日本全国に約3,000あるといわれる温泉地。日に日に肌寒くなってきて温泉が恋しくなる季節ですが、旅の行き先を決めかねている人も多いのではないでしょうか。
迷ったときには王道を選ぶのもひとつの手。そこで、温泉ジャーナリストの植竹深雪さんに人気温泉地ランキング上位常連である“箱根”の名宿をピックアップしてもらいました。今回ご紹介するのは箱根湯本にある「箱根 花紋」です。
公式サイト
まさに温泉三昧!10種類の「湯巡り茶屋」で箱根の自家源泉を満喫する
箱根湯本駅から徒歩15分ほどにある「箱根 花紋」は、箱根でも数少ない自家源泉の湯を味わえる名旅館。宿の目の前にある早雲寺は、豊臣秀吉の小田原攻めの際に本陣が置かれた地で、『花紋』という宿名は、秀吉が合戦前夜の茶会でしたためた句が由来とされています。
こちらの宿の自慢は、「湯巡り茶屋」と称される大浴場。なんと10種類もの湯殿があり、名前のとおり湯巡り気分を存分に楽しめます。
「『湯巡り茶屋』は、温泉好きにはたまらないアミューズメント施設。ただ湯舟の種類が多いだけでなく、広々と開放感のある露天風呂からおひとりさま専用のつぼ湯まで浴槽の造りもバラエティに富んでいます。さらに、打たせ湯や箱蒸し風呂、サウナもあり、趣向を凝らした提供の仕方でおもてなし感満載です」(植竹さん)
「ちなみに、秀吉に縁のあるこちらの宿では、『湯巡り茶屋』の湯殿もそれぞれ秀吉にまつわる伝承をモチーフにしています。例えば、洞窟風呂『石垣の湯』は秀吉が小田原攻めの際に築いた一夜城の石垣がモチーフ。また、箱蒸し風呂『蔵の湯』は、秀吉ゆかりの地から湧き出る源泉の蒸気で商人が病を癒し、商売繁盛で蔵を建てたエピソードにちなんでいるのだそうです。こうした背景に思いを馳せ、歴史文化の趣を感じながら湯に浸かれるのもこちらの宿の魅力だと思います」(植竹さん)
「泉質は、ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉。地下850メートルから湧き出た貴重な自家源泉の湯は肌なじみがよく、保温・保湿力に優れていてこれからの季節にぴったりです。
なお、2か所ある貸切風呂『かがおう』『なよ竹』もユニーク。『かがおう』は湯口が急須の形、『なよ竹』は浴槽の傍らにブランコが設置され遊び心があります。浴槽にかかった傘や周囲の竹林も風情があり、さながら姫様気分です」(植竹さん)
「箱根の上質な自家源泉を堪能できるうえ、あの湯この湯と湯巡りできるのは至福の極み。客室数18に対し、10種類の湯殿に貸切2か所というのも贅沢で、のんびり温泉三昧したい人にとって理想的な環境だと思います」(植竹さん)
夜も朝も大満足!旬の逸品が揃ったおもてなし料理に舌鼓を打つ
「温泉だけでなく、こちらはお食事も出色です。夕食の会席コースは、小田原港から水揚げされた金目鯛やアジなどの魚介類や、みずみずしい山の幸がバランスよく散りばめれられて彩りが豊か。料理人が腕によりをかけた品々がどれもこれもおいしく、旬の味わいをたっぷり堪能することができます」(植竹さん)
「朝ごはんフェスティバルで日本一に選ばれたこともある朝食は、選べる焼き魚や玉子料理に手作り豆腐、地産地消のお料理など質・量ともに充実しており、夜も朝もゲストを最大限におもてなししようとする宿のこだわりがひしひしと感じられました」(植竹さん)
客室は続々リニューアル中!趣向を凝らした空間で過ごす優雅な旅時間
「箱根 花紋」では2024年11月現在、4階部分の客室をリニューアル中。客室のタイプは3階和室、露天風呂付き特別室「和の庄」、最上階特別フロアの露天風呂付き特別室「六花」(奏・結・想・歩・香・語)、半露天風呂付き和洋室「離れ燈」に分かれます。
最上階特別フロアは、美術館のような天井の高さと幻想的な灯りが非日常へと誘うラグジュアリーな空間。6室限定の「六花」は、それぞれ組子、布、石、土、箱根細工、竹・和紙をテーマとしており、全て趣や設えが異なります。
「離れ燈」は2024年8月に誕生したばかり。100平米を超える空間に半露天風呂、リビング、ベッドルーム、和室、寛ぎスペースがゆったりと配され、快適な旅を約束してくれます。専用玄関を備えており、よりプライベートな旅を楽しみたい人におすすめです。
以上、「箱根 花紋」をご紹介しました。リュクスな温泉アミューズメント施設とも言いたくなる、多彩な湯殿を備えた宿で上質な自家源泉を心行くまで堪能したい人は次の旅先候補のひとつに加えてみてはいかがでしょうか。
問い合わせ先
- 箱根 花紋
- 住所/神奈川県足柄下郡箱根町湯本435
客室数/全18室
料金/朝夕2食付き 2名1室1名¥33,000(税込)~ - TEL:0460-85-5050
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- WRITING :
- 中田綾美
- EDIT :
- 谷 花生(Precious.jp)