温泉旅行の目的地として真っ先に候補に挙がりやすい草津。2023年度には観光客数が過去最多の370万人を記録するなど、ますます活況を呈する草津について、温泉ジャーナリストの植竹深雪さんはこう話します。
「草津の魅力を一言で表すならば、“進化し続ける温泉街”。自然湧出量日本一を誇り、古くからたくさんの人々の心と体を癒し続けてきましたが、2018年から再開発が進められ、より幅広い層が楽しめる魅力溢れるまちへと変わりつつあります。古き良き温泉街の風情は残しつつ、新しい観光スポットも次々と生まれており、新旧融合の多彩な表情をもつ草津。不動の人気も納得です」(植竹さん)
そんな注目度大の草津には、湯宿が約180軒もあるといわれます。そのなかからPrecious.jp読者におすすめの宿5軒を植竹さんにピックアップしてもらいました。今回ご紹介するのは明治10年(1877年)創業の老舗「草津温泉 奈良屋」です。
公式サイト
老舗の風格漂う名旅館で極上の湯浴み時間を心ゆくまで
名所「湯畑」から徒歩1分の好立地に佇む「草津温泉 奈良屋」。創業150年近い老舗で、草津にある主要6源泉のうち最古といわれる“白旗源泉”の湯を余すことなく堪能できます。源泉は50度を超えるあつ湯。それを貯水槽で一晩寝かせた後、“湯守”と呼ばれる職人が手間暇かけてまろやかな湯に仕上げ、旅客に極上の癒しを提供します。
「天下の名湯・草津の温泉街のなかでも、ひときわ風格が漂う『奈良屋』。老舗ならではの重厚感がありつつ、ただ古風なだけでなく和モダンにリノベーションされた素敵な空間です」(植竹さん)
「2か所ある大浴場『御汲み上げ(おくみあげ)の湯』と『花の湯』もそれぞれ風情があります。『御汲み上げの湯』は、丸太を組み上げた天井の高い造りが見事。また、『花の湯』では、樹齢200余年の松の木をくりぬいた浴槽“不老長寿の湯”があるなど、レトロな雰囲気に気分が上がります」(植竹さん)
「大浴場以外に3種類の貸切風呂も。こちらは有料ですが、休憩できる部屋付きで、1回につき45分の利用時間があっという間に感じられるほどの極楽気分を味わえます」(植竹さん)
「泉質は、酸性・含硫黄-アルミニウム-硫酸塩・塩化物泉。丁寧な湯遣いの賜で、加水なしでピュアな温泉の恵みをそのまま享受できるところに尊さを感じます。するっとした肌触りの心地のよい湯に身も心も癒されると共に、硫黄の作用で肌のトーンアップも実感できました」(植竹さん)
季節の和会席に“寿司バー”のおもてなしも!
夕食は、「蔵」「能」「苑」と名付けられた3つの食事処のいずれかで。こだわりの食材を集めた旬の和食会席を個室でゆっくり堪能できます。
「蔵をイメージした食事処も風情満点。夕食では、個室に料理人が訪れる“寿司バー”というサービスもあります。注文は1回きりですが、10種類ほどのネタがあり、その場で好きなものを握ってくれるのがサプライズ感、おもてなし感たっぷり。シャリ小さめなどのリクエストにも応えてくれるので、私は全種類を少しずつ味わうことができました」(植竹さん)
「1階にあるカフェバーの『喫茶去(きっさこ)』もおすすめです。10時~18時は宿泊客以外も利用できるカフェタイムで、18時~22時は宿泊者専用のバータイム。木のぬくもりを生かしたおしゃれな空間でゆっくり寛ぐことができ、私自身、草津入りした際には何度も訪問しています」(植竹さん)
湯畑を望む優雅な客室で草津の情緒に浸る
客室は、おひとりさま向けのシングルルームから、広々したメゾネットタイプまであり全35室。標準客室、コンフォートフロア、そしてワンランク上質のステイを叶える泉游亭の3つに大別でき、なかでも人気は、泉游亭「いわかがみ」「みねざくら」の2室です。
「いわかがみ」は、客室部分が90平米あり、仕切りを作らずにリビング・ダイニング・寝室・和室エリアを設けた開放的な空間。白旗源泉を引いた専用の半露天風呂から湯畑を一望できます。
「みねざくら」は、ベッドルーム、リビング、和室、バスルームを備えた62平米の客室で、まるい窓から湯畑を眺められるのが魅力。草津の風情に存分に浸りたい人に最適です。
以上、「草津温泉 奈良屋」をご紹介しました。草津でも屈指の老舗宿にて、湯守の職人技による極上の湯に癒されたい人は、次の旅先候補のひとつに加えてみてはいかがでしょうか。
問い合わせ先
- 草津温泉 奈良屋
- 住所/群馬県吾妻郡草津町草津396
客室数/全35室
料金/標準和室 2名1室1泊 ¥32,450(税込)~ - TEL:0279-88-2311
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- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 中田綾美
- EDIT :
- 谷 花生(Precious.jp)