日常を離れて向き合う本から、感性と好奇心がフレッシュに刺激される【あの人が「旅に連れていく本」】

自由に過ごせるヴァカンスでは、好きな本を読み耽ることを楽しみにする人も多いもの。次の旅や最近訪れた旅…など、旅先に連れていく相棒本をうかがいました。

清原真里さん
トラベルアクティビスト
(きよはら まり)外資系金融機関に勤務ののち、1年の3分の1は旅をする生活へ。ジョージア、バルト3国をはじめ、訪れた国は60か国以上。昨年は豪華客船で南極へ行く体験も。日本旅行作家協会会員。斎藤茂太賞選考委員。

「この夏は、初めて訪れる旧ユーゴスラビア諸国へ。関連本を持参して滞在をフルに楽しみます」清原真里さん(トラベルアクティビスト)

さまざまな国を訪れ、出会った人や食、風景等、その土地の醍醐味を伝えることをライフワークにしています。常にいくつかの旅を並行してプランニングしていますが、この夏、特に楽しみにしているのが初めて訪れる旧ユーゴスラビア諸国。セルビア、クロアチア、コソボなどの国々を、ドナウ川を下りながら巡る予定です。

その情報収集のために、この3種の本を持って行こうと思っています。ドナウ川沿いを主人公たちが旅する『ドナウの旅人』は、ちょうど訪れる場所の参考になりそうなひと組。ほかの2冊は、世界各地を訪れている料理探検家や文筆家のエッセイ。独自の感性でつづられる、場所ごとのエピソードが、今回の旅や次の旅のいいヒントになりそうです。 

旅先では常に、主要な歴史建造物や美術館を必ず訪れ、可能であれば現地の料理教室に参加するなど、経験を広げることも楽しみに。そのためにも、その場所が題材の本で情報を得たり、感性をアップデートしたりするように意識。心を満たす充実した滞在には、よい旅先本が欠かせません。

トラベルアクティビストの清原真里さんの相棒本
 

1.『世界の台所探検 料理から暮らしと社会がみえる』著=岡根谷実里 青幻舎¥2,200
「作者は、世界の普通の家庭を訪ね、一緒に料理をさせてもらうという “台所探検家” の女性。現地の暮らしと文化を、テンポのいい文章と自分で撮った写真で紹介しています。世の中の普通の食事への興味が深まります」

2.『旅の彼方』著=若菜晃子 アノニマ・スタジオ¥1,760
「旅の中で思ったことを書き留めたような随筆集は、旅行のヒントとして持参。登山の専門出版社の編集者を経て文筆家になったという作者は、既に何冊も本を出している方なので、読み応えに期待を寄せています」

3.『ドナウの旅人 (上)(下)』著=宮本 輝 新潮文庫 各¥935
「出版された当時に一度読んだのですが、今回の旅に合わせ再読するつもり。ドナウ川の流れに沿って、西ドイツから旅をする登場人物の足どりが、まさに旅程の参考に。できれば行き先を決める出発前から読み進めたい」

※掲載商品の価格は、すべて税込みです。

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PHOTO :
小池紀行(CASK)
EDIT&WRITING :
長瀬裕起子、遠藤智子(Precious)
撮影協力 :
Getty Images
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