためのものでした。メゾンのアイコニックなスーツのように、エレガントで着心地がよく、緻密に計算されたシームレスなテーラリングは、制約のないシルエットをエフォートレスに描き出します。
『ネックレス ウォッチ ココ ブラック ジャケット』は、マドモアゼル シャネルと、彼女が創作した偉大なヘリテージのなかでも伝説的なブラック スーツとハットへのオマージュとも解釈できるネックレスウォッチ。そしてそれは、文字盤をハットの下に収めたシークレットウォッチです。
ダイヤモンドをセットしたホワイトゴールドのチェーンネックレスには、オニキスビーズでアクセントが添えられ、マドモアゼルが、“「絶対的な美しさ」があり「完璧な組み合わせ」”と愛した、ブラックとホワイトのハーモニーが完璧に表現されています。
『 マドモアゼル プリヴェ ブトン カメリア コレクション』
そしてまた、異なるアプローチでメゾンの真髄を表現したのが、『マドモアゼル プリヴェ ブトン カメリア コレクション』。
マドモアゼル シャネルのプライベートな世界へ通じるドアを開き、彼女が大切にしたシンボルや、いつもそばに置いていたものを収める宝石箱をイメージしてデザインされるウォッチ コレクション『マドモアゼル プリヴェ』。「時計製造」の概念を超越し、ジュエリーとクチュールの職人技に捧げるオマージュであり、メゾンが誇る伝統技術、メティエダール（芸術的手仕事）を施したコレクションです。
2025年は、マドモアゼルのシグネチャーのひとつであるカメリアが、2種類のシークレットウォッチ『マドモアゼル プリヴェ ブトン カメリア コレクション』の上で美しい花を咲かせました！
ネックレスウォッチ、リストウォッチ、ともにイエローゴールドとブラックコーティングを施したチタンケース。艶やかなオニキスプレートとエレガントな対比を見せるカメリアモチーフはマザー・オブ・パールで、ふんだんにあしらわれたダイヤモンドと美しく共鳴しています。
■１：ボタンをゴールドのチェーンにセットしたネックレスウォッチ
■２：サテン調のカーフスキン ストラップを組み合わせたリストウォッチ
さまざまな意匠を凝らしたカバーで「時計の顔」を隠したシークレットウォッチは、「シャネル」が得意とするクリエイションのひとつ。胸元で、手元で、密かに時を刻んでいくジュエリーたちは、カバーを開けるという贅沢なひと手間で、慌ただしく過ぎていく時間の流れに極上のエレガンスを添えてくれます。
※掲載商品の価格は、すべて記事公開時点の税込みです。
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- 岡村佳代さん 時計&ジュエリージャーナリスト
