「然る可く」ってなんと読む?「ぜんるかく」ではありません!
明日・2月15日は『兼好忌』です。兼好忌とは、鎌倉・南北朝時代の歌人で僧侶の、吉田兼好の忌日、という意味です(※兼好の正確な没日に関してははっきりしていないものの、長年、この日が『兼好忌』と扱われ、俳句の季語としてもそのように扱われています)。兼好法師といえば、随筆『徒然草』…ということで、本日は「然」という字の入った日本語クイズをお送りします。
【問題1】「然る可く」ってなんと読む?
「然る可く」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「適当に。よいように」という意味の言葉です。
<使用例>
「そこについては、現場の感覚で然る可く取り計らってください」

…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。

正解は… しかるべく です。

「然り」は「その通りである」、「可く(べく)」は「~するのが当然だ」の連用形ですので、「然る可く」は、「あるべきやり方で」「常識的に考えられる範囲内で」といったニュアンスの言い回しです。「然り」はやや難しい読み方ではありますが、知的な大人の会話には、日常語として登場しますので、おさえておきたい言葉です。
さて、2問目にまいりましょう。
【問題2】「然も」ってなんと読む?
「然も」の読み方として正しくなるよう「○○も」の○に、それぞれ、かな1文字ずつ入れて完成させてください。
ヒント:「そのうえ。さらに」「それにもかかわらず」などの意味で使われる言葉です。
<使用例>
「こんなに使い安くて、然も(○○も)、お値段も手ごろだなんて!」

…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。

正解は… 然も(しか-も) です。

「然も」は、日常的に会話で使う言葉ですが、漢字表記と結びつきましたか? 同じ表記で「然(さ)もありなん」の「さも」という読み方もありますので、クイズでは、読みがなの字数を限定しました。「然り」という日本語を深掘りしたくなった方は、ぜひ、こちらのリンクもご一読ください⇒「然り」って読めますか?「然」がもつ意味や使い方を解説!
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本日は、2月15日『兼好忌』にちなんで、「然」という字の入った日本語から、
・然る可き(しか-る-べ-き)
・然も(しか-も)
の読み方、言葉の背景などをおさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:『日本大百科全書(ニッポニカ)』『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(小学館)/きござい歳時記ホームページ/『漢字ペディア』(日本漢字能力検定協会)
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱