寺社仏閣が立ち並ぶ京都・東山の一角、静寂の竹林を抜けた先にある「フォーシーズンズホテル京都」。平家物語にも記された約800年にも及ぶ歴史をもつ名庭「積翠園(しゃくすいえん)」を受け継ぐ、伝統とモダンな感性が調和したラグジュアリーホテルです。
そんな名庭を臨む1階のダイニングが、グリル料理を提供する「エンバ・キョウト・チョップハウス(EMBA KYOTO CHOPHAOUSE)」として今年4月にグランドオープンしました。
本記事では、「エンバ・キョウト・チョップハウス」での食事を含めた「フォーシーズンズホテル京都」での滞在を体験したPrecious.jpライターが、レストランでのお料理や客室、アクティビティなどを体験レポートでご紹介します。
歴史ある名庭を臨む!「フォーシーズンズホテル京都」宿泊レポート
入り口から120mほどの竹林の小道を進み、非日常の世界に誘われていくと、その先に佇む「フォーシーズンズホテル京都」。
印象的なエントランス前の屋根は、和傘をモチーフにしたデザインなのだそう。見る角度によって見え方が変わるだけでなく、夜になるとライティングの変化でまた幻想的な雰囲気を醸し出すのだとか。
エントランスにはホテル専属の「フォーシーズンズ人力車」が。この人力車で近隣の由緒ある寺社仏閣を訪ねるアクティビティは、京都らしさを感じられることもあり人気が高いのだそうです。
エントランスから中に入ると、季節の花々が目の前に。取材時は春の名残で桜が咲き誇っており、季節の情緒を感じました。その左手にフロントがあり、右手には待ち合いスペースがあります。
待ち合いスペースでは軽くつまめるお菓子やドリンクも置いてあります。ゆったりとくつろげるソファで、読書を楽しむのもいいですね。
そしてロビーにも人力車が置いてあるのですが、こちらは実際に使用するものではなく、あくまで展示用。フォーシーズンズホテル京都のために作られたという、エルメス製のモダンでおしゃれな人力車です。
ホテル内には、各所にアートが飾られています。大舩真言氏による現代日本画「禅」、七個の石を「心」という字に見立てて配置した藤堂氏のアート作品「七石」など……フォーシーズンズホテル京都のおもてなしの心や和の感性を表現した、ここでしか見られないアート作品の数々を、滞在中にぜひ楽しんで。
和の心を感じさせる「プレミアガーデンルーム」に宿泊
今回宿泊したのは、大きな窓から積翠園を臨む「プレミアガーデンルーム」。落ち着いたグリーンを基調とした、和の心を感じさせるデザインが心地よい空間です。
キングサイズのベッドとワークデスク、ソファを備えたお部屋は広々。床から天井までの大きな窓のおかげもあり、奥行きを感じます。大人3名まで宿泊できるお部屋です。
新緑の季節、窓からは豊かな緑が見えます。ソファに座って外を眺めているだけで、ゆったりとした時間を過ごすことができました。
大きめのワークデスクは側に電源などもあり快適。ワーケーションにもぴったりです。
ちなみに、お部屋の窓のカーテンの開閉はもちろん、部屋中のライトもベッドサイドのパネルで一括管理。ベッドで寝ながら部屋の明るさを調整できるのはうれしいですよね。
デスクの上には、たっぷりのいちごやブドウ、バナナなどがのったお皿が。豪華すぎるウェルカムフルーツにテンションがあがります。
ミネラルウォーターもたっぷりと。プラスチックゴミを減らすため、缶での提供となっています。
お部屋でくつろぐ時間に楽しみたい飲み物や軽くつまめるお菓子なども充実しています。有料のものも含め、種類豊富に揃っているので、おこもり滞在にもぴったり。
洗面台は余裕で2人横並びできるゆったりとした広さ。DIPTYQUEのバスアメニティも用意されています。
大理石張りの高級感あふれるフルサイズバスルームには、足を伸ばして入れるバスタブとシャワーブースがあります。ホテルオリジナルのバスソルトも置いてあるので、入浴の際にはお好みで入れて楽しんで。
スイートルームも拝見
さらに優雅な滞在が叶うスイートルームもチェック。
キッチンとバルコニーが付いた「レジデンシャルスイート」は、リビングルームとベッドルームが分かれていて、住むように滞在できるお部屋です。ビジネス利用はもちろん、ファミリーでの長期滞在にも。
おもてなしに最適なダイニングルームも。調理用具やカトラリー類が揃うキッチンでは、滞在中に料理を楽しむこともできます。
積翠園を目の前に望む広いバルコニーや、フルサイズバスルームが備わっていて、ゆったりと過ごすことができますよ。
夕食はステーキ&シーフード「エンバ・キョウト・チョップハウス」で豪快な肉料理を堪能!
今回オープンしたホテル1階のダイニング「エンバ・キョウト・チョップハウス」。世界的に牛肉料理が有名なアルゼンチンよりセバスチャン・バルクデス氏を料理長として迎えた本レストランでは、世界各国のブランド肉が丁寧に焼き上げられて提供されるほか、厳選素材のシーフード料理や地元でとれた季節野菜なども楽しめます。
実は店名の「エンバ(EMBA)」という言葉には、「宴」「炎」「縁」という3つの意味があります。食を楽しむ「宴」の場、焼き上げる「炎」が芸術的に舞う場、そして人と人との「縁」をつなぐ場として、「エンバ」が存在できたら……という想いが込められているそうです。
暖かい季節には、積翠園に面した開放感のあるテラス席もおすすめ。ゆったりとしたソファに腰かけながら、シーンにあわせた肉料理、シーフード料理をおいしいお酒とともに楽しむくつろぎの時間を過ごせます。
料理長のセバスチャン・バルクデス氏は、バーベキュー料理の本場であるアルゼンチンの出身。アルゼンチンには、肉の塊を炭や薪で豪快に焼き上げるアサード(Asado)と呼ばれる伝統的なバーベキュー料理があります。
セバスチャン・バルクデス氏にとってアサードは、子どもの頃から親しんだ郷土料理。本レストランでは、アルゼンチン本場の技術とバルクデス氏のセンスを活かした、本格的な炭火焼き料理が楽しめるんです。
なんといっても注目は、シェフこだわりの熟成肉。エイジングルームにてドライエイジングされたお肉の熟成度合いを毎日シェフがチェックし、状態が一番よいタイミングで提供しているそう。海外の熟成肉だとブルーチーズのような個性の強い香りがするそうですが、エンバでは国産肉を使ってフレッシュで柔らかい独特の香りの熟成肉に仕上げているのだとか。
じっくり熟成されたお肉は火入れの加減も絶妙で、ジューシーでとても柔らか! シンプルな味付けのため、肉の旨みがダイレクトに感じられます。
国産素材を集めた新鮮な「シーフードプラッター」や、爽やかなミントヨーグルトのソースで丸ごといただく「カリフラワーの炭火焼き」など、海鮮や野菜も食材本来のおいしさを活かした仕上がりで絶品です。
「お肉のよさをいかに伝えるか」に注力したというエンバだからこそ、お肉のおいしさはお墨付き。また、シェアして楽しむサイドディッシュとして、「焦がしミモレットのマカロニ&チーズ」といった子どもも喜ぶ定番のお料理や、「海藻マッシュポテト」、「トウモロコシとお豆腐のクレームブリュレ」などのあまり食べたことがない組み合わせながら日本人の舌に合うお料理なども。
料理にあわせて楽しめるお酒も充実しており、なんとボトルの数は150種類ほど。グラスで1杯からでも楽しめるのがうれしいポイントです。
お肉に負けない力強いボディの赤や、フルーティーで飲みやすい白などはもちろん、グラスワインで提供するのは難しいとされる貴重なワインのセレクションも用意されているそうなので、ワイン好きの方はぜひワインリストをチェックしてみて。
ボトル1本は多いけれど数人でシェアして楽しみたいという方には、デキャンタでの提供も。さまざまなスタイルで、料理と一緒においしいお酒を楽しむことができますよ。
朝食もエンバ・キョウト・チョップハウスにて
エンバ・キョウト・チョップハウスでは、7:00~10:30の時間帯でビュッフェスタイルの朝食を楽しめます。
メインは、おにぎりやパンケーキ、エッグベネディクトやフレンチトーストなどの中から1品を選ぶことができます。筆者はオムレツをセレクト。オムレツはトマト、ほうれん草、マッシュルーム、玉ねぎ、チーズ、ハムの中からお好みの具材を入れてもらえます。
洋食派の方は充実したパンのラインナップに注目。グルテンフリーのパンやマフィンも用意されています。
もちろん、和食派も大満足の白米やご飯のお供も。スムージーやフルーツジュース、サラダなどもあるので、朝から野菜やフルーツをしっかりとりたい方にもうれしいメニューが揃っています。
京都ならではのアクティビティも多数
フォーシーズンズホテル京都では、京都ならではのアクティビティも多数用意されています。
人力車での東山散策、芸者とのお座敷遊び、武道、茶道体験などの和を感じられるアクティビティは、外国人観光客を中心に好評を博しているそう。
その中で今回、積翠園のほとりにある数寄屋造りの茶室内のラウンジ「楓樹」で行われる「現代金継ぎ」を体験させていただきました。
妙法院門跡門主僧侶であった菅原信海氏によって命名された「楓樹」。池庭を眺めながら、日中は積翠園甘味重やお抹茶を、夕暮れ時は日本酒やシャンパンなどを楽しむことができる、憩いの空間です。
隣にある「積翠亭」は茶道体験ができる茶室となっています。
関西を中心に活動する「KINTSUGI WEST」の宮川徳三郎氏が教えてくれる現代金継ぎは、漆ではなく合成樹脂を使用するため、かぶれることなく金継ぎが楽しめるのが魅力。初心者でも気軽に体験できます。
また、金継ぎというと欠けたり割れたりした器を修復するのに割れた部分のかけらをくっつけたり、パテで埋めたりするイメージがありますが、なんと今回欠けた部分に使用するのはシーグラス!
シーグラスは形もさまざまで、器の欠損部分にぴったりはまるわけではありません。多少はみだしても、足りない部分があっても、厚みが違ってもいいというのです。
なんとなく大きさ的にはまりそうなシーグラスを探して、まずは瞬間接着剤でくっつけていきます。パズルのようにぴったりはまるわけではないので、穴があく部分がありますが、そこはパテで埋めても、あいたままにしてもOK。穴があいていても、それはそれで味があるそうです。
筆者は金を塗る部分を増やしたかったので、穴があかないようにしっかりパテで埋めました。パテがしっかり乾いたら、つなぎ部分を全体的にヤスリでなめらかに研磨します。
パテの上に細筆で金を塗って完成。器の割れ方もさまざまですが、シーグラスの選び方、つなぎ方、金の塗り方にもすべて個性が出るため、ひとつとして同じものはできあがりません。
世界にひとつだけの金継ぎされた器は愛着もひとしお。シーグラスを使った現代金継ぎは珍しいため、きっと思い出に残る体験になりますよ。
世界旅行がテーマのアフタヌーンティーも提供中
また、3階「ザ・ラウンジ&バー」では、世界旅行がテーマの「フォーシーズンズ プライベートジェットツアー アフタヌーンティー」が提供中です。
フォーシーズンズのプライベートジェットに乗って世界各地を巡るラグジュアリーなツアー旅行「フォーシーズンズ・プライベートジェット・エクスペリエンス」で実際に訪れる旅先をイメージしたスイーツやセイボリー、ドリンクを味わうことができ、味覚で世界を旅するような気分に浸れる内容です。
シアトル、京都、ホイアン、モルディブ、セレンゲティ、マラケシュ、ブタペスト、フィレンツェ、パリという9つの土地の雰囲気を楽しめるアフタヌーンティーは、2024年6月30日(日)までの期間限定。宿泊者でなくても楽しめますので、気になる方はお早めにチェックを。
新たなグリルレストラン「エンバ・キョウト・チョップハウス」でのお食事や、ザ・ラウンジ&バーでの季節のアフタヌーンティーはもちろん、京都らしい和のアクティビティ、プールやスパでのリフレッシュなど、充実した滞在が楽しめる「フォーシーズンズホテル京都」。ぜひ夏のご旅行先として検討してみてくださいね。
問い合わせ先
- フォーシーズンズホテル京都
- TEL:075ー541ー8288
- 住所/京都市東山区妙法院前側町445-3
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- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 小林麻美