身長156cmのインテリアエディターが、おすすめのアイテムを実際に体験しながらレポートする本連載。今回は本連載で初めて取り上げるタイのブランド「ポディウム」から、オリエンタルとスカンジナビアンデザインが融合したラウンジチェア『ネオリエント』をご紹介します。
「ポディウム」は、昨年4月に代官山にできた「ザ・コンランショップ」初の路面店オープニングのタイミングで見かけて以来、ずっと気になっていたタイの木工家具ブランドです。
暑すぎる日本の夏の気候にアジアンテイストな無垢材の使い方が魅力的に感じると共に、北欧で学んだ若手デザイナーの感性が端正な佇まいに表れていて、改めて新鮮に感じました。暮らしに新しい風を吹き込んでくれるようなアイテムの魅力をご紹介します。
置くだけで「ジャパンディ」な雰囲気を作り出すラウンジチェア
世界的に人気のあるインテリアスタイルのひとつ「ジャパンディ」は、日本の禅と北欧のミニマルな機能美が融合したスタイルです。その特徴のひとつに、天然素材を使った手仕事感の残るミニマルな空間があります。
日本人の私たちからすると中国、韓国、インドネシア、タイなどがざっくりまとめて捉えられているような感覚も否めないのですが、無垢の木材とラタンの取り合わせや紙の照明、中国の明代の椅子に見られる直線と曲線の組み合わせなどのオリエンタリズムが「ジャパンディ」のジャパン要素(=西洋から見たアジア的な要素)を担っています。
今回ご紹介するタイのブランド「ポディウム」のラウンジチェア『ネオリエント』は、ぽんとひとつ置いただけで空間そのものを「ジャパンディスタイル」に仕立ててしまう力のあるラウンジチェアです。特に“ブラック コワントロー”の黒が墨を思わせ、日本的な要素をより強く感じられるのではないでしょうか。
アジアのライフスタイルに合うスカンジナビアンデザインが新鮮!
ラウンジチェアは、リビングやベッドルームの片隅に置いて、夕暮れ時ののんびりとした時間や眠る前のまどろみの時間を過ごすのに最適な家具。風合いのある革や生地で張られ、低めでゆったりとしたかけ心地のものが多く、自分のための1脚を探すのはとても楽しいアイテムです。
ただ、一方でそのボリューム感が日本の住宅事情には少し存在感が大きすぎるように感じる場合もあります。
その点『ネオリエント』は、特徴的な形状の背板が引き立つ無垢材のフレームで向こうの景色が見えるよう抜けているので軽快。空間に置かれた際の背のデザインが「あちら」と「こちら」の結界を作るような凛とした佇まいで非常にアジア的です。
日本の和空間からシンプルで無機質なモダン空間、ラグジュアリーな空間など、さまざまなジャンルのインテリアに合わせられます。
着座の感覚は極めてスカンジナビアンモダンの名作ラウンジチェアと似ていました。しっとりした革の硬めのかけ心地、背板の角度やアームの高さ、ネックピローの柔らかさが秀逸です。
軽いのに堅牢な作りをしているので、模様替えを気軽にできるのも魅力です。タイのリゾートホテルのスパにありそうな、洗練されているのにくつろいだ雰囲気をご自宅に取り入れられます。
伝統とモダンが融合するタイの木工家具ブランド「ポディウム」
1983 年にタイのチョンボリで木製家具メーカーとして設立された「ポディウム」。古くから受け継がれるオリエンタルデザインと現代の北欧デザインの融合を得意とし、その高い技術と木製家具業界での豊富な経験に加え、現在ではタイ国内外のさまざまなデザイナーとタッグを組んでオリジナルプロダクトを立ち上げています。
シンプルさと機能性、普遍的なデザインを最高レベルで実現させることができる、タイを拠点とする最高の家具ブランドのひとつです。
『ネオリエント』を手掛けたタイ出身の2人組「アトリエ2+スタジオ」
デザイナー兼職人を担う、エイダ・チラクラーノンとウォラポン・マヌピパッポンによる「アトリエ2+スタジオ」は、バンコクを拠点に建築、アート、クラフト、デザインの分野で国際的な評価を受けています。素材がもつ自然な風合いを生かしつつ、スウェーデンで修業を積んだ経験をもとにデザイン性に優れた家具を多く生み出しています。
今回はタイの木工家具ブランド「ポディウム」から、『ネオリエント』をご紹介しました。素材感が亜熱帯化する日本の気候にも合っていて洗練されたデザインのラウンジチェア、素敵ですよね!
先日デンマークに行って改めて感じた「豊かさ」の選択肢のひとつとして、こちらのアイテムをお届けできるのが個人的にとてもうれしく、これを機会にぜひ実物をご覧いただけたら光栄です。
※掲載商品の価格は、税込みです。
問い合わせ先
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ザ・コンランショップ 代官山店
営業時間/11:00~18:00、11:00~19:00(土)
定休日/水曜
TEL:03-6703-6700
住所/東京都渋谷区猿楽町18-8 ヒルサイドテラスF棟 1F・B1F
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- TEXT :
- 土橋陽子さん インテリアエディター
公式サイト:YOKODOBASHI.COM