身長156cmのインテリアエディターが、おすすめのアイテムを実際に体験しながらレポートする本連載。今回は、前回に続きデンマークで100年以上前から続くファミリーオーナー企業の「カール・ハンセン&サン」にフォーカス。確かな技術で作られた、名作ネスティングテーブル『CH004』をご紹介します。

ネスティングテーブルとは、入れ子式にコンパクトにしまえて使うときには引き出して複数のテーブルになってくれるサイドテーブルの総称です。北欧ヴィンテージ家具のなかでも大人気アイテムで、なかなか手に入れることができません。

1952年に初めて発表され、2023年に復刻された現行品の『CH004』は、当時そのままのオーセンティックな佇まいながら、現代の暮らしにも品よく寄り添ってくれる働き者です。

どんなインテリアにもマッチするミニマルなデザイン

マトリョーシカのように大きなテーブルの下に複数のテーブルが収まっているネスティングテーブル。多くのものは3つのテーブルで構成され、コンパクトな日本の住宅にぴったりのアイテムです。

今回ご紹介する『CH004』も3連タイプ。デンマークの巨匠、ハンス J. ウェグナーがデザインを手がけ、1952年の発表当時のものはヴィンテージ市場でも入手困難な人気アイテムでしたが、2023年に待望の復刻をとげました。

カール・ハンセン&サンのネスティングテーブル『CH004』
【ブランド】カール・ハンセン&サン 【商品名】CH004 【写真仕様の価格】¥182,600 【サイズ】幅520×奥行き340×高さ480、幅455×奥行き315×高さ465、幅400×奥行き295×高さ445(mm) 【材質】オーク材 ホワイトオイル仕上げ

丸みを帯びた先細りの脚、金物を使わずに組んだほぞ継ぎ、優美な曲線を描く前面と背面の貫など、堅牢に造られた美しくミニマルなデザインには流行に左右されないタイムレスな魅力があります。

カール・ハンセン&サンのネスティングテーブル『CH004』を使用したインテリア例
大きさが異なるテーブルを少し引き出したり、個別に使ったりと、フレキシブルな暮らしを叶えるネスティングテーブル。

さらに、適正に管理された森林から産出されたFSC認証のオーク材、ウォルナット材、またはその組み合わせから選べるので、さまざまなインテリアのテイストに合わせることが可能です。

カール・ハンセン&サンのネスティングテーブル『CH004』を使用したインテリア例
左/淡い色調が軽やかなオーク材のタイプ。右/シックなブラウンのウォルナット材のタイプ。

気軽に動かして、自分らしい快適な居場所づくりを楽しんで!

もともとネスティングテーブルは、より柔軟なインテリアへのニーズが高まるのに合わせて、1950年代に人気を博しました。そのニーズは、現代の暮らしにも通用するものですよね。『CH004』は軽快な雰囲気があり、気負わずにレイアウト変更して部屋のさまざまな場所に心地よいコーナーを作るのに役立ちます。

カール・ハンセン&サンのネスティングテーブル『CH004』を使用したインテリア例
3つをバラバラにして、3か所のコーナーに置いたインテリア例。

自宅のインテリアを全体的なテイストで考えようとすると、なんだか難しいように感じられてしまう方が少なくないかもしれません。ですが、暮らす人が心地よいコーナーをひとつずつ楽しみながら作っていけば、おのずと素敵な生活空間ができ上がっていくもの。

カール・ハンセン&サンのネスティングテーブル『CH004』を使用したインテリア例とインテリアエディターの土橋陽子さん
ひだまりにラウンジチェアとネスティングテーブルを置くだけでコージーな居場所が完成!

例えば上の写真の場合、ここに素敵な灯りやラグがあればより一層完成度は上がるのですが、ポカポカ日光浴のできる窓辺にお気に入りの椅子とテーブルがあれば、それで十分ですよね! 『CH004』は、そういった基本的な喜びを思い出させてくれます。

移動する際には、個別にはもちろん、3つまとめて一体型のテーブルとしても安定して持ち運ぶことが可能です。1つのアイテムで3つのサイドテーブルが手に入るってお得感もありますよね(笑)。

カール・ハンセン&サンのネスティングテーブル『CH004』を使用したインテリア例とインテリアエディターの土橋陽子さん
卓越した職人技で仕上げられているため、3つのテーブルがスーッと滑らせるように入れ子型に収まります。

今回は、ウェグナーデザインの名作ネスティングテーブル『CH004』の魅力をご紹介しました。ショールームでは素敵なテーブルランプを置いたり、ソファとチェアの間に置いてみたりと、さまざまなコーディネート提案に触れることができます。ぜひ、実際に足を運んで体感してみてください。

※掲載した商品の価格は、税込みです。

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この記事の執筆者
イデーに5年間(1997年~2002年)所属し、定番家具の開発や「東京デザイナーズブロック2001」の実行委員長、ロンドン・ミラノ・NYで発表されたブランド「SPUTNIK」の立ち上げに関わる。 2012年より「Design life with kids interior workshop」主宰。モンテッソーリ教育の視点を取り入れた、自身デザインの、“時計の読めない子が読みたくなる”アナログ時計『fun pun clock(ふんぷんクロック)』が、グッドデザイン賞2017を受賞。現在は、フリーランスのデザイナー・インテリアエディターとして「豊かな暮らし」について、プロダクトやコーディネート、ライティングを通して情報発信をしている。
公式サイト:YOKODOBASHI.COM