日本全国に約3,000あるといわれる温泉地。日に日に肌寒くなってきて温泉が恋しくなる季節ですが、旅の行き先を決めかねている人も多いのではないでしょうか。

迷ったときには王道を選ぶのもひとつの手。そこで、温泉ジャーナリストの植竹深雪さんに人気温泉地ランキング上位常連である“箱根”の名宿をピックアップしてもらいました。今回ご紹介するのは小涌谷にある「箱根・翠松園」です。

植竹深雪さん
温泉ジャーナリスト
(うえたけ みゆき)全国各地の3000スポット以上を巡っている温泉愛好家。フリーアナウンサー、温泉ジャーナリストとして、テレビ番組をはじめ、さまざまなメディアで活躍中。著書に『からだがよろこぶ! ぬる湯温泉ナビ』(辰巳出版)がある。
公式サイト

大正の面影とモダンな快適さが融合した湯宿で過ごす至福の寛ぎ時間

豊かな自然が感じられる小涌谷にて約3,000坪の敷地を誇る「箱根・翠松園」。大正14年に建てられた三井財閥の別荘をリノベーションした「料亭 紅葉」が敷地の中心に佇み、それを囲むように全23の客室が点在します。

翠松園のエントランス
威風堂々とした佇まいの正面玄関。

「格調高い正面玄関や食事処は大正浪漫を感じさせつつ、客室はスモールラグジュアリーな雰囲気。和の伝統とコンテンポラリーとが程よく調和した宿で、悠々と羽を伸ばすのにぴったりです」(植竹さん)

翠松園のロビー
レトロモダンな雰囲気のロビーラウンジ。

「客室は全て55平米以上のスイート仕様。それぞれ間取りやデザインが異なっていて、ゲストを飽きさせません。例えば、ミストサウナ付きだったり、ハンモックがあったり、足湯があったりなど、部屋ごとの個性があるので、連泊して異なるスタイルを楽しまれる方もいるようです」(植竹さん)

翠松園のラグジュアリースイート
120平米の広さがあるラグジュアリースイート「尚(ねがう)」。

「そして、温泉好きにとって何よりもうれしいのは、全室に源泉かけ流しの露天風呂を備えていること。こちらの宿は自家源泉を所有しており、お部屋で良質な湯を堪能できるのは贅沢の極みです。泉質は、単純温泉。風情ある空間で肌なじみのよい優しい浴感の湯に癒されます」(植竹さん)

翠松園の客室露天風呂
ラグジュアリースイート「尚」の露天風呂。

「客室以外に、内湯と露天風呂、ドライサウナを備えた大浴場も。お部屋のお風呂で満足される方が多いためか、大浴場は混み合うこともなくゆったり入れますし、ちょっとした気分転換にこちらに足を運ぶのもよいかと思います」(植竹さん)

翠松園の大浴場露天風呂
大浴場露天風呂。
「箱根・翠松園」の大浴場内湯
大浴場内湯。

本格的なバーも併設!登録有形文化財の建物で美食を堪能する

三井財閥の別荘を改装した「料亭 紅葉」は国の登録有形文化財。建具や窓ガラスなど往時の品格を漂わせる建物での食事は格別だと植竹さんは話します。

料亭「紅葉」
「料亭 紅葉」の外観。

「夕食は日本料理か鉄板焼きかを選べて、私はライブ感を楽しめる鉄板焼きを選択。腕利きのシェフが目の前で鮮やかに調理してくれるのを眺めているだけで食欲がそそられます。前菜もスープも肉も魚も何もかもおいしかったのですが、個人的にはシメのガーリックライスが特に印象的。大葉の爽やかなアクセントが絶妙でした」(植竹さん)

翠松園の夕食の一例
日本料理の一例。
夕食・鉄板焼きメニューの一例
鉄板焼きの一例。

「また、『料亭 紅葉』の同じ建物内には『バー 伊都』もあります。洗練されたクラシカルなバーは、オリジナルカクテルや希少なハードリカーなどラインナップが豊富。ここが温泉宿だということを一瞬、忘れてしまいそうになるほどです。

夕食前に軽く一杯飲むのもよし。夕食でお腹を満たした後、食事の余韻に浸るもよし。あるいは湯上りに立ち寄ってまったりと寛ぐもよし。気軽に大人の時間を満喫できる素敵な空間が、旅の付加価値をより高めてくれたような気がします」(植竹さん)

バー伊都
大人のひとときを過ごす「バー伊都」。

以上、「箱根・翠松園」をご紹介しました。露天風呂付きスイートルームや登録有形文化財の料亭・バーを備えた宿で上質なステイを叶えたい人は次の行き先候補のひとつに加えてみてはいかがでしょうか。

問い合わせ先

  • 箱根・翠松園
  • 住所/神奈川県足柄下郡箱根町小涌谷519-9
    客室数/全23室
    料金/朝夕2食付き 2名1室1名¥46,200(税込)~
  • TEL:0570-0117-22

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WRITING :
中田綾美
EDIT :
谷 花生(Precious.jp)