英国の小型スポーツカーの伝統を今に伝えるロータス。近年のモデルは必要最低限の装備で、ストイックに峠やサーキット走行を楽しめるように作られている。強固なボディを保つためのサイドシル(ドアの下の敷居)をまたぐようにして乗り、薄いスポーツシートに座ってダイレクト感溢れるドライビングを味わえるのは至福の時間ではあるが、セカンドカーなしに1台ですべてをまかなう使い方をするには、それなりの覚悟がいる。そこで、どうしても1台で過ごしたい、あるいはラグジュアリーカーから乗り換えるという方におすすめなのが、2+2のキャビンを備えたエヴォーラだ。

小さな車体で最高速度300km/hのハイスペック

骨格を自前で作り、他社からパーツを調達して組み立てる、英国のバックヤードビルダーの伝統は、現在のロータスでも健在。エンジンはトヨタ製で、制御プログラムや吸排気系をオリジナルでチューンし、独自のパフォーマンスを発揮する。

 エヴォーラは2009年に登場したフラッグシップモデルで、2015年に大幅改良を施して、現在のエヴォーラ400は406馬力を発生するスーパーチャー付き3.5リッターV6エンジンを積む。快適装備にも力を入れたぶん、車重はロータスとしては重い1,300kgとなるが(それでも十分軽い!)、それでもカタログ上の最高速度は300km/hに達し、並み居るスーパー・スポーツカーにも引けを取らないパフォーマンスを発揮する。

乗り降りしやすく荷物もたくさん置ける!

200km/h以上でのスピードで、強力なエアロダイナミクスを発揮するボディは、見た目にもエモーショナル。硬派で華やかな、英国製スーパーカーだ。

 エヴォーラのサイドシルは低く抑えられて乗り込みやすく、トランスミッションはATも選べる。今回の試乗車がまさにそうだったのだが、ガツンとした衝撃のないしなやかな足回りも含め、「これならスーツ姿でも気持ちよく走れる!」と唸らされた。コンパクトな車体で、しかもエンジンをキャビン後方に積むミッドシップレイアウトゆえ、後席は正直言って緊急用でしかないものの、荷物置き場があるだけでも使い勝手は格段に向上する。仕事帰りにそのまま高速道路をクルージングし、峠に着いたら本気モードで魅惑のコーナリング性能を存分に味わう…。そんな楽しみ方ができるクルマは、なかなかない。

コクピットはタイトであるものの、大画面のカーナビも付き、十分な実用性を備える。シートやセンターパッドの素材や色を選べるオプションも用意され、よりラグジュアリーな仕様に仕立てることもできる。

〈ロータス・エヴォーラ400〉
全長×全幅×全高:4,390×1,850×1,240㎜
車両重量:1,395〜1,425kg
排気量:3,456cc
エンジン:V型6気筒DOHC+スーパーチャージャー
最高出力:406PS/7,000rpm
最大トルク:410Nm/3,000〜7,000rpm
駆動方式:2WD
トランスミッション:6MT/6AT
価格:1,258万2,000円〜(税込み)
■問い合わせ先
エルシーアイ
https://www.lotus-cars.jp/

この記事の執筆者
男性情報誌の編集を経て、フリーランスに。心を揺さぶる名車の本質に迫るべく、日夜さまざまなクルマを見て、触っている。映画に登場した車種 にも詳しい。自動車文化を育てた、カーガイたちに憧れ、自らも洒脱に乗りこなせる男になりたいと願う。