東京タワー至近のラグジュアリーホテル「ザ・プリンス パークタワー東京」では、国立西洋美術館で開催中の展覧会「モネ 睡蓮のとき」とのコラボレーションによるスペシャルコースを提供中です。
この特別なコースは、展覧会の会期に合わせ、2025年2月11日(火・祝)まで、ホテル最上階の西洋料理「レストラン ブリーズヴェール」にて楽しめます。
「レストラン ブリーズヴェール」が展覧会とのコラボレーションを行うのは今回が初めて。メニューを手がけたのは、国際コンクールで日本代表として入賞した経験を持つ料理長の茂手木 了氏です。
茂手木氏は、「普段は食材からメニューを考えますが、今回は展覧会のテーマを先に形にするという逆のアプローチを取りました。それでも、見た目だけでなく味にもこだわり抜きました」と語っています。
モネの世界観を反映させた特別メニューは、「見てひたる」「食べてひたる」「聴いてひたる」「香りでひたる」「触れてひたる」の五感を刺激する演出です。
さらに、テーブルにはコースメニューとともに、モネの絵画6枚のポストカードがセットされており、それぞれの作品をイメージした料理が登場します。実際にこのスペシャルコースを体験したPrecious.jpライターの感想を交えながら、その魅力を詳しくご紹介します。
「モネ 睡蓮のとき Collaboration Menu~五感でひたるモネ~」全メニュー紹介
■1:聴いてひたる「アミューズ・ブーシュ~池の音~」
ひと品目は、モネが愛したジヴェルニーの庭にある池の音をイメージしたアミューズ・ブーシュです。運ばれてきた瞬間から聞こえるパチパチとはじける音が、わくわく感を誘い、モネの世界へと引き込んでくれます。
グラスの中には、ふわっとした白人参のムースに、ズワイガニとコンソメのジュレが重なり、カニの甘みとコンソメの深い味わいが絶妙なハーモニーを奏でます。また、グラスの下部には鮮やかな水色の中に睡蓮の葉をイメージした葉が浮かびます。
音の演出は、炭酸入りの飴を水に浸すことで生まれたものなんだそう。耳で楽しみながらいただくひと皿です。
■2:香りでひたる「帆立貝~水面と光彩~」
次に登場するのは、池の水面に映る光や光彩をイメージした前菜です。
主役は半生に火を入れた帆立貝。モネゆかりの地であるノルマンディー地方は帆立貝が有名ということから、帆立貝(国産)を使用しています。
その上には帆立貝を使ったジュレとキャビアが美しく盛り付けられ、付け合わせにかぶの酢漬けが添えられています。柚子を使ったマヨネーズソースとともに、爽やかな味わいを楽しめるひと皿です。
泡状のソースにはノルマンディー地方のシードルを使ったビネガーが取り入れられています。仕上げにはテーブルで柚子の皮を削り、香りに浸る演出も。
帆立貝の絶妙な火入れによる半生の食感と、泡のソース、クリーミーなマヨネーズソースが見事に調和し、柚子の爽やかな香りが口いっぱいに広がります。
■3:見てひたる「フォアグラ~睡蓮の花~」
前菜の2品目は、展示会のメインビジュアルでもあり、コラボコースの中でも最も視覚的に特徴的な、睡蓮の花をイメージして作られたメニューです。
花びら部分は、根セロリを型抜きしてチップスに仕立てたもの。半日から一日かけて低温でじっくり加熱し、曲面を作って花びらの形にしたら、丁寧に火入れしたフォアグラのムースに差し込み、美しい花を表現。中心には、ソーテルヌワインのジュレが輝いています。
ソースにはりんごとルッコラを使用し、お皿にはりんごとハーブのサラダが添えられています。白いパウダー状のものは、根セロリと粉糖を混ぜたもので、池のさざ波をイメージした演出です。
根セロリのパリっとしたチップスと、なめらかなフォアグラのムースのコントラストが楽しく、りんごとルッコラのソースとのバランスが絶妙です。見た目の美しさと味わいの両方を楽しめる、まさに芸術的な睡蓮でした。
■4:食べてひたる「牛フィレ肉~日本の橋~」
肉料理は、牛フィレ肉を網焼きとローストでシンプルに仕上げ、香り高いトリュフのソースを合わせたひと皿。この料理は、モネの「日本の橋」からインスピレーションを得て作られたもので、里芋や春菊など、日本の食材が巧みに取り入れられています。
厚めにカットされたフィレ肉は驚くほど柔らかく、噛むたびに肉の旨みが広がります。トリュフの芳醇なソースがしっかりと絡み、深みのある味わいを引き出しています。さらに、鮮やかな緑の春菊のソースと一緒にいただくと、爽やかな風味が加わり、一層の美味しさを堪能できます。
■5:見てひたる「ショコラ~枝垂れ柳~」
枝垂れ柳をイメージしたというショコラのデザートは、木の幹を表現した筒状の部分は、薄く焼き上げられたチョコレートのチュイールで、中にはオレンジ風味のチョコレートムースが詰められています。上には柳の枝をイメージした繊細な飾りが施されており、こちらもカカオ風味のクッキーで作られています。
お皿には、ピスタチオ、ヘーゼルナッツ、オレンジの3種類のソースがアートのように描かれ、緑の透明な飴細工はミントで作られたもの。細部に至るまで美しい演出が光ります。
濃厚なチョコレートを使用していながら全体的に軽やかで、ムースにほんのり効いたオレンジの香りや、添えられたベリーのフレッシュな酸味が爽やかなアクセントを加えています。飴細工のパリパリ感、クッキーのサクサク感、ムースのなめらかさなど、異なる食感を楽しめるデザートです。
■6:触れてひたる「小菓子~薔薇~」
最後は、モネの庭にも咲いていたバラにちなんだ小菓子です。木箱のふたを開けると、本物のバラの花びらが敷き詰められ、その上に2種の小菓子が並んでいます。花びらに触れながら、優雅なひとときを楽しめるひと品です。
ひとつは、バラの花を模したタルト。花の部分は、イタリアンメレンゲとバターを合わせたクリームで形作られ、ヘーゼルナッツのクリームが入ったタルトの上にのっています。
花びらの上に乗せられた透明なビーズ状のものは、ホワイトバルサミコを球体にしたもので、口の中でプチっと溶け出しほのかな大人の味わいを加えます。
もうひとつは、栗を使ったカヌレ。ミニサイズながら、中には栗の風味がしっかり感じられ、外はカリっと、中はもっちりとした食感が絶妙です。上にのった乾燥したキイチゴとフランボワーズの酸味がアクセントとなり、甘さと酸味のバランスが取れた逸品です。
モネの作品を鑑賞した方はその余韻をさらに楽しむことができ、まだ展覧会に行かれていない方は、この美しいコースを堪能した後にぜひ訪れたくなるはずです。
絵画に劣らない芸術的な一皿一皿は、まさに茂手木シェフが手がける「食のアート」。ザ・プリンス パークタワー東京で特別なひとときを味わってみてはいかがでしょうか。
問い合わせ先
- ザ・プリンス パークタワー東京
- 「モネ 睡蓮のとき Collaboration Menu~五感でひたるモネ~」
提供場所/33F 西洋料理「レストラン ブリーズヴェール」
提供期間/~2025年2月11日(火・祝)※数量限定 、前日12:00までの完全予約制
提供時間/11:30〜14:30(L.O.14:00)、ディナー 17:30~22:00(L.O.21:00) - TEL:03-5400-1170(受付 10:00〜18:00)
- 住所/東京都港区芝公園4-8-1
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- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 篠原亜由美
- EDIT :
- 小林麻美