「じずと」ではありません!「自ずと」ってなんと読む?

明日、1月17日は『防災とボランティアの日』です。1995(平成7)年のこの日に阪神淡路大震災が発生し、そのときにボランティア活動が大きな力となったことから、災害への備えと共にボランティアの大切さを認識する日、とされています。

「ボランティア」の語源はラテン語の「volo(自分から~する)」「voluntas(意志)」にあるとされ、厚生労働省はこの外来語に関して「明確な定義を行うことは難しいが、一般的には『自発的な意志に基づき他人者社会に貢献する行為』を指してボランティア活動」と明文化しています。「ボランティア=奉仕活動」というイメージを持っていた方も多いと思いますが、もとは「自発的な意志による」という部分が主体の言葉なのです。本日は「自」という字にスポットをあてた日本語クイズをお送りします。

【問題1】「自ずと」ってなんと読む?

「自ずと」という日本語の正しい読み方をお答えください。

ヒント:「ひとりでに」という意味の副詞です。

<使用例>

「人から聞くより、このパンフレットをきちんと読み込めば、自ずと理解できますよ」

「○○ずと」。
「○○ずと」。

…さて、正解は?

※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。

正解は↓に‼
正解は↓に‼

正解は… 自ずと(おの-ずと) です。

「自」の表外読み(常用漢字表に掲載されない読みかた)に「自ら(おのずから)」がございます。
「自」の表外読み(常用漢字表に掲載されない読み方)に「おのずから」がございます。

常用漢字として「みずから」という読み方も習いますが、同じ表記の表外読みに「おのずから」という読み方もあり、こちらを使った副詞が今回出題した副詞が今回出題した「おのずと」です。

さて2問目にまいりましょう。

【問題2】「自り」ってなんと読む?

「自り」という日本語の正しい読み方をお答えください。

ヒント:動作・作用などの起点を表す言葉です。

<使用例>

「『自 ○月○日 至 ○月×日』を読み上げるときは、『○月○日自り、○月×日に至るまで』とお願いします」

「〇り」。
「〇り」。

…さて、正解は?

※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。

正解は↓に‼
正解は↓に‼

正解は… 自り(よ-り) です。

こちらも「自」の表外読みで、漢文の読み下しでも使われる読み方です。

「自」という字の意味としては「自分自身。己(おのれ)」というイメージが強いと思いますが、同じ系統に派生する意味として「みずから」「ひとりでに」ほか、「~より」「~から」など「起点や出所を表す」という意味もあるのです。例文のように「自」「至」をセットで『自 〇時〇分 至 ×時×分』などと、期間を示しているケースでは、意訳的に「○時〇分から」と読むこともございますが、正確には「自り(より)」という読み方・意味を使った形になります。

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本日は1月17日『防災とボランティアの日』にちなんで、「自」という字にスポットをあて、

・自ずと(おの-ずと)

・自り(よ-り)

などの読み方や、言葉の背景についておさらいいたしました。

この記事の執筆者
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Precious.jp編集部 
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参考資料:『日本大百科全書(ニッポニカ)』『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(小学館)/日本記念日協会ホームページ/厚生労働省ホームページ/日本財団ボランティアセンターホームページ/『漢字ペディア』(日本漢字能力検定協会)
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ILLUSTRATION :
小出 真朱