伝統あるニューヨーク・オートショーが2018年3月末にマンハッタンで開催された。

 米国のみならず世界中の自動車メーカーが参加。世界初公開になるSUVと、ハイパフォーマンスカーが勢揃いしたショーである。

 ロサンジェルスと違い、ニューヨーカーはクルマを実用の道具と割り切っている感がある。しかしビジネスの中心地であり、現地でトレードショーを開く意味は小さくない。

 クルマも同様。そう大きくない会場だが、数多くの新型車が並べられた。そこからとくに注目の5台を、ライフスタイルジャーナリストの小川フミオ氏がカウントダウン方式で紹介する。

第5位 マセラティ・レヴァンテ・トロフェオ

マセラティ・レヴァンテ・トロフェオは3.8リッターV8ツインターボエンジンに、インテリジェントQ4システムを搭載する。
マセラティ・レヴァンテ・トロフェオは3.8リッターV8ツインターボエンジンに、インテリジェントQ4システムを搭載する。

 マセラティは高級ハイパフォーマンスSUVの頂点に位置づけられるレヴァンテ・トロフェオをデビューさせた。

 ニューヨーク・オートショーではスポーツカーなみの性能を持つSUVがいくつも登場。590馬力のレヴァンテ・トロフェオは代表的な1台だ。

 最高速度は時速300キロ。静止から時速100キロまで加速するのに3.9秒という。レザーと軽量素材による内装とともに、マセラティのブランドイメージに恥じない内容である。

第4位 トヨタRAV4

4.6メートルの全長に1700ミリの全高という新型RAV4はオフロードというより都市型のイメージのスタイリング。
4.6メートルの全長に1700ミリの全高という新型RAV4はオフロードというより都市型のイメージのスタイリング。

 フルモデルチェンジを受け第5世代になる新型RAV4が初公開。米国だけでも2017年は41万台販売する大人気車種で注目を集めていた。

 新しいプラットフォームを用い、2.5リッターガソリンと、2.5リッター+電気モーターのハイブリッドシステムが組み合わされる。

 トヨタでは走りのよさとともに、インフォテイメントシステムの充実ぶりを喧伝していた。

 全長4.6メートルていどのコンパクトSUVは米国でもどんどん市場が拡大している。米国では2018年中に、日本でも19年の販売が予定されている。

第3位 ジャガーF-PACE SVR

大きなエアインテークを備えたジャガーF-PACE SVRは、静止から時速100キロまでを4.3秒で加速する。
大きなエアインテークを備えたジャガーF-PACE SVRは、静止から時速100キロまでを4.3秒で加速する。

 ジャガーのスタンドで注目を集めていたのは、電気で走るSUVであるI-PACE。2018年に米国でも販売開始される。

 もうひとつが、同じSUVでも高性能を追求したF-PACE SVRというパフォーマンスで頂点に立つモデルだ。

 同社のSVO(スペシャルビークルオペレーション)がチューンナップし、内外装ともに特別感あふれたモデル。

 サーキット走行まで視野に入れたスポーツシャシーに5リッターV8搭載。550馬力の最高出力と680Nmの最大トルクを発生。ぜいたくなモデルだ。

第2位 Audi RS5 Sportback

グリーンのイメージカラーで塗られたAudi RS5 Sportbackは、静止から時速100キロまでを3.9秒で加速する俊足ぶり。
グリーンのイメージカラーで塗られたAudi RS5 Sportbackは、静止から時速100キロまでを3.9秒で加速する俊足ぶり。

 初お披露目となったのがRS5 Sportback。2.9リッターV型6気筒エンジンを持つ。331kW(444馬力)の最高出力と600Nmの最大トルクという。

 RSとはアウディのハイパフォーマンスモデルで、モータースポーツを担当するアウディスポーツがシャシー、サスペンション、エンジンなど徹底的にチューンナップしている。

 RS5 Sportbackはスポーツクワトロシステムを搭載。通常は前輪に40パーセント、後輪に60パーセントのトルクを配分。

 走行状況に応じて、最大で前輪に70パーセント、いっぽう後輪には85パーセントへと変化する。スタイリッシュな高性能車として注目だ。

第1位 キャデラックXT4

キャデラックが発売するXT4は177kW(237馬力)の2リッターターボエンジンに、前輪駆動主体のAWDシステムを組み合わせる。
キャデラックが発売するXT4は177kW(237馬力)の2リッターターボエンジンに、前輪駆動主体のAWDシステムを組み合わせる。

 XT5も好調な販売記録を更新しているキャデラックがニューヨークでデビューさせた全長4.6メートルというコンパクトサイズのSUV。

 キャデラックのブランドイメージに合うのか?と思いがちだが、新設計のシャシーに2リッターエンジンで、操縦性のよさが強調される。

 扱いやすいサイズのSUVは若い世代の人気が高いことに注目したキャデラックでは、「XT4でユーザーの若返りをはかりたい」(デ・ネイシン社長)としている。

 キャデラックとひと目でわかるフロントマスクを持ついっぽう、大きめのショルダーを設けて力強さを強調。室内の品質感も高い。日本への導入も検討中だそうだ。

この記事の執筆者
自動車誌やグルメ誌の編集長経験をもつフリーランス。守備範囲はほかにもホテル、旅、プロダクト全般、インタビューなど。ライフスタイル誌やウェブメディアなどで活躍中。
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