世界を席巻!「アジアン・セレブ」大集合
K-POPや韓国ドラマブームを筆頭に、今アジアのスターたちの活躍がめざましい。アジア各国の俳優やアーティストたちが、その類いまれなる才能や美しさで世界を魅了しています。彼らはいかにして、これほどの人気を獲得したのでしょうか? グローバルに輝く「アジアン・セレブ」の魅力に迫ります。
今回は、韓国カルチャーや海外セレブの動向に詳しい2人の有識者に、人気の秘密をうかがいました。
■お話をうかがった方々
海外セレブウォッチャー・さかいもゆるさん
K-POPライター・DJ泡沫(うたかた)さん
世界のファッションシーンで脚光を浴びる韓国セレブたちの人気と台頭の理由とは?
グローバルに活躍するアジアン・セレブのなかでも、ひときわ存在感を放つ韓国のアーティストや俳優たち。韓国カルチャーや海外セレブの動向に詳しい2名の有識者の考察や解釈を交えながら、彼らが台頭してきた理由と人気の秘密について考えます。
今や世界のファッションシーンに欠かせない存在となった韓国セレブたち。直近では、兵役を終えたばかりの「BTS」のジンが「フレッド」と「グッチ」のグローバルアンバサダーに、「BLACKPINK」のリサが「ルイ・ヴィトン」のアンバサダーに就任して話題になりました。その背景について、海外セレブウォッチャーのさかいもゆるさんは2019~2020年が転換期だと指摘します。
「ハリウッドで、人種や性別といった平等を保障する『インクルージョン・ライダー』が話題になったり、“ヴィクトリアズ・シークレット” のショーがキャンセルになったりと、多様性や人種比率というものに世の中が敏感になり始めたのが2018~2019年頃。ブランドイメージを大切にするラグジュアリー業界も、広告に起用するタレントの多様化を強めたのではないかと考えます。そこへ訪れた新型コロナの流行。外出自粛生活によって多くの人が自宅で楽しめる動画コンテンツに夢中になり、韓国ドラマやK-POPといった韓流エンタメが世界中で大ブームに。このようにいくつかのきっかけが重なったことで、韓国セレブへの注目度が高まったのだと思います」
「BTS」が全編英語詞の楽曲『Dynamite』を発表し、グローバルな人気を確立したのも2020年。この頃から、韓国セレブのアンバサダー起用が顕著になりました。現在のK-POP界を牽引する「BLACKPINK」と「NewJeans」においては、メンバー全員がそれぞれ個人で世界的メゾンのアンバサダーを務めているほど。彼らの飛躍について、K-POPライターのDJ泡沫さんは、SNSでの影響力も重要なポイントだと言います。
「アイドルを筆頭に、韓国のスターはとにかくSNSに強い。世界中に膨大なフォロワーを抱えていて、インプレッションも非常に高く、インフルエンサーとしてのパワーが圧倒的です。特にアジアでの影響力が大きい点も特徴。アジア市場を獲得していきたいブランド側からすると、彼らとタッグを組むというのは合理的なことなのではないでしょうか」
このトピックを語るうえで外せないのが、「BIGBANG」のG-DRAGONの存在です。
「彼は2016年に、K-POPアーティストとして初めて “シャネル” のアンバサダーに抜擢されました。当時から独自の感性が光るファッショニスタとして注目を集め、2014年頃からはファッションウィークの常連になるなど、昨今のムーブメントの礎を築いたキーパーソンといえるでしょう。それから10年ほど経った今、世界のファッションシーンにおける韓国セレブの存在感は確かなものになりました。そのあり方も多様化し、活躍の場を広げています」と、DJ泡沫さんは話します。
「偏った美の価値観に迎合することなく、自分の個性を生かしてファッションを楽しんでいるのがとても素敵だと思います。今はまだ、アジア人がフロントローにいると誇らしい気持ちさえありますし、彼らの飛躍が珍しいことのように見られがちですが、今後当たり前の光景として定着していくことを望みます」と、さかいさんはこれからの展開に期待を寄せます。
ますます勢いを増す、アジアン・セレブたちの活躍から目が離せません。
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- EDIT :
- 奥山碧子(Precious)